《僕の妹は〇〇ですが何か問題ありますか?》神通力

ランランとリンリンは自分たちの技をくらってしまった。どうやら、やつが使用した『龍神の反撃』は自分がくらった技を相手にくらわせる技のようだ。ランランとリンリンがやつに放った技は殺生技『心臓潰し』。つまり、二人の心臓は今……。僕が二人の現狀を予想した時、仰向けで倒れているランランとリンリンが急に目を覚ました。

『……よっと!! ふっかーつ!!』

「うわっ! びっくりした! というか、なんで二人とも生きてるんだ?」

『キョンシーはく死だからだ!!』

「あー、そうか。そういえば、二人ともキョンシーだったな」

『ただのキョンシーではない! 世界最強のキョンシーだ!』

「お、おう」

「ちっ、しぶといやつらだ。まあ、いい。次で決めればいい話だ」

『おい、龍神! 一つ質問してもいいか?』

「なんだ?」

『お前のそのはお前の世界にいる雅人《まさと》のものだということは知っているが、お前のの中つまり雅人《まさと》の神は今どこにあるんだ?』

「眠っているよ。我《われ》がこのの中に作った空間の中でな」

『何? そんなのほぼ永眠じゃないか!!』

「そうだな。だが、そうしないと雅人《まさと》は王にはなれない。なぜだか分かるか?」

『分からん!!』

「理だ! こやつの理が王の力を拒むからいけないのだ! それさえなければ我《われ》はこんなことをせずに済んだのだ!!」

『そうか。つまり、お前は自分の思い通りにならなかったから無理やり雅人《まさと》の神を自分の空間に閉じ込めたのだな』

「違う!!」

『違わない! お前は雅人《まさと》を自の手で殺《あや》めたのだ!!』

「黙れええええええええええええええええええええええ!!」

龍神の放つオーラが僕の部屋の空気を震わせている。やつはそのオーラを右手に集中させると必殺の一撃を放った。

「『龍神の逆上』!!」

『これはさすがにまずいな。仕方ない、神通力を解放しよう。龍神よ! 疾《と》く去《い》ね!!』

「そ、そんな……! この我《われ》がキョンシーごときに負けるというのかー!!」

『ああ! そうだ!! というか、さっさと元の世界に帰れ! そして二度と私たちの前に現れるな!!』

「う、うわああああああああああああああああああああ!!」

二人は神通力で僕の部屋にある姿見の中にやつを押し込んだ。これでもう二度とやつはこの世界にはやってこない。

『見たか! 雅人《まさと》! これが私たちの実力のほんの一部だ!!』

あれでほんの一部なのか……。

「す、すごいな。神通力使えるのか」

『キョンシーになってから三百年ほど経っているからな! これくらいできて當然だ!!』

「へ、へえ、すごいなー」

今さらっと年齢特定できそうな発言しなかったか? うーん、まあ、いいや。

「それよりありがとう。おかげで助かったよ」

『禮を言われるほどのことはしていない! これくらいできて當然だ!!』

いや、今すぐ龍神を追い払えって言われてできるやつってそんなにいないから。

「そ、そうなのかー」

こいつら敵にしたくないなー。よし、これからも護衛してもらおう。

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