《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》276.アリアケの弟子
276.アリアケの弟子
「ラッカライ」
俺は囁くように一人のの名を呼ぶ。
「はい! 先生!」
「え?」
エリスが収束したマナをまさに発したのとほぼ同時に、別の聲が耳朶を打った。
「そんな騒なものを街で発されたら困りますよ?」
その聲は靜かながらも、凜として、なぜかよく周囲に響く。
そして、
「先生から教わった技の一部を解放します。次元飽和(ディメンション)斷裂斬(・エラー)」
キン‼
鋭い音が轟く。
「なんですか、今のは。それに、ここはどこですか? 解析……が出來ない?」
エリスの聲が聞こえた。
無理もない。普通は聞いたことのない音だろう。
だが、俺にとってはなじみのある音だ。例えば神代回帰した際に、俺が聖剣を振るった時、同様の音がした。
そして、ここは……。紫や赤、黃といった奇妙なが周囲で蠢く空間。幾らかの家屋も見える。
これは……。
「エリス、さっきのは次元を斬る音だ」
そう教えてやる。
「次元……。次元を、斬る? なる……ほど? 全く新しいデータですね。個名アリアケ、……この1000年の間に人間種は次元を野菜を切るようにザクザクすることが出來る様になったのですか?」
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エリスが珍しく戸った聲音で言う。
「次元を斬れるのはボクと先生だけです! それに、ボクは先生に教えてもらったことを実踐しているだけですから。凄いのは先生ですよ‼」
「そんなことはないさ」
俺は苦笑する。
はにかみながら現れたのは、目鼻立ちのはっきりした、中的なであった。絹のような黒髪をショートにして、しい黒い瞳と整った顔立ちをしている。槍の名門の一族の出で、聖槍ブリューナクの使い手であり、今や俺の最も自慢の弟子である。
「ラッカライ、いいタイミングだった。助かったぞ」
「本當ですか! 先生だったらどうとでもしそうですが。ともかく、褒めてもらえてとっても嬉しいです!」
そんな彼は俺のことをとても慕ってくれている。
「狀況はよく分かりませんでしたが、放出されたマナは別次元へ。この次元には、とりあえず周囲一帯の次元をボクたちのいる第1階層から丸ごと切除して取り込みました。関係者と……人のいない建がしっちゃいましたね。あの銀のをされたも一緒にしましけど良かったですか?」
「現実空間に放置しておくわけにはいかんだろうし、咄嗟の判斷として上出來だ。ラッカライ」
俺は彼の頭をでる。
「は、はい! 先生でしたらもっとうまくやれたんでしょうけど……。建がちゃいましたし」
「まぁ、建くらいは後で直すとしよう。何せ、ラッカライの判斷がなければ、周囲一帯が壊滅狀態だったろうしな。ふむ、まあ後で俺が『バンリエ』の領主に話をつけておくさ」
「ありがとうございます。さすが先生! ボクも先生みたいになれるように進します」
俺が微笑む。
彼も嬉しそうにした。
「個名ラッカライ。そのもあなたの弟子だというのですか?」
「自慢のな」
「ボクなんてまだまだです! 先生はボクの100萬倍以上凄いですから、えへへ」
「なるほど。脅威レベルが100萬倍上がりましたね」
エリスが素直に信じた。いやいや。
「個名ラッカライもさることながら。その100萬倍の力を持つアリアケ・ミハマ。まさかこれほどの力持つ者がいるとは想定外でした」
「あ、実は1億倍凄いんです。さっきのは先生が謙遜しがちなので、ボクもそれに倣っただけです」
「なるほど。それは脅威レベルを1億倍に……。形容すべき語彙が存在しません。どう修正するべきか再検討が必要なレベルですね」
「いや、ラッカライが言い過ぎなだけだから」
俺は苦笑するが。
「そんなことないですよ、先生!」
「そうよ~、アリアケ君。それに、ちゃんと自己評価するように奧さんからも言われてるでしょ~?」
ラッカライだけでなく、ブリギッテにまで否定されてしまった。
なんでだ……。
さて、そんな會話の一方で、
「あうあうあう! なんだかすごいことに巻き込まれてしまいました! さっきの攻撃で完全に死んだはずなのに、死後の世界かと思ったらそうじゃなくて別次元とかいうものらしいです。怖い! まだ死んでた方が分かりやすくて怖いです! 一般人の私が関わってはいけない語に巻き込まれたそんな験、別にしたくなかった!」
一人、パウリナは一般人らしく、てんぱりつつ、泡を吹きながら混するという用なことをしていた。
「個名パウリナの阿鼻喚を見ていたら落ち著いて來ました。オートマタといえども機能は実裝しているので。とはいえ、いずれにしてもやることに変わりはありません。そこのパウリナを連れて帰ります。それが私の目的ですので」
そう言って、エリスは両手の肘から先を、瞬時にブレードへと換裝した。
「行きますよ、アリアケ神にブリギッテ神。そしてその弟子ラッカライ」
「やれやれ、俺の自慢の弟子の、あれだけの力を見ても諦めてはくれないか」
面倒なことだと俺は肩をすくめつつ、即応態勢に移ったのである。
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【コミカライズ&書籍化(2巻7月発売)】【WEB版】婚約破棄され家を追われた少女の手を取り、天才魔術師は優雅に跪く(コミカライズ版:義妹に婚約者を奪われた落ちこぼれ令嬢は、天才魔術師に溺愛される)
***マンガがうがうコミカライズ原作大賞で銀賞&特別賞を受賞し、コミカライズと書籍化が決定しました! オザイ先生によるコミカライズが、マンガがうがうアプリにて2022年1月20日より配信中、2022年5月10日よりコミック第1巻発売中です。また、雙葉社Mノベルスf様から、1巻目書籍が2022年1月14日より、2巻目書籍が2022年7月8日より発売中です。いずれもイラストはみつなり都先生です!詳細は活動報告にて*** イリスは、生まれた時から落ちこぼれだった。魔術士の家系に生まれれば通常備わるはずの魔法の屬性が、生まれ落ちた時に認められなかったのだ。 王國の5魔術師団のうち1つを束ねていた魔術師団長の長女にもかかわらず、魔法の使えないイリスは、後妻に入った義母から冷たい仕打ちを受けており、その仕打ちは次第にエスカレートして、まるで侍女同然に扱われていた。 そんなイリスに、騎士のケンドールとの婚約話が持ち上がる。騎士団でもぱっとしない一兵に過ぎなかったケンドールからの婚約の申し出に、これ幸いと押し付けるようにイリスを婚約させた義母だったけれど、ケンドールはその後目覚ましい活躍を見せ、異例の速さで副騎士団長まで昇進した。義母の溺愛する、美しい妹のヘレナは、そんなケンドールをイリスから奪おうと彼に近付く。ケンドールは、イリスに向かって冷たく婚約破棄を言い放ち、ヘレナとの婚約を告げるのだった。 家を追われたイリスは、家で身に付けた侍女としてのスキルを活かして、侍女として、とある高名な魔術士の家で働き始める。「魔術士の落ちこぼれの娘として生きるより、普通の侍女として穏やかに生きる方が幸せだわ」そう思って侍女としての生活を満喫し出したイリスだったけれど、その家の主人である超絶美形の天才魔術士に、どうやら気に入られてしまったようで……。 王道のハッピーエンドのラブストーリーです。本編完結済です。後日談を追加しております。 また、恐縮ですが、感想受付を一旦停止させていただいています。 ***2021年6月30日と7月1日の日間総合ランキング/日間異世界戀愛ジャンルランキングで1位に、7月6日の週間総合ランキングで1位に、7月22日–28日の月間異世界戀愛ランキングで3位、7月29日に2位になりました。読んでくださっている皆様、本當にありがとうございます!***
8 78異世界で、英雄譚をはじめましょう。
――これは、異世界で語られることとなるもっとも新しい英雄譚だ。 ひょんなことから異世界にトリップした主人公は、ラドーム學院でメアリーとルーシー、二人の少年少女に出會う。メタモルフォーズとの戦闘を契機に、自らに課せられた「勇者」たる使命を知ることとなる。 そして彼らは世界を救うために、旅に出る。 それは、この世界で語られることとなるもっとも新しい英雄譚の始まりになるとは、まだ誰も知らないのだった。 ■エブリスタ・作者サイト(http://site.knkawaraya.net/異世界英雄譚/)でも連載しています。 本作はサイエンス・ファンタジー(SF)です。
8 109「最強」に育てられたせいで、勇者より強くなってしまいました。
ある日大學中退ニートが異世界に転生! 「最強」に育てられたせいで破格の強さを手に入れた主人公――スマルが、強者たちの思惑に振り回されながら世界の問題に首を突っ込んでいく話。
8 183加速スキルの使い方!〜少年は最速で最強を目指す〜
スキルーーそれは生まれながらにして持つ才能。 スキルはその人の人生を左右し、スキルのランクで未來が決まる世界で主人公の少年イクスが手にしたスキルは、【加速】 【剣術】スキルは剣の扱いが上手くなる。 【農耕】スキルは作物が育ちやすくなる。 だが、【加速】スキルは速くなるだけ。 スキルがすべての世界ではこんなスキルはクズ呼ばわり。それもそうだ。速く走るなら馬にでも乗ればいいのだから。 「こんなスキルで何ができる。こんな役立たず。」 そう、思っていた。 あの日【加速】スキルの本當の能力に気付くまではーー 『さぁ、全てを加速させろ!』 これはクズと呼ばれたスキルを持つ少年が、最速で世界最強を目指す物語。 前作『魔術がない世界で魔術を使って世界最強』もよろしくお願いします!
8 109ヤンデレ彼女日記
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8 175友だちといじめられっ子
ある日から突然、少女はクラスメイトから無視をされるようになった。やがて教室に行かなくなって、學校に行かなくなって⋯⋯。 またある日、先生に言われて保健室に通うようになり、教室に行くのだが、影で言われていたのは「なんであいつまた學校に來てんの」。少女は偶然それを聞いてしまい、また保健室登校に逆戻り⋯⋯。 またまたある日、保健室に登校していた少女の元に、友人が謝りに。また教室に行くようになるも、クラスメイトに反省の意図は無かった⋯⋯。 遂には少女は自殺してしまい⋯⋯⋯⋯。 (言葉なんかじゃ、簡単にいじめは無くならない。特に先生が無理に言い聞かせるのは逆効果だとおもいます。正解なんて自分にも良く分かりませんが。) ※バトルや戀愛も無いので退屈かもしれませんが、異世界物の合間にでも読んで見て下さい。 (完結済~全7話)
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