《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》278.非認識対象概念≪バグ≫
278.非認識対象概念≪バグ≫
「あれ? でも夜這いにしては人數が多いですね」
「だから夢じゃないというのに。あと俺は妻帯者だ」
神イシスに俺は呆れた聲で返す。
「夢じゃない? はわわわ!」
シュバババババ!
という音を立てて、イシスは居住まいを直す。
もう手遅れが半端ないが。
「ふふふ、よくぞ參りましたね、アリアケ・ミハマ、ブリギッテ・ラタテクト、そしてラッカライ・ケルブルグ。今日はどのような用件でこの星の神の元に來たのですか?」
ん?
俺は微かに違和を覚える。
だが、言葉を続けた。
「今更かっこつけられてもなぁ。それに來たくて來たわけじゃないんだ」
「あら、そうなんですか?」
彼は意外そうな表をしてから、
「せっかく3人(・・)で來たのにですか??」
3人?
俺の違和は確信へと変わる。
「ふ、ふふふ。私のような人間は無視されて當然ですからね。ふへへ。神様にすら無視される私の存在なんて海の藻屑にも等しき存在、ふへへへ」
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パウリナは膝をついて闇落ちしかかっていた。
「星の神? 本なのですか? その割には一般的に神と言われる存在にしては、威厳がかなり不足しているように私の常識センサーは訴え続けていますが」
一方のエリスはオートマタらしい、ストレートな想をぶつけていた。
しかし。
「? どうしたんですか。アリアケ君? まるで」
神は淡々とした調子で言った。
「まるで他にも(・・・・・・)人がいるような(・・・・・・・)態度をして(・・・・・)」
「……え? 先生、神様は一何をおっしゃって……」
ラッカライも異常に気づいたようだ。
これはどうやら。
「ブリギッテ、何が起こっているか分かるか?」
「はい、にわかには信じられませんが、これは……」
ああ、と俺は頷きながら言った。
「神《システム》の【バグ】だ」
俺がそう結論付けた瞬間、
「一、本當にどうしたんですか? さっきから何を言って……うっ!」
突然、神が苦しみ出す。
それはちょうど、パウリナが膝をついた時、元の紋様がチラリと見えた瞬間だった。
紋様はなぜか金に輝いていて、今にもがあふれ出しそうになっているように見える。
しかし。
『非認識対象概念との過度な接は推奨されない。これよりエラーへの急処置を施します』
神の口から今まで聞いたことのないような淡々とした口調で、意味不明の言葉が述べられる。
目の彩は青から金へと変化し、まるで何も見えていないかのように虛空へ視線を向けていた。
『急避難処置。同一時空転移発』
カッ‼
瞬間、この次元全がひしゃげるようにうねるとともに、目を開いてられないほどの量が満ちる。
「ちっ」
俺は咄嗟の判斷で、ラッカライたちを守るためのスキルを行使した。
そして、次の瞬間には。
「あらあら?」
ブリギッテの間の抜けた聲が響くとともに、
「た、たかああああああああああああああああい‼」
上空1000メートル付近から自由落下する思わず大聲を出すラッカライ聲が耳朶を打つのであった。
やれやれ。
俺は隨分見晴らしのよい狀況なので、地表を見下ろしつつ嘆息する。
そこは見たことのない褐の大地。
荒涼とした風景や、人の手のっていない森林。そして、上空を飛び回るドラゴンの姿なども散見された。遠くからでも見える巨人たち。恐らくキング・オーガの群れだろう。
「だとすればここは」
俺は落下の衝撃をやわらげるべくスキルを使用しつつ呟いた。
「魔大陸上空1000メートルと言ったところか」
數秒後に死が迫りつつも、俺は冷靜に狀況を分析していたのである。
そして、何よりも、
「クラゲがいない、か」
パウリナの姿が消失していることに俺だけが気づいていたのであった。
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