《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第278話 それは太古の話

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本日BookLive様にてコミカライズが更新されました。

騎士団競技會、開戦!! 當初余裕だと思われていた大會に、意外な強者が現れ……。

バトルシーンは激アツなので、是非読んでほしいです!!

カラミティとハッサルには1つ接點がある。

500年前、まだ不死と呼ばれる吸鬼の真祖カラミティが人々に恐れられていた時代だ。

1人の聖が現れ、カラミティの橫暴を止めた。

それがハッサル――カラミティが〝神狐(しんこ)〟と呼ぶ彼である。

この後も、カラミティが眠るまで2人の爭いはしばらく続く。

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言ってみれば、2人はライバルだったのだ。

「ところで、その目はどうした?」

「ガダルフに抉られました。ご心配なく、ちゃんと第三の目であなたを見ております」

「心配などしておらん」

「隨分とご立派になったご様子……。王様然としていて、心しました。昔、もっと荒れていらっしゃったのに」

ハッサルは口角を緩める。

対するカラミティは眉間に皺を寄せた。

「ふん。いきなり出てきて何用だ。狐」

「まあ、懐かしい。私を指差して、狐なんて……。もはやこの世であなたしかいませんよ、カラミティ。これでも三賢者の優しい方と通っているのですが」

「三賢者か。ラームは立派だったが……。ならば、貴様は何をしていた、神狐(しんこ)。草葉ので震えていたなどと申さぬよな」

「バロシュトラス魔法帝國……。その王の書をしておりました」

「あの【大英雄(パラディン)】――ガーファリアの書だと。……だったら尚更ではないか。ガーファリアはレクセニル王國へとった。何故、こんな辺境にいる」

「あなたを説得しにです。もちろん、昔の誼で」

「相変わらずふざけた、狐だ。殺してやろうか?」

「最初からその気でしょうに、あなたは。私の能力【千里眼(サザンド・ジェル)】を使わなくてもわかります」

真剣なカラミティに対して、ハッサルは戯けるような態度を続ける。

【不死の中の不死(ブラッディ・ブラッド)】を出玉にとるようなハッサルの態度を、ヴォルフが見ればさぞ驚いただろう。

「説得というのは本気ですよ、カラミティ。我々はね。一緒だったのです。最初から」

「一緒……? まさかお前も……」

「そう。かつて天上を追われた者です。といっても、あなたより數倍年上ですが……」

ハッサルはかなといってもいい大きな尾をくるりと翻し、耳をピクピクとかした。

天上族とは似ても似つかない。

今でいう獣人の姿である。

どう見ても、天上族と神狐(しんこ)が結び付かないのは、無理もなかった。

「私がこのストラバールにやってきたのは、5000年以上前です。まだ人族という単一の種族と、魔力を持たない獣しかいない世界だったいにしえの時代……。天上族の姿とは似ても似つかぬ姿でしたからねぇ。すぐにここに放逐されました。ただ私を見つけて、保護してくれた人族は非常に親な方で、ひとまず死なずに済みましたが」

カラミティが吸鬼の真祖であるならば、神狐(しんこ)は獣人の始祖であった。

が人族と子どもをもうけることによって、様々な獣人が生まれていったのだ。

獣人が人よりも力が強いのは、天上族の力の名殘だったと説明する。

そこまで話して、神狐(しんこ)は微笑む。

「ここまで聞いて、何か疑問に思わないのはカラミティ陛下があまり天上族のことをご存じないからなのでしょうね?」

「どういうことだ?」

これはヴォルフは知るところではあるが、元々ストラバールは天上族の流刑地だった。

ストラバールはエミルリアよりも遙かに魔力量がない。

魔法技こそ存在したが、天上族が生きるにはあまりに過酷な環境だったのである。

基本的に不死の天上族も、100年生きれば朽ちて死んでしまうはずだった。

「しかし、私は5000年生きた。どうしてかわかりますか?」

「簡単なことであろう。我が人間のから魔力を摂取したように、お前もまたを摂取していたのではないか?」

なんて野蠻なことはしませんよ。私の場合は、気……。男の荒ぶると呼べばいいでしょうか?」

「なるほどな。獣人を生んだのもそのためか?」

「ええ……。當時において、私の容姿は唯一無二。気味悪がる者もいましたが、同時の権力者から熱烈にされることもあった。英雄はを好むというのは、本當なんですよ。彼は毎日、私にを注いでくださいました」

「まるでサキュバスだな」

「彼たちも私の子孫ですからね」

神狐(しんこ)はあっけらかんという。

だが、カラミティの表は依然としてい。

「で? 我を仲間にするとはどういうことだ?」

「単純な話です。私たちは多くの仲間をしている。何せ私も含め、ストラバールの環境に適応できた天上族はない。天上族として比較的ノーマルだったガダルフや、【大勇者(レジェンド)】の母親――アクシャルですら環境適応に苦慮していた。天上族の長い歴史において、何千という天上族がストラバールに打ち捨てられてきましたが、殘ったのは私とあなた、この村の者と、今王都で戦うハシリーのみ」

「ふん。そんな數で何をする?」

「世界を救う……」

神狐(しんこ)は真面目に答える。

カラミティは笑いも嘲りもしなかった。

ただ一言こう質問する。

「本気か?」

「あなたも知っているでしょ? 私の能力を……。【千里眼(サザンド・ジェル)】は未來を見通す。そして私の目は、こう告げているのです」

ストラバールはゆくゆく滅ぶと……。

3月9日に拙作原作『「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖の師匠になる』の単行本5巻が発売されます。こちらもご予約お願いします。

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