《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》魔狼 ハティ

前方に見える魔。 それは巨大な犬によく似ていた。

「氷の魔犬? に氷塊を、まるで鎧のようにに付けています!」

「あれは、フェンリル……いや、ハティか?」

ハティは『憎しみ』や『敵』を意味する魔狼であり、その名の通り、人間に対して酷く攻撃的な魔狼だ。

一部ではフェンリルの子供と言われ、月さえ食らい盡くすと――――

「――――要するに災害を起こして、人間を敵視している魔だ」

「そんな魔が、こんな場所に、競技の通り道に出現するなんて……」

「おそらくは、人為的。何者かの仕業だが――――今は討伐を急ぐぞ」

「はい!」と2人は乗っていたワイバーンから飛び降りた。

≪暗殺遂行アサシネーション≫

著地と同時にベルトは移系スキルを発。 瞬時にハティの影に、足元まで移すると――――

≪二重斷首刀≫ギロチンエックス

真下から飛び上がったベルトが、魔狼ハティの首を狙う。

剣聖の斬撃と同質とすら言われるベルトの高速手刀。そのはずだが――――

「弾かれた? ただの氷ではないのか?」

ハティの全は氷の鎧。 言ってしまえば、ただの氷塊だと思われていた。

しかし、ベルトの斬撃をけて無傷。 加えて、技を放つために飛んだベルトは無増備。

「好機これを見逃すほど、魔狼おまえは甘くないか。それじゃ――――」

に向かってくる鋭利な牙と爪。 空中では逃げ場もなし。

「逃げ場がない? それじゃ、作ればいい――――≪魂喰いソウルイーター≫」

暗殺者が唯一持つと言われる魔法攻撃。

魔法の斬撃が魔狼に直撃。今度は、顔に切傷が生まれ、鮮が舞い散る。

しかし、それで怯む魔狼ではなかった。 攻撃をけても、ベルトを狙う事を止めない。

ベルトに向けて爪を振るう――――しかし、既にそこにベルトはいなかった。

「≪魂喰い≫を放った反で、回避させて貰った……と言いたい所だが、メイル。回復を頼む」

「すぐに、大丈夫ですか?」

ベルトの服には切り裂かれた跡が殘り、赤いシミが広がりかけていた。

初手の攻防。剎那と言える戦いで互いに同じダメージをけ合っていた。

後衛のメイルまで下がったベルトは、治癒魔法による回復をける。

しかし――――

「どうやら、この間合い。 魔狼ハティに取って得意な間合いらしい。外部から魔素を取り込み、部から膨大な魔力をに――――來るぞ!」

「はい!」とメイルは杖を構える。 ベルトを庇うように立つ。

魔狼が放つのは、息ブレス。

災害に例えられる魔狼の必殺技とも言える一撃だ。

もしも、目標が人間ではなく、國であっても滅ぼしかねない。

絶対零度の一撃を前にして、1つで曬されたメイルは――――

(あぁ、私はなんて罪深いのでしょうか? こんなにも殺伐とした戦場でありながら、命を落としかねない敵を前にして――――この時が好きです。

ベルト義お兄さんを守れる、この一瞬が――――)

≪不可侵なる壁ウォール・オブ・アンタッチャブル≫

世界はメイルの聖域によって斷絶させられる。

例え、太に生で著地したとしても、この≪不可侵なる壁≫が発している限り、熱は完全に遮斷され、有害な放能も遮斷され、あるはずもない空気も供給され、生存する事が可能だろう。

だから、當然――――魔狼の一撃は――――國を滅ぼしかねぬ一撃であろうとも――――

簡単に防ぎ切った。

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