《Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~》第487話 頼まれ事

まだ時間はあったし、授業がなければ人気のない家庭科室のある辺りに結月ちゃんと移! この辺なら変に話を聞かれるような事はないはず! でも、時間があるとは言っても、そこまで余裕がある訳ではないから手早く聞いちゃわないと!

「えっと……そんなに時間もないから、細かい経緯は後で話すとして……咲ちゃんへの頼み事の部分を言っちゃうね? ちょっと私がやらかしちゃった部分でもあるから、嫌なら斷ってくれても大丈夫だから!」

「……それは容を聞いてからかな?」

んー、私が絵を描けるって事をつい言っちゃったじなのかも? それで、結月ちゃん的には不本意だけど何かを私に頼む事になっちゃった?

「あはは、まぁそれはそうだよねー。それじゃ単刀直に言います! 昨日話してた文化祭の件、コンピュータ部の方にデザイン関係に強い人がいなくてさ? 正直、今のままだと見た目がショボくなりそうで……」

「そうなんだ!? え、それを私に作ってほしいって話なの!?」

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「うん、簡単に言えばそうなるよ。ごめん、作ってる最中のを見せてもらった時に、『咲ちゃんの方が遙かに上手い』みたいな事を思わず呟いちゃって……そこから、もう勢いでダメ元でいいから頼んでみるって話になっちゃって……」

「……そっか」

し前の私なら、そういう風に言われたとしても『全然そんな事はない』って否定してそうだけど……聡さんから見ても、プロの領域に足を突っ込みかけてるとまで言われてるんだもんね。

結月ちゃんには姉さんと一緒に描いたサクラのイラストも渡してるんだし、つい言っちゃうのはなんとなく分かる気がする! うーん、でも文化祭での出しの手伝いかー。

「嫌なら斷ってくれて問題ないからね! そこは私が責任を持って斷っておくから! 100%、私達の都合の話だから!」

「……あはは。でも、なんでデザインが微妙なのに、共同でやるなんて事になったの?」

「えっと、デザインはオリジナルじゃなくて、既存のものの組み合わせでやるつもりだったみたい? まぁそれでも十分なんだけど……この件は、変に口走っちゃった私が原因だね……」

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「あ、そういう流れなんだ?」

そっか、だから副部長の立花さんが『下心』って言ってたんだね。私の協力は必須ではないけど、出來ればオリジナルで見栄えの良いものにしたいって事なんだ。

去年の文化祭はクラスの方でも殆ど何も手伝わずに、當日もろくに何もせずにボーッとしてただけだもんね。でも、今は々と心境は変わってきてるし、これはいい機會なのかも? うーん、それでも即斷はしかねるかも……。

「結月ちゃん、ちょっと考えさせてもらってもいい?」

「……え? あ、しでもやってくれる気はあるの!? てっきり、嫌がられるものかと思ってたんだけど!?」

「あはは、問答無用で斷ろうとは思わなくなるくらいには、々と心境は変わってきてるよ?」

「そっか! えーと、それじゃ……まだ打ち合わせとかって段階ではないよね?」

「それは……そうなるかな? やるとしても、々と確認してからかも?」

咲ちゃん、思った以上にやる気だね!? あ、でも流石に今は時間切れみたい?」

「そうみたいだね!? 続きは、お晝の時でいい?」

「うん、それで大丈夫!」

「それじゃ、またお晝にね!」

「うん!」

もう始業時間だし、大慌てで教室に行かないと! 學校には來てるのに、遅刻になるのは流石に嫌だもん! 続きの話は、お晝にする事で決定!

◇ ◇ ◇

退屈な授業と、いきなりの抜き打ちテストでウンザリしながら……なんとかお晝休み。時々あるけど、テスト明けの復習の授業の中で小テストって何!?

問題は定期テストと全く一緒だし、誤解答が多くて復習の授業でやった容の問題ばっかだったけど! むぅ、それでも間違いが多いのは……難しい問題だからだね! 績には響かないけど、嫌なものは嫌ー!

そんな忌まわしい授業やテストは、とりあえず今は考えない! 赤點は取っていないんだから、夏休み中に追加で補講をける必要はないし、問題なし!

結月ちゃんと一緒に家庭科室の前まで來てるんだから、今からお晝だー! それはいいんだけど……。

「えーと、なんで立花さんまで?」

「ん? いたら何か問題? どっちかというと、部外者は私じゃなくて櫻井さんだよね?」

「そう言われると、そうだけど……」

授業でもなく、料理部の部員でもない私が、部活として家庭科室を使っている人よりも部外者なのは間違いないけど……その辺は許可を得てるって話だよね!?

「……楓、からかいに來たなら戻ってもらっていい?」

「怖い、怖い! 結月、冗談だってば。どうも人目がある場所じゃ櫻井さんとは話しにくそうだから、ちょっとくらい話せる機會くれてもよくない?」

「……そういう事みたいだけど、咲ちゃんはいい?」

「まぁ話をするくらいなら?」

「よし、それじゃ話は決まりだね! さてと、何か飲みでもれますか!」

「私は緑茶で! 咲ちゃんは?」

「あ、私も同じくで」

「はいはい、緑茶3人分ね」

手際よく冷房をれてお湯を沸かし始めたねー。うん、思いっきり手慣れてるし、流石は料理部の副部長! まぁ今朝聞いた話をけるなら、流しておくのは大事な気もするけど、やっぱりちょっと苦手な雰囲気な人だなー。

「それで……単刀直に聞くけど、櫻井さんは何か學校とは関係なくやってる事でもあるのかい? クラスの連中に知られたくないような、絵に関わる何か?」

「ちょっと、楓!?」

「いやいや、今朝の反応を見たら大の察しはつくでしょ。無理に聞かせろとは言わないけど、文化祭の件に乗り気なら……他の連中は絶対に聞いてくると思うけど?」

「……それは、そうかもだけど」

「ここで拒否するくらいなら、無理に引きける必要はないよ? 嫌な思いをさせるだけだろうからね。結月、あんたもそもそもこの話は反対してたよね?」

「……そうだけど」

「だったら、それだけの理由があるって事。そこに不用意に踏みれられたくないなら……ここでキッパリと斷ってくれた方がいいよ」

あ、立花さん、自分が変に突っ込んで聞いてくるのって……他の人が無遠慮に聞いてくるのを抑えてくれているんだ。そっか、距離の詰め方が苦手とか思ったけど……これ、わざとなんだね。

全然これまで流がなかったのに、昨日も今日も気遣ってくれてたんだね、立花さん。そこまでしてくれているのに、私の方もだんまりじゃ……流石に失禮かも。何よりも、これからは々変えていかなきゃ! だったら、ネット上ではサクラでだけど、リアルでの櫻井咲として変化の一歩はここから!

「私のね、姉さんがプロのデザイナーなんだ。それを中學生の時に、々言われちゃってさ? 夏休みの課題を代わりに作ってもらったとかって……自分で作ったものだったのにさ」

「……へぇ? 姉がプロのデザイナーね……」

咲ちゃん、その話はいいの!?」

「うん、いいの。その時の事がきっかけで中學の間、ずっと偽桜なんて呼ばれちゃってて……」

「……なるほどね。好きでやってる事を、そういう風に言われたらたまったもんじゃないか……。そういう事なら、今回のは頼む事自が失禮――」

「ううん、それは最近、心境の変化があったからもう大丈夫! ……まぁまだ整理し切れてない部分もあるんだけどさ」

「……なるほどね。それが最近の急な態度の変化と、結月と仲良くなってる理由ってとこだね」

「あはは、そうなるね。結月ちゃん、私と姉さんの両方のファンなんだ」

咲ちゃん!? そこまで言っちゃうの!?」

「へぇ? 結月がねぇ?」

「楓、もうこれくらいでいいでしょ!? 咲ちゃん、お姉さんと比べられるのを避けてるんだから!」

「はいはい、分かった、分かった。結月がこれ以上言われたくない訳ね」

「そういう事じゃないから!?」

あはは、この話をこうやって他の人にも話せるようにはなってきたんだね。……前は本當に全力で避けてたもんね、この話。それだけ、私の中でも々と変わってきてるんだ。

「さて、事は分かったし、その辺は他の連中に伏せておくとして……その上で話を進めていこうか。とりあえず、緑茶ね」

「あ、ありがと」

「……ありがと」

ふぅ、冷房が効いた中で溫かい緑茶を飲むのはいいねー。さーて、とりあえず私の事は話せたし、その上でどうするかを決めていこー。

でも、流石に『サクラ』での配信の事や、『立花サナ』が姉さんであるという事までは話す気にはなれないもんだねー。まぁここに関しては単に言う必要がないって気もするけど!

「……なんか々と落ち著かないので、本編への言及は無しでもいいですかねー?」

「まぁそれはいいけど……何か別の話題とかある?」

「んー、そうですね? 作者さんの近況とかどうです?」

「……何がどうしてそうなった?」

「私の近況が駄々洩れだからです!」

「まぁそこは主人公だし?」

「それはそうなんですけど……なんか不公平じゃないです?」

「いや、全然?」

「思いっきり言い切りましたね!?」

「まぁあえて近況というのであれば……電子書籍で、今まで書いた短編をテーマごとにまとめた短編集として出そうと計畫はしてるよ?」

「ちょっと待ってください!? 私の電子書籍以外に他の電子書籍の計畫が進んでるのは何でですかね!?」

「え、シンプルに量がそっちの方がなくて、労力が段違いだからだけど?」

「うがー! 余力が出來たなら、私の方をかしてくださいよ!?」

「……そこまでの余力ではないんだよなー。いや、以前よりも確実にんなペースが上がって、安定もしてきてはいるけどさ」

「それなら、私の電子書籍化もしずつで良いから進めてくださいよ!」

「とりあえず今はあっちの第11巻の作中だから、そっちが終わってからねー」

「え、短編集を作ってるんじゃないんです?」

「ん? 第1弾の原稿は完済みだよ」

「そうなんです!?」

「まぁその辺は改めて告知するとして……次回は『第488話 弁當を食べながら』です。お楽しみに!」

「また私を差し置いて、宣伝されるんですか!?」

「こっちの電子書籍化もしたいんだけどね。一番最初って、き出しが大変なんだよ」

「……そういうものですかねー?」

「そうそう、そういうもの。個人でやってて締め切りとか存在しないから、尚更にね」

「むぅ……それなら私が締め切りを決め――」

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