《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》スライムとゴーレムの両方の

「これは……なんと醜悪な」

スライムゴーレムを見たゴッドフリート――――大魔王シナトラの一聲である。

「へぇ、魔力で認識する君には、そう見えるんだ」と竜王は意外そうに言う。

「あぁ、2種類の魔族を配するなぞ、邪悪な発想に吐き気が止まらぬ」

「そう……それじゃ頑張って、僕はワイバーンの姿じゃ助太刀するわけにはいかないからね」

「ぬかせ……サボりたいだけじゃろ? 手助けする方法はたくさんあるわ」

「そこは分に任せるよ」と竜王はワイバーンの姿で下がって行った。

「……俺も、役に立たない……下がる……」

「お前に期待してないわ。竜王と一緒にいろ」

「わかった……シ、ゴッドフリード……優しい」

「さて……」とシナトラは1人と1匹と下がらせて、杖を取り出した。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「さて、ベルト殿はあの怪をどう見る?」とゴッドフリートの問いに、

「――――」とベルトは長考した。それから、

「前衛は機能しない」

「ほう……」とゴッドフリートは唸った。

「どういう方法か不明だが、接近すればゴーレムの氷が溶解……スライムの獲を取り込む本能で閉じ込められてしまう」

「なるほど。ならば……」

「えぇ、ゴーレムの弱點とスライムの弱點……その2つを同時に克服している」

強すぎる魔は、弱點も広く伝わる。

ゴーレムの弱點――――のどこかにある魔力文字の刻印を一部消して、『死』の意味に書き換える。

スライムの弱點――――のどこかにある核と言われる箇所を破壊する。

どちらも似た弱點ではあるが……

「ゴーレムの刻印を消したとして、巨大なスライムとして活。おそらく再びゴーレムに変化する仕掛けも施されている。だからと言って……」

ゴッドフリートの言葉にベルトが続ける。

「接近して、溶解したり込み、スライムの核を潰そうとしても氷漬けされる」

「うむ……ならば、魔法――――文字通りの火力で吹き飛ばすが最善策ではあるが……」とゴッドフリートは周辺を見渡す。

場所は、閉ざされた氷の窟。 強烈な魔法を放つには不向き。

強すぎる魔法は、窟そのものを破壊する可能もある。

「まぁ、そこら辺の匙加減はワシに任せろ。 絶妙な加減でスライムゴーレムを滅ぼしきってみせよう」

「それじゃ、俺は前衛に徹しさせてもらう」

「――――なに?」と聞き返す前にベルトは駆け出していた。

理攻撃が無効化されるはずの怪に向かって――――

スライムゴーレムはベルトを認識する。

『閉じ込めるか?』 『それとも叩き潰すか?』

シンプルな攻撃選択肢。 シンプルなアルゴリズム。

スライムゴーレムは叩き潰すを選択した。

巨大なに似つかわしくない速度で、巨大な拳をベルトに振るう。

普通の人間なら、當たれば即死。 死ななくとも、瞬時に凍てつかされる。

スライムのへ溶解しなくとも、れる者を行不能にする絶対零度の

だが、當然ながらベルトには當たらない。

≪瞬剎駆≫

先の魔狼戦でも見せた超高速移のスキル。

だが、このスライムゴーレムを作った者には、その戦も織り込み済みなのだろう。

不能と察した前衛が、囮として回避に徹する。そんな戦を実行してきた場合――――スライムゴーレムは地面を拳で叩いた。

天然の地震と間違うほどに激しく地面が揺れる。 それだけでは済まない。

ゴーレムの拳を伝わって、地面に魔力が流れて來る。

「――――これで高範囲攻撃が可能か。コイツを作った奴は、かなり格が悪いと見える」

地面から打ち上げられるように氷柱がスライムゴーレムを囲むように出現した。

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