《【二章開始】騎士好き聖は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】》74.お好きなだけ、どうぞ!!

「騎士好き聖」4/7(金)発売予定!

予約開始&カバーイラスト公開しました。詳しくは活報告へ!

「今日もお疲れ様、シベルちゃん」

「ありがとうございます、レオさん」

今日も魔石への魔力付與を頑張った。

し大きめの魔石に三つ付與しただけで、あっという間に一日は終わってしまった。

それから夕食を食べ終わった私はレオさんに聲をかけられ、レオさんのお部屋でしお話しすることになった。

王宮のお部屋のものよりも小さなソファに二人で並んで座る。

今日一日頑張った、ご褒タイムである。

「疲れてはいないかい?」

「はい! 無理のない範囲でやらせていただいているので、大丈夫です!」

「そう。それならいいが、連日頑張りすぎているからそろそろ疲労が溜まっていないか?」

「大丈夫です! こうしてレオさんとお話しできたら、疲れなんて全部飛んでいきます!」

「そうか」

「それから、リックさんも魔力を分けてくれるので!」

「……へぇ、そう」

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にこやかだったレオさんの顔が、一瞬ぴくりと引きつった。

「そういえばリックの友人に、なにか酷いことを言われたんだろう?」

「酷いことは言われてません」

「……それにしてはリックは隨分熱くなっていたな」

「そうですか?」

「シベルちゃんの手を摑んで、君になにか言っていただろう?」

「……確かに、私よりリックさんのほうが怒っていましたね」

でもリックさんは私の護衛だから、それも當然かもしれない。ちょっと裏口から顔を出しただけだけど、私も怒られたんだったわ。

「シベルちゃんとリックは仲がいいよな……」

「……? そうですか?」

「リックは魔力が強いし、君の役に立ってくれているのは知っているが……し妬けるな」

「……!」

やっぱりレオさんは、リックさんに焼きもちを焼いているの!?

「私は、リックさんよりレオさんのほうがもっと仲良しだと思っています!!」

「……うん、それはそうだけど。というかそうじゃなかったら、さすがに嫌だな」

レオさんにを向けて力強くそう言ったら、レオさんもこっちを向いてくれた。

と思ったら、レオさんの長い腕がびてきて、私のはレオさんのの中にぎゅっと収められる。

「レ、レオさん……!!」

「俺もシベルちゃんに魔力を分けてあげられるようになりたい」

「えっ」

「リックから魔力をもらうとき、手と手を合わせるだろう?」

「は、はい……」

「誰にもシベルちゃんにれてほしくないな……」

「……!!」

な、なんて可いのでしょう! レオさん……!!

そんなにはっきり焼きもちを焼いてくれるなんて……! がきゅぅぅぅんと締めつけられる。

ああ、なんて贅沢なことでしょう……!!

「シベルはもう、この先一生レオさん以外の方にはりません!!」

「……冗談だよ。これからも遠慮なくリックから魔力を分けてもらって」

レオさんの板から顔を上げて目を見てそう誓った私に、レオさんは嬉しそうに笑いながらもはにかんだ。

「私は、レオさんとこうしてくっつくことで魔力以上のものをもらえます! ですので、今後はレオさんから――」

「ありがとう。その気持ちだけで嬉しい。ごめんね、大人気ないことを言ってしまったな。本當に気にせず、疲れたときは魔力を分けてもらうといい」

「レオさん」

「シベルちゃんのこともリックのことも信じているから、本當に大丈夫だ。引き止めてすまない。今夜はもうゆっくり休むといい」

「……」

私は、毎晩こうしてレオさんに抱きしめてほしかったのだけど。そうすれば本當に魔力をもらう以上に、元気になれるから……。

「わかりました」

でも、毎日抱きしめてもらうなんて、贅沢すぎるわよね。シベル、調子に乗っては駄目よ。

「……あ、でも」

「?」

そう思ってソファから立ち上がった私の腕を、レオさんが座ったままくっと引いた。

「…………」

「おやすみのキスは、してもいい?」

もう、してます。レオさん。

腕を引かれた勢いで、私はレオさんの膝の上に座ってしまった。

というのに、レオさんはそのまま私を膝に乗せて、に優しくキスをした。

「ももももも、もちろんです……!! お好きなだけ、どうぞ!!」

「それだと君を部屋に帰せなくなってしまうから、一回だけにしておくよ」

「…………まぁ」

殘念。私は帰らなくてもいいのですが。

「ふっ……シベルちゃんは本當に可いな」

「!」

あからさまにがっかりしてしまったかしら。

そんな私を見て小さく笑ったレオさんは、私の髪を優しくで、サイドのを耳にかけた。

「レオさん……」

わざとなのだろうか。

レオさんの長い指が、私の耳にれてくすぐったい。

でもそんなことには気づいていないような涼しい顔でじっと見つめられて、私の鼓はうるさく鳴りっぱなし。

してるよ、シベルちゃん。早く君を俺のものにしたい」

「……わ、私はもう、レオさんのものです……!!」

「そうだね」

ふっと笑ったレオさんが、ふと真剣な表を見せたと思ったらしい瞳がゆっくり細められていく。

でも私はレオさんの膝の上に乗っていて、私の手はレオさんのたくましい板に置かれていて。

レオさんの大きな手が私の頰を包み込むようにでたと思ったら、くいっと頭を引き寄せられてもう一度が重なった。

「……シベルちゃん。目、閉じて」

「す、すみません……! レオさんのお顔があまりにしすぎて、ずっと見ていたくて……!」

「うん、俺もだよ」

「……!!」

まだ目を閉じていなかったけど。

背筋をばして顔を寄せてきたレオさんに磁石のように引き寄せられた私は、ただただぎゅっと目を閉じて甘い口づけに必死で応えた。

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます!

★お知らせ★

「騎士好き聖

2023年04月07日(金)発売予定です!!

カバーイラストが公開されました!

シベルとレオのお顔が見られますよ〜〜!\(^o^)/

更に【數量限定サイン本】のご予約も始まりました(*´ω`*)

詳しくは活報告をご覧くださいませ(*´˘`*)

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