《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達の再びは ③

真剣な目だったから、本気で言っていることはわかる。

今まではしだけ、可能は0%に近いけど會えるような気がしていた。

でもここでさようならをしたら、本當に一生會えないような気がする。

「律、さよなら言って」

「……」

「ここでさよならしたら、もう辛い目に遭わなくてすむんだよ。俺達は本當の赤の他人なるんだよ」

駿は俺の肩を持ち揺さぶった。

心臓がドキドキする。鼓が早くなる。

頭がふらっとしてきた。

「律が言わないならもう俺行くから」

駿が俺から離れ、背中を見せ歩き出した。

俺から離れていく。

もう終わりだ。

いや、終わらせたらダメだ。

「待って、駿!」

車椅子のまま、窓から出ようとしたその時だった。

あれ?

駿の背中が歪んで見える。

視界が狹くなっていく……。

バタン!!

車椅子ごと俺は倒れてしまった。

「待って……」

意識がなくなる中、雨の音にかき消された小さな聲。

冷たい雨が俺のを濡らしていく。

死ぬのか……俺……。

行かないで、駿……。

「律……!」

微かな意識の中聲が聞こえた。がふわっと浮恭平、俺を抱きかかえてくれたことがわかった。名前を何回も呼んでくれてた。そこまでは覚えていたけど……。

そのあとは意識を失ったみたいだ。

死んだのか?俺……。

いきなりなんだよ。

駿に會えてよかったねーじゃなくて俺が死んで終わるのかよ……。

『律、人は死んだらお星様になるのよ』

がフワフワする。周りは白い景、なにもない。聲だけが聞こえた。

そういえば子供の頃お母さんが言ってたっけ。

大人になってからそんなこと信じなくなったけど。

『人が死ぬ時は必ず理由があるの。律あなたは

今死ぬべき時ではないわ』

……!?

どこだ……ここ?

目はし開いたが、まだ霞んでいる。

は固定されてるみたいにかない。眼球だけが左右にかせることが出來た。

呼吸もしている。

モニターの音が聞こえる……。

生きてる……?

ぼやっとした視界に誰かが見えた。

「目覚めましたか?」

姿はまだはっきり見えなかったが聲が一ノ瀬先生のようだった。

「ここは?」

「病院ですよ、過労とストレスで倒れたみたいですね。」

先生は點滴の速度をし変えながら、看護師に指示をしているようだった。

「駿が連絡くれて。貴方達、ずぶ濡れだったんですよ。ここに運ばれた時、駿は熱もあって。一緒に院させちゃいました。」

先生はチラッと橫のベッドに目をやった。

俺の隣には同じように點滴に繋がれた駿が寢ていた。

「……駿にさよならって言われました」

「そうですか」

「辛かったです。どんな気持ちで駿が言ったか分からなかったけど、俺は辛かったです」

「白咲さんは素直な気持ち伝えましたか?」

「素直な気持ち……?」

「今まで駿を探してた気持ち、いなかった時の気持ち、會えた時の気持ち、、全部です」

駿は話がしたいって言っていた。

俺は拒否したけど、今思えばどんな気持ちでこの數日間過ごしていたのだろう。

俺って駿を知ろうとしているつもりだったけど、本當は何も知ろうとしないで逃げてるだけだったような気もする。

「人はいつ別れが訪れるかわからないんで、素直な気持ち伝えてくださいね。今日はゆっくり休んでください。」

先生がその場を離れると、顔だけ橫を向け駿を見た。

スヤスヤと寢ている。

あんな雨の中待ってたんだ、そりゃ熱も出るわ。

辛い思いさせたな……。

「ごめんな、駿。ありがとう」

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