《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》ワイバーンレース 3日目

ワイバーンレース3日目はアクシデントに見舞われた。

競技ゆえの事故ならば、様々な出來事があり得るだろう。

しかし、それは事故ではなく事件だった。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「大丈夫か、メイル?」

「はい、大丈……いえ、視界が吹雪で利きません」

3日目の天候は最悪だった。

元より北方面のステージ。 季節外れの大雪に見舞われ、運営は中止の協議にっている。 そんな報が競技者たちにもっているが、中止の可能に賭けて飛行停止するわけにはいかない。

いきなり、続行となれば取り返しのつかないタイムロスとなる。

とは言え、現在は救済処置が取られている。

運営が指示した速度を維持。 強制的な低速飛行が義務付けられた。

加えて、追い抜き止となっているので、無理して追い抜く意味がない。

もしも、追い抜いたところで、順位は3日目のスタート順番に戻されるからだ。

しかし――――

「いくら低速飛行とは言え、飛び続けるしかないとは……タロウの様子は大丈夫か?」

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吹雪に飛ぶのはワイバーンの疲労が激しい。

スタミナが過剰に消費されていけばワイバーンの怪我にもつながる。

しかし、ワイバーンのタロウは予想よりも平気そうな顔で飛び続けている。

「大丈夫そうですね。もしかしたら、タロウの赤いは炎屬を意味しているのかもしれませんね」

メイルは冗談じりに言った。

「あははは……そりゃ良い。この厚著でも凍える寒さだ。タロウの炎屬に甘やかさせてもらう」

そんなやり取りをわしていると、従來のチェックポイントが見えて來た。

だが、奇妙な事にチェックポイントには參加者と思わしき人々が、止まっていた。

「なんだ? 最初のチェックポイントは、氷の窟を低空で飛ぶコースだったはず……れなくなっているのか?」

ベルトたちはワイバーンを停止させると飛び降りて、集まっている人々に話しかけた。

「――――あぁ、り口が潰れちまっている。雪の重さで崩れちまっただろうな」

「なるほど、それじゃ競技の方は?」

「俺もわからねぇよ。それは運営側にも聞いてくれよ」

男は投げやりに言う。 吹雪の中、通路が遮斷されて通せん坊とおせんぼう狀態。 彼に取ってみれば、どこにいるかわからない運営に対する不満だったのだろうが――――

「確かに、その通りだな。し待ってくれ、直接聞いてくる」

「はぁ? あんた、聞いてくるって、どこに運営がいるのか――――き、消えた!?」

常人にはベルトの移が消えて見えたのだろう。

彼は一瞬で窟の上までジャンプしていた。

「仕事中にすまないが……」

急に聲をかけられて驚いたのは、を隠して競技を撮影して運営側の魔法使いたちだった。

窟の上部から近づく參加者を撮影するために隠れていたようだ。

「な、なんでここがわかった! い、いや、今はそんな事よりも……」

彼等が言うには、主催者本部から連絡が途絶えた狀態になっているそうだ。

さらに、窟では出口側も通路が崩れているらしい。

つまり、中には取り殘された競技參加者が數名。 さらに――――

「なぁ、アンタならどうにかならないか? ここまで登ってきたのこなし……ただ者じゃなさそうだ」

「どう……と言われても……」とベルトは言い淀む。

部にれるなら、救助が必要な人間を助け出す事ならできるだろうが……

そもそも、口も出口も閉ざされているのだ。

「頼むよ。中には撮影のための俺たちの仲間も取り殘されている。何とか部がどうなっているのか分かれば救援の手口も検討できるのだが……」

「それなら可能だ」

「え? どういうことだい?」

部がどうなっているのか分かればいいだろ? それなら方法もないわけじゃない」

「本當に、それじゃ頼んでもいいのかい?」

「良いが、ここじゃ危ない。あんたたちも下に降りた方がいい。參加者たちに狀況説明する必要もあるだろう?」

「あぁ」と魔法使いたちの返事を聞くと、ベルトは「それじゃ下で待つよ」と飛び降りて、窟の下――――地面に著地した。

殘された魔法使いたちは顔を見合わせて、

「本當に人間か? あの人……」

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