《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第95話 「戦時國際法 人道に対する罪 第45條第2項」①

「敵艦隊の観測終わったよ。後退してる。撃沈は無しだ」

さんのその言葉がすべてを表していた。僕は、正直ほっといていた。

艦艇ひとつでも撃沈したら、死者は必ず出る。みんなを護りたい。でも人殺しをする覚悟までは、正直ない。

僕らは南部更地の防設備「陣地」に移した。あらかじめ作っといたヤツだ。ミロースイ連邦の近衛騎士団がすでに降下してる。もうすぐこの更地に姿を現すはずだ。

炎(カタフニア)は上空に戻す事にした。フルスペックでの主砲と副砲の一斉砲撃。雲(ネペレー)の時もそうだったけど、砲の冷卻問題があるんだ。砲塔は攻撃に出力を割きたいから、電力で冷卻する手段はなるべく避けるようにする。

「戻れ」

僕が命令すると、一瞬でカタフニアは視界から消えた。時速900㎞。旅客機くらいのスピードを瞬時に出して、上空10,000mへと帰っていく。そこで電子探索から逃れながら、砲塔を冷卻。雲の中でふわふわ浮いて、かくれんぼだ。

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元々カタフニアは、10年前のグラビトン・ウォーズの大戦末期に紘國で生み出された、自立思考型AI兵、戦艦用の移砲臺だった。ただ、核となる発機、エンジンがまだ未発達で。

「自の持つ攻撃力を発揮するには現狀搭載の重力子エンジンでは瞬間トルクが足りない。そのまま戦えば敗北する」って考えたカタフニアは、ガンジス島のある場所に陣取った。――正確には、その場所の上空10,000mに、なんだけど。

それが、「ポイント・カタフニア」。その上空で、太でエネルギーを得ながら、高能、高出力のエンジンが現われるのを待った。ただ、全個電池(バタリエス)みたいのに電力を貯めてもダメだよ。総電力量じゃない、瞬間発電量なんだ。瞬発力。コイツは一瞬でありえない程のエネルギー発生をする、このUC-001みたいなエンジンと、それを引き出すマジカルカレント使いを待ってたんだ。

ちなみに、「ベース・カタフニア」っていうのは、実はこの「ポイント・カタフニア」を監視するための紘國の軍事基地なんだって。一般向けにはだたのベースキャンプだけど。

カタフニアがこの「ポイント・カタフニア」に居座ることになった時に、紘國軍の駐屯施設もここに決まったんだ。萬が一のカタフニア暴走を食い止めるため。監視下に置いて管理を試みるため。

そして、紘國軍では重力子エンジンの改良が進み高能化をしていくけれど、それを搭載した「カタフニア」みたいなAI自立思考型兵は開発されなかった。

何故か? 當たり前だったんだ。「自分で考えてく発機付きの移砲臺」が生み出されて、また制しきれなかったら――ヤバすぎる、から。

このカタフニアには、移するくらいのエネルギー発生をするエンジンは積んでるけど、攻撃力を発揮するには外部――僕の001とかから供給をけなきゃならない。このシステムが結局正解だったんだ。

あと、僕らは「ポイント・カタフニア」と「ベース・カタフニア」を混同して使ってたけど、子さん達附屬中3人娘は「あえて」それを放置してたみたいだ。――旅の目的のひとつが、「僕とカタフニアの裏のお見合い」だったから。‥‥そこまで考えてたのか。

地平線に軍隊の影が現われる。ミロースイだ。「タイマン上等」近衛騎士団が隊列を組んで押し出してきた。

ただ、向こうも慎重だった。さっきのカタフニアの砲撃を見てるはずだから。いざとなれば、それでDMTを吹き飛ばす事もできるし、後段の揚陸艦とミロースイ軍の陣地を狙う事もできる。――カタフニアの砲溫度がまだ高いから、切り札で殘しておきたいけど。

僕らは、練習通り、陣形を組んだ。‥‥といっても、陣地を出てVの字に並んだだけなんだけどね。

前衛の初島機と來宮機、ソーラ機とコーラ機、一段後ろに浜機と桃山機だ。

僕は陣地の中にを隠している。これが渚さんの考えた布陣だ。

そして、このタイミングで子さんがカードを切る。

「みんな、あの件。ここで使わせてもらうよ」

あの件、とは、みんなに承諾を得た、あの文書の事だろう。オリシャさんのお見舞いの帰り、彼が「あの話」と切り出した件だ。

確かにベストタイミングかも。今あれを言われたら、敵はミサイル攻撃とかそういうヤツはしにくくなるんじゃないかな。――僕は単に、あの文章の文言が好きだけどね。

「いくよ。紅葉ヶ丘學生」

「はいよ」

「やった♬ 莉、全世界デビューだ♪」

ラポルトは通信を全チャンネル解放にした。――當然まほろ市に殘ってっる人やマスコミ、そして今攻め込んで來ている全ての國々に聞こえるモード。

そして、この話題はこの星すべての人々に。全世界V配信。畫面には16人のアバターが。その先頭に立つのは、當然子さんだ。

「‥‥‥‥コ、コホン‥‥‥‥」

ちょっとこわばった子さんの聲だ。彼でもさすがに張してる。

「ガンジス島からこんにちは。‥‥世界のみなさん。‥‥こんにちは」

がさごそ‥‥‥‥子さんのメガネアバターが、カンペの紙を仰々しく取り出した。

※「『カタフニアに向かえ!』ってそういう意味だったのか。確か最初の最初に言ってたな」

「そして突然のV配信。何が始まるんだ?」とご心配のそこのアナタ!!

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