《7 Start》

三者面談

山崎將太やまざきしょうた…

…21時28分

俺は歓楽街に足を運んでいた

この場所は夜でも人通りが多い

飲食店や娯楽施設が所狹しと立ち並んでいて

ネオンの看板がうるさいぐらいにっている

本音を言うと、家に帰って勉強をしたかったのだが

俺はコンビニで買ったホットコーヒーを飲みながら、とある人を待っていた

待ち合わせ時間は21時半なので、そろそろ來る頃合いだろう

人が忙しなくせわしなく行きう場所で待ち合わせなんかしたくないが

相手が指定してきた場所がここなので仕方がない

しばらく無心で待っていると、待ち合わせの相手がこちらに歩いてきた

俺は手を上げて聲をかける

「ういっす」

相手は俺の返事に不機嫌そうに返してきた

「何がういっすよ、挨拶ぐらいまともにしなさい」

「さーせん」

「すみません!でしょ?」

「申し訳ございません」

「よろしい」

挨拶にうるさいこいつは神谷蘭子

大學1年生だ

長は高く、は細い

はデカいし、態度もデカい

髪のは金髪でツインテール

左右の髪はローリングがかかっていて

かなり目立つ見た目をしている

「急に呼び出しておいて、ずいぶん偉そうだよな」

「偉そうじゃなくて、私は偉いのよ?」

「何を拠にそんな事言ってるのか知らないが、妄想も大概にな」

「貴方あなたにもいつか私の凄さを理解できる日が來るわくるわ」

「はいはい」

「事実よ」

俺が適當にあしらうと蘭子は目を鋭くしながら睨みつけてきた

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喧嘩すらまともにした事もないだろうに

どうしてこうも謎の自信に溢れているのか

そのうちヤンキーにボコられそうだなと思いつつ

俺は話題を変えた

「今日は何処に行くんだ?」

「將太は何が食べたい?」

俺の質問に蘭子が質問で返してきたので適當に返事をする

「俺は夕飯食べたから、なんでも良いいい」

「なに?先に食べちゃったの?」

「まぁな、お前がってくるとは思わなかったしな」

「そう、じゃあラーメンにしましょうか」

「お前人ひとの話聞いてたか?俺は夕飯を食べたんだ」

「聞いてるわよ〜」

「聞いていてラーメンを選ぶ、その神経しんけいが分からないわからない、ラーメン屋なんてガッツリ食べるものしか置いてねーじゃねぇか」

「そんな事ないわよ〜、ドリンクだけとか、ミニ炒飯だけとか、そう言う選択肢もあるし」

「ドリンクだけって喫茶店覚かよ…それにミニ炒飯って俺は子か」

「喫茶店もラーメン屋も似たようなものでしょ、私はラーメンが食べたいの!」

「ラーメン屋と喫茶店は別だろうがよ…」

「四の五のしのごの言わない!それになんでも良いって言った人は文句も止!」

「はいはい」

蘭子は一度言いだすと絶対引かない格だ

俺は會話をするのが馬鹿らしくなったので攜帯でラーメン屋を検索した

この辺りだと三カ所ラーメン屋があるらしい

「何処のラーメン屋にする?」俺が攜帯を見せながら訪ねると、蘭子は畫面を見ずに答えた

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「こってり系が良いわね」

俺は蘭子の返事を聞いてすぐに攜帯で調べ始めた

21時42分

ラーメン屋に著いた俺達は暖簾を潛ってくぐって中に

を見回すと客はかなり多かった

俺達は店員に「何名様ですか?」と聲をかけられて、2名だと伝えた

すると店員が申し訳なさそうに喋る

「今カウンター以外は空いてあいてないんで、30分から50分程お時間頂きますが、いかがいたしますか?」

俺は蘭子を見た

すると蘭子は手を振りながら店から出て行く

俺は店員に斷りをれて店から出た

蘭子に追いつくとつまらなそうな顔をしながら攜帯をいじっていた

「おい、ラーメンは良いのかよ?」

俺が訪ねると蘭子は

「30分も待てないわ、他のラーメン屋にしましょう」と答えた

俺は攜帯を取り出して再びラーメン屋を調べた

殘りのラーメン屋はどちらもあっさり系だ

「あっさり系だけど良いいいか?」

俺が攜帯を見ながら質問すると

「良いいい訳ないでしょ!こってり以外認めないわ、探してちょうだい!」と

ワガママな事を口にする

この辺りあたりにラーメン屋はもうない

バイクで移したらあるにはあるが

蘭子は二人乗りがあまり好きではないので

提案した所で不機嫌になるオチだろう

俺はしだけ考えた

中華料理店ならどうだ?

攜帯でこの辺りの店を調べてみたら「うまいや超」と言う中華料理店を見つけた

「この、うまいや超ちょうって店はどうだ?」

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俺が訪ねると蘭子は嫌そうな顔をしながら

「ダサい名前ね」

と切り捨てた

「一応レビューでは、星4の人気店らしい」

「ふーん、ラーメンはコッテリなの?」

「それは行ってみないと分からない」

「まぁ仕方ないわね、とりあえず行っていってみましょうか」

蘭子の了承を得られたので俺達はうまいや超に向かった

21時49分

俺達はうまいや超に著いた

赤い看板に白い文字で「うまいや超」と書いてある

いかにも中華な雰囲気だ

蘭子は看板を見てから「だっさ…」

と毒づいていたが

俺が店にると大人しくついてきた

店の雰囲気は明るく、家族連れが多い印象だ

店員の男が「何名様ですか?」と聲をかけてきたので、2名だと伝えた

「2名様ですね!ご案します!」

男は俺達をテーブルに導しながら

「テーブル席!2名様です!」と大聲でんでいた

ロザリオのメンバーにも負けないぐらい、気合いのった挨拶だ

テーブルに案された俺達はすぐにメニューを確認した

店員さんが水を注いで去って行く

注文するメニューはすぐに決まった

「俺はこのゴールデン炒飯にする、お前は?」

「え?夕飯食べたんじゃないの?」

「歩いてる間に腹減ったへった」

「燃費悪わるすぎね…と言うか、こってりラーメンがないわね…」

「諦めろ」

蘭子はムカついた顔をメニューに向けながら、食べたいを口にする

「味噌ラーメンと炒飯と餃子にしようかしら」

「大食いだな」

「イラつくとお腹が空くのよ」

俺も燃費は悪い方だが

蘭子も大概だと思う

俺達は店員を呼び注文をする

「ゴールデン炒飯一つ」

「私は味噌ラーメン!チャーシュートッピングで!あとニンニクも多めでお願いするわ!あとは炒飯と餃子も!」

「かしこまりました〜」

店員は注文を取り終えてから廚房の方に向かって行った

21時57分

蘭子は攜帯をいじっている

俺も暇だったので攜帯を確認した

SNSのグループメッセージには45件の未読メッセージが溜まっていた

開いて確認する

どうやら奪われた金かねと杉山を取り戻す為に

45の居るビルに喧嘩を売りに行こうと言う、流れになっているようだ

考えなしにビルに行くのは正直アホだと思う

ビルに行ったからと言って何が出來る?

窓ガラスを割って回るか?

考えもなしに?

警察が飛んできて全員しょっぴかれるのがオチだろう

そうなった場合、組織は壊滅

俺の懐にってくる配當金がなくなる…

組織の爭い自は心底しんそこどうでもいいが

壊滅する程の爭いは正直困る

配當金の為にもここは止めないといけない

俺は金かねの為に

菅野すがのに個別のメッセージを飛ばした

「菅野すがのさんお疲れ様です!ビルに乗り込んで騒ぎを起こすと、最悪警察沙汰になります、自分に考えがあるので、ビルに喧嘩を売りに行こうとしてる連中を菅野すがのさんの力で止めて頂けませんか?」

なるべく丁寧に、相手のプライドを逆でさかなでしないようにメッセージを書いた

指図してるように取られたらおしまいだ

あくまでも、暴走しようとしてる部下を止めるように

お願いしていると言う立ち位置だ

數分待つと菅野すがのは全のグループメッセージの方に「ビルに行くのは一旦待て」とメッセージを殘してから、個別メッセージで俺に返事を返してきた

「考えを簡潔に教えろ」

俺はし考えてから席を立ち、蘭子に言った

「ちょっとトイレ行っていってくるわ」

「勝手にどうぞ」

どうでも良さげドウデモヨサゲに返事をする蘭子を置いて店から出た俺は、攜帯で菅野すがのに電話をした

トルルルルゥ

「菅野すがのさんお疲れ様です!」

「お疲れちゃん〜、それで?考えってなんだよ?」

「裏切り者の山本圭介を使って逆スパイをしかけましょう」

「逆スパイだ?的にはどうすんだ?」

「山本を脅してこっちが利用します!相手の報を摑んで警察に流せば、奴らを社會的に潰す事が出來ますよ」

「あーそりゃあ駄目だ」

「なんでですか?自分のツテを使えば報を警察に流すぐらいは簡単に出來ますよ」

「そうじゃねえ…45が警察にしょっぴかれたら、俺らだって芋蔓式に捕まっちまうぞ、奴らが俺らと取引してた証拠がビルに殘ってるかもしれない、山本に証拠を消させても完全に上手くいくとは限らない、それに奴らが嫌がらせで俺達の名前を警察にリークするかもしれねえ、警察が関與するのはリスクが高い」

「なるほど…」

言われてみれば確かにその通りだ

菅野すがのも危ない橋を渡ってる人間の端くれ

その辺りの意識は俺なんかよりよっぽど、しっかりしているようだ

「ただ逆スパイは悪くないかもな…とりあえず山本から報を引き出す、今すぐ集會所しゅうかいじょに來い」

菅野すがのは用件だけ伝えてすぐに電話を切った

こっちの都合なんてお構いなしだ

金かねの為には仕方ない事もあるかと割り切った俺は、中華料理屋の店に戻った

席に著くと料理は既にテーブルに置かれていて

蘭子は戻って來た俺を睨みつけながら文句を言ってきた

「ちょっと遅いじゃない!ラーメンがびちゃうわよ!」

「いや、俺は炒飯にしたはずだが?」

「違うわよ!私のラーメンに決まってるでしょ?アホなの?」

「いや、わざわざ待たないで勝手に食べときゃ良いいいだろ、お前は犬かなんかなのか?」

「貴方あなたは事の本質を理解してないようね?まぁ分からないなら良いわイイワ、早く食べましょう」

俺はスプーンを手に取り、炒飯を一口ひとくち食べた

すると蘭子はまた文句を言ってきた

「ちょっと貴方あなたね…「いただきます」ぐらい、ちゃんと言いなさい」

「お前は俺のカーチャンかよ…」

「現代では彼氏の呼び方も多様化しているし、彼氏や彼をカーチャンと呼んでも、なんら不思議はないわね?」

「不思議だらけだわ…彼の事をカーチャンって呼ぶのは々な意味でキツいだろ」

「そんな事ないわよ、カーチャン、カラスみたいで可いじゃない?」

「カラスは可くない、ゴミも漁るし」

「あら?人間だって一緒じゃない?それに必死にゴミを漁る姿も可いし」

蘭子はカラスへの想を述べてから

「いただきます」と口にして食事を始めた

俺も仕方なく「いただきます」と言って炒飯を食べる

この炒飯が異様に味しい

星4はこの炒飯が勝ち取ったものではないかと思ってしまう程だ

蘭子も味しそうに飯を食べている

俺は炒飯を一気に平らげると1萬円を蘭子に渡して一言伝える

「今日は用事が出來たから帰るわ」

「はあ?今日家うちに泊まりたいって言ったの貴方あなたじゃない?」

「泊まる予定ではあったんだけど、ちょっとな」

「なによ?ちょっとって」

「ニンニク増し増しの人の家に泊まるのはちょっとな」

「なによそれ!最悪!」

俺は真っ赤になって怒る蘭子を置いて店から出た

詳しい事を知られると面倒だ

蘭子にロザリオとの接點を持たせる訳にはいかない

俺は有料駐車場に停めているバルタンの元へと歩いた

23時47分

俺はロザリオの集會所しゅうかいじょに來ていた

目の前には紐で両手を縛られた山本圭介と

ソファーの上で偉そうにしている菅野すがのの姿がある

他のメンバーは誰もいない

最悪の三者面談だ

早く帰って寢たい

俺は早めに終わらせる為に口を開いた

「とりあえず経緯を教えてもらおうか?なんでロザリオを裏切るような真似をした?」

俺の質問に山本は怯えた表をしながら答える

「45の奴らに脅されて」

その言葉を聞いた菅野すがのは立ち上がり、罵聲を浴びせながら山本の腹に蹴りをれた

「被害者面ずらすんじゃねえ!おめーは俺達を売って利益を得ようとしてたんだろうが?」

山本は痛みに耐えている

菅野すがのは山本の髪を摑んで引っ張り上げてから、耳元まで近づいて問いかける

「おめーは敵か?味方か?」

「味方です…脅されていただけなんです…」

「じゃあ洗いざらい話せ」

菅野すがのは山本の髪を離し、山本は地面に転がった

菅野すがのがソファーに腰掛けてから

山本は仰向けになった狀態で話を始めた

「45に取引を打ち切ると伝えてから45のメンバーが怒り出したんです…それで」

「聲が小せえちいせえんだよ!もっとはっきり喋れ!」菅野すがのに怒鳴られた山本は涙聲になりながらも大聲で話を続ける

「そしたら、契約を破綻させろ!そうしないとお前の家族になにが起こるか分かってるんだろうな?と脅されて!僕は必死で考えたんです!ロザリオと葛島かっこんとうの契約を破談させる方法を!まずはロザリオと葛島かっこんとうの仲を引き裂く為に封筒ふうとうに2千円札をれました…この件で葛島かっこんとうが怒ってすぐに爭いが始まるかと踏んでいたんですが…葛島かっこんとうは意外と冷靜でこちら側に確認の連絡をしてきた、思ったより社會的な対応でびっくりしましたよ…」

「二千円札の話は納得だが、杉山を拉致ったり金庫の金かねを奪ったのはなんでだ?」

「ロザリオと葛島かっこんとうを混させて爭わせるつもりだったんです…葛島かっこんとうに杉山を拉致されたと勘違いしてくれたらロザリオも葛島かっこんとうに喧嘩を売るでしょ?二千円札でムカついてる葛島かっこんとうと、杉山を拉致されて頭に來ているロザリオ、両者は話し合いなんてろくにしないで爭いあうと思ったんですが…上手くいきませんでした、金庫の金かねを盜んだのは葛島かっこんとうがこちらに2千円しかってなかったと連絡して來た後です、ロザリオにタイムリミットのついた手紙を読ませて、金かねもない狀況にしたら葛島かっこんとう側に責任を取る為にもロザリオ部で責任の押し付け合いが始まるかと踏んでいたんですよ、まぁ責任を押し付け合う事もなく、葛島かっこんとうともコミュニケーションが取れていたので、僕の考えは完全に意味なかった訳ですが」

「なるほどな〜、でも俺らを部で爭わせても45との取引には繋がらないだろ?」

「ロザリオが潰れたら僕に利用価値はありません、利用価値のない人間を脅す意味はなくなるでしょ?」「そう言う考えね、でも責任の押し付け合いつったら、俺かてめーか、杉山の誰かが標的になるし、てめーが責任を負わされるリスクは考えなかったのか?」

「いえ、そもそも45が杉山さんを拉致した事は杉山さん本人にも分からないように拉致してるんで、45絡みだとはバレないと踏んでいたんですよ、なので責任問題になった場合菅野すがのさんか杉山さんのどちらかが責められていたと思います」

「いやバレバレだろ…手紙の事を葛島かっこんとうに相談したら、そんな手紙は作ってないってあっさり言ってたんだからな」

「あなた達はどうして社會に適合した行を取るんですか?もっと反社會的な組織だと思ってたのに…」

「てめーが俺らの在り方にケチつけてんじゃねーよ!」

菅野すがのは怒鳴りながら山本の脇腹を蹴りつけた

苦しそうにしている山本から視線を外した菅野すがのは、俺に丸投げしてくる

「それで?どうするよ?」

俺は考えていた事を口にした

「とりあえず道中で考えたプランがあります」

俺は山本のポケットから攜帯を取り出して尋ねた

「パスワードはなんだ?」

「0415です…」

パスワードを聞いた菅野すがのは頭の悪い事を口にする

「良い子ぶりやがって…」

俺はしょーもない事を言ってる菅野すがのを無視して、著信履歴、メッセージの履歴などを漁った

どうやら、山本確保の命令後に誰かと連絡を取ったりはしていないようだ

つまり、まだ45には山本がしくじった事は伝わっていない

俺は菅野すがのと山本に二重スパイの段取りを説明した

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