《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》魔狼ハティの討伐 怪しげな2人組

魔狼ハティは怒っていた。

言ってしまえば、それだけだ。 國を滅ぼしかねない一撃を放ち、あっけなく防がれた。

その結果、湧き上がってきたはシンプルな怒りだけだった。

だから……だから、なのだろうか? その名に『憎しみ』と『敵』という意味を刻まれた魔狼よ?

だ。 今、『憎しみ』に囚われた結果――――

怒りに我を忘れ、高速で接近してくる『敵』を認識できないなんて……

≪瞬剎駆≫

ベルトが使った超高速移のスキル。

≪暗殺遂行アサシネーション≫のような瞬間移系のスキルと似て非なる部分は、高速で移しながら――――その速度を攻撃に転じれる所だ。

魔狼の爪。 いかなる戦士の鎧も貫いてきた。

――――いや、その攻撃は人間を相手にした枠に留まらない。

鉄壁の城壁ですら貫き切るだろう破壊の権化。それに対してベルトは――――

「悪いな。に付けたばかりの新技だ……加減はできない」

≪衝撃返しアブソーバーインパクト≫

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攻撃を攻撃のまま、衝撃を衝撃のまま、相手に打ち返す。

つい先日、キング・レオンを相手に初めて実戦投した新技を――――惜しむ事なく魔狼に叩き込んだ。

その技は、例えば切れ味を有した斬撃にすら有効であり、魔狼の爪を切斷して見せた。

高い知能を有してなく、人間相手の憤怒が最優先事項である魔狼であっても、武の紛失には揺するらしい。

「呆然ときを止めたか。なんて言うか……思ったよりも強くなかったな、お前?」

ベルトの言葉を理解したのだろうか? 驚きのまま、大きな顎を開く。

の牙を武に、ベルトを――――しかし、それはできない。

≪瞬剎駆≫を使用し続けているベルト。 野生の、魔の反神経を持ってすら捉えきれるものではない。

だから――――

「これで終わりだ――――≪致命的な一撃クリティカルストライク≫」

ベルトが放ったのは魔狼の額。 放たれた衝撃は、まずのように魔狼の脳で不規則にき回る。

強制的な脳震盪を起こし続け、満足したのか魔狼のから次の弱點を探して破壊に向かった。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

「やりましたね。これで、競技が続けれます」

しかし、ベルトは「……」と険しい表を見せている。

「あの……何か気になる所が?」

「いや、なんと言うか……弱すぎる」

「弱すぎる……ですか? 確か、この魔は、國が単獨で災害を起こせるって認定した魔狼ハティの……はずですが?」

そう言いながら、メイルは倒れている魔狼の様子を確認する。

何か、自分に見落としがないか? そう確認するための行。しかし――――

「いや、この程度の相手なら聖騎士団の連中だって倒せるよ。でも……」

「あっ!」とメイルも気づいた。

魔狼ハティとの戦い。 もしも、この災害級の魔室となったで競技參加者を襲ったとしたならば――――

「ほ、他に誰もいません」とメイル。

本當なら「誰のもありません」と言うべき所なのだろうが、それを言葉にするのは抵抗があるのだろう。

「コイツに襲われて、殺されたわけじゃない……それじゃ、みんなどこに消えたんだ?」

ベルトは、そう言いながら暫くは周囲を警戒するように視線をかす。

それから――――

「それで? お前たちはいつまで隠れているんだ?」

一ヶ所に視線を止めた。

メイルにも、そこに誰かいる。人の気配と言うものがわかる。

やがて、2人と1匹のワイバーンが巖から姿を現した。

「……待ってくれ。我々は魔狼に怯えて隠れてただけだ。その何かを疑うような視線は止めてくれ」

2人は無抵抗を示すため、両手を上げている。

「あぁ、わかった」とベルト。

「隨分と簡単に信用するんだな」

「噓は言っていない。そう言うのは覚でわかるんだ。何かを隠してるのも……な?」

「――――」と無言になる2人の選手。

「それで、お前たちの名前は? 他の競技者たちはどこに消えたんだ?」

「あぁ、ワシの――――いや、私の名前はゴッドフリードだ。こっちは、相棒のニーズヘッグ」

「ヨロシク」と片言で話すニーズヘッグ。

「あぁ、あなた達が2日目に2位通過した選手たちか」とベルト。

ベルトは知らない。 このゴッドフリードとニーズヘッグ……

ゴッドフリードは大魔王シナトラの変裝であり、ニーズヘッグは竜王の分であるという真実を――――

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