《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の再びは ①

パソコンでメールを開くと、更新に更新を重ねて何十通のメールが屆いていた。

「なんじゃこりゃ……」

目を見開きメールを見ると、アクセサリーの注文だらけだった。

あ、そういや俺雑誌に載ったんだっけ……。

影響力ってこんなにあるんだ。

とりあえず一件ずつ丁寧にみて、メモをして……。注文をざっくり見ても家にあるビーズだけじゃ足りないから、注文しないといけないな。

これだけの數を作るのに、何ヶ月かかるだろう……。

「あー!考えてること全部マイナスに考えちゃうじゃん!お客様が待ってるんだろ!頑張れ、俺。」

自分の頬をパンパンと自分で叩いた。

全部手作りだから、最後の注文終わるまで半年くらいかな……。

仕事があるだけありがたい、そう思うことにした。

アクセサリーのビーズを急いで発注した。

早くても明日屆く。

とりあえず家にあるビーズで作れるものを作った。

デザインを紙に書いて、紙の橫にビーズを置き糸に通していく。

俺のアクセサリーは必ず水辺や海のれている。

昔から俺の家族は祝い事や嬉しいことがあれば必ず地方の水族館に行っていた。

旅行に行けば必ず水族館のある近くの場所に泊まっていた。

何故そのように行くことになったかきっかけは忘れた。でも同じ場所に何回行っても飽きることはなかった。

広い水槽に泳ぐ魚達。

下を見ればヒトデや海藻類もいる。

非日常的な空間が大好きだった。

だから家族との思い出をアクセサリー作りでもう一度甦らせたい……そんな気持ちだった。

今は行くことはないけれど、ビーズという小さいが、俺の手によってアクセサリーという躍溢れるに変わる。

作ることに集中すれば嫌なことは全て忘れて、それがまた幸せだった。

……ピンポーン

ハッと顔を上げると、窓からが差し込みまぶしい。

眠たい目をり、目を細めるとチャイムが赤くっていた。

宅配が來たのか……。

もう朝なのか。

夜通しでアクセサリー作っていたから、いつの間にか日付も変わっていたのか。

俺は印鑑を持って玄関のドアを開けた。

「はーい」

しドアを開けると立っている人が見えた。でもその人の服裝を見て明らかに宅配の人じゃないことがわかった。

來客か……?

「律……」

聞いたことがある聲。

ふと見上げると

駿が立っていた……。

夢か?

実は俺まだ寢ているのか?働きすぎて夢か現実かわかってないかもしれない。

ドアを開けた時に隙間から吹く風が冷たい。

冷たいのがわかる。

これは夢じゃない、現実だ。

目の前にいるのは駿なんだ。

わかった瞬間焦り、勢いよくドアを閉めようとした。

「待って、律!」

駿は閉めようとするドアの隙間に左足を挾み、完全に閉めないようにした。

せっかく……

せっかく駿を忘れようとしてたのに。

忘れかけてたのに、また思い出しちゃったじゃん……。

しでもいいから話しよう!」

「嫌だ!何しに帰ってきたんだよ」

ドアを閉めようとする俺と開けようとする駿。お互い譲らないからなかなか挾んだ足が邪魔でなかなか閉めれない。

「いたっ……」

駿が挾んでいた足に痛みが走り、し足が引っ込んだ。

俺はそれを見て、ドアを閉めた。

なにをしてる……。

駿が帰ってきた。

嬉しいはずなのに

「律!開けて!!」

ドアを叩く音と名前を呼ぶ聲。

「なんでこのタイミングで帰ってくんだよ……」

していた俺はそのままドアに鍵をかけ、蹲り耳を塞いだ。

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