《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》282.子供を助ける
3/7発売コミック3巻の表紙も公開されました。ぜひページの後書きの下をご覧ください(*^-^*)
282.子供を助ける
「それは、魔大帝から帝位を簒奪すると言うことですか?」
「簒奪と言うか……。本來、その能力のない輩が権力を持っている狀態なんだろう? それは結構迷じゃないか? まぁ、別に俺はそんな権力や権威はしくとも何ともないんだが……。だが、子供を襲わせるような部下を野放しにしている、そのレメゲトン魔大帝とかいう無能者よりはよほどマシだろう?」
「なるほど。子供を助けるためだと言うのですね?」
「まあな。子供を助けるのは大人の義務というものさ。それすらできないから、自然と民意によって、権力が俺にもたらされるというさけさ。だから、これは簒奪じゃない。まぁ、俺がなぜか王位についたり星の……まぁいい。そんな地位につくのは自然現象のようなものだ」
「先生、若干諦めがり始めてますね……」
ラッカライの指摘にハッとする。
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「ほ、本當だな。なにげにさらっと皇帝になるのをけれていた……恐ろしい」
「しかし、そんなことが本當にできるものなのですか?」
エリスは半信半疑といった様子である。
しかし。
「あら、でも、それは名案だとお姉さんは思いました! なぜかというと、とても分かりやすいからです! お姉さんは一票ですね! のために! 子供のために! 毆りをする神を我がワイズ・ブリギット教は歓迎します!」
「……一言いいですか? 我がパートナー。あなたの仲間たちは些か豬突猛進が過ぎるのではないですか? 仲間はもっとバランスを考えて組んだ方がいい」
「いや、もうし々いるんだがな、本當は」
多分、こちらに向かっているだろうから、そのうち合流できるだろうさ。
さて、俺たちはそんな會話をしつつも、行は素早く、背中からしい羽をはやす子供たちの前に回り込んでいた。
翼人種はエンデンス大陸には存在しない種族であるため、初めて見るが、エルフとはまた違った幻想的な雰囲気をまとっている。
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だがまぁ、やることは普段と変わりはない。
怯える子供たちに一聲かける。
「安心しろ。この雑魚どもを始末したら、親のところまで送って行こう」
俺がそう言って微笑む。だが、彼らもの不安は表から消えない。
「だ、だめだよ。ト、トロール10なんて! 殺されちゃうよ!」
そんな子供のびに呼応するように、俺に攻撃されたトロールを含め、いっせいに殺意をむき出しにして、大音聲を響かせた。
巨人たちが怒聲を発することで、周囲の木々がビリビリと震える。
「そのガキどもの言う通りだ! がはははは‼」
「こんなことをして! ただですむと! おもっていまいなぁ!」
「そうだ! 俺たちは四魔將ギガテスの部下だぞ!」
「逆らえばお前らはおろか、フリューム王國さえも、ただではすまん! 、子供も皆殺しだ‼」
「ぐははは! そうだ! 愚かなことをしたな! 謝ってももはや許しはしせんぞ‼」
そんなトロールたちの威圧。
子供はおろか、普通の冒険者程度ならば、委して震えあがることだろう。
だが、俺はむしろ微笑みを浮かべてしまった。
「な、何がおかしい‼」
「恐怖でいかれちまったのか‼」
勘違いをしてさらに居丈高になるトロールたち。
しかし、更に俺は笑みを深くした。
そして言う。
「ふむ、では俺の方もし自己紹介しよう。俺の名はアリアケ・ミハマ。この大陸の全ての王國を統べる【皇帝】だ。さっきそうなることを決めた」
「な、なにを⁉」
トロールたちがギョッとした表をする。
「馬鹿を言うな!」
「そうだ! この大陸はレメゲトン魔大帝様が統治なさっておられる! そして、その四魔將の一人たるギガテス様が、ここいらの王國の統治をじきじきに任されているのだぞ‼」
激しい怒聲だ。
しかし。
「馬鹿は貴様らだ! この屑どもめが‼」
「ぐあ⁉」
「な、なんだ⁉ この圧力は⁉」
俺がし威圧を込めると、10m近い巨人どもが一気に気圧される。
「お前らのような子供を襲うような犯罪者を野放しにするような統治者ギガテスとやらも同罪の重罪人であることは自明だ。そして、その無能のギガテスとやらを四魔將とやらに據えている無能大帝レメゲトンも帝國運営には不向きな無能であることを、今まさにお前たちが証明している。そんなことも分からんのか」
「犯罪者⁉」
「無能だと⁉」
やれやれ……。
言われなければ分からないのか?
俺は鼻で嗤いながら言う。
「そうだ。子供を襲うなど重罪以外の解釈のしようもないだろうが。ゆえに、俺がその無能なレメゲトン魔大帝とやらに代わって、皇帝としてこの魔大陸を統治することにした。要は拭いというわけだ。そして、そんな皇帝たる俺の第一の仕事は……」
俺は聖杖キルケオンを掲げて宣う。
「皇帝勅命として、魔大帝レメゲトン、そして四魔將の権力を剝奪することを宣言する。罪は追って償わせる。次に、お前たちにも、皇帝たる俺の法に従って罪を償ってもらう。とはいえ、俺は暴力は嫌いだ。フリューム王國も近い。そこで裁判をけ、牢屋にり罪を償うがいい」
俺は犯罪者たちに対して、そう命令を下したのであった。
どれも子供を襲おうとしていた犯罪者たちに対しては妥當な罰であろう。
だが。
「か、勝手なこと言ってるんじゃねーぞ!」
「そうだ! 我らは誇り高き四魔將ギガテス様の部下!」
「魔大帝レメゲトン様を侮辱した罪、死んで償ええええええ!」
トロールたちが激高して襲い掛かってくる。
俺は呆れた聲で首を橫に振る。
「時代について來ていないようだな。そいつらはもう皇帝でも四魔將でもない。俺がそう決めたのだからな。ゆえに、我が法に基づき、お前らはただの子供たちを襲う犯罪者集団だ。獲を狩る側ではなく、皇帝である俺の法に裁かれる側に回ったと知れ。≪スキル・リピート≫」
俺はスキルを詠唱する。
「黙れ! ガキどもをやる前にお前らから先にやってやる!」
「せいぜい、後悔しろ!」
「脆弱な人間めが‼ お前を喰らってから、次は後ろのガキどもだ‼」
怒気を迸らせてトロールたちが薄する!
もはや、その巨は數センチにまで迫っている。トロールたちは必殺を確信したであろう。
怒りの中にも獲を捉えた時の喜悅がある。
だが。
ドシュ‼
ドゴオオオオン‼
ビュン‼
ドシュ‼
「へ?」
「あ……れ……」
「ど……う……し……て……前に……す……す……め……」
10いたトロールたちは俺たちに近づこうとするが、そのきは次第にゆっくりとなっていく。そして、
「ぎ、ぎゃあああああああああああああああああああああああ‼」
數のみ、斷末魔が轟いた。
それもそのはずだ。
あるトロールはサラサラと砂のように宙に消える様に消滅し、ある者は自分が既に心の臓を貫かれていることに気付かなかった。またある者は急所だけを破壊されをかすことは不可能だったのだ。
そうしたトロールたちは斷末魔を上げることすら許されるず、俺たちの圧倒的な力の片りんを垣間見ただけで、畏怖の念に駆られつつ消滅していった。
恐らく自分たちが死んでいたことにも気づいてはいない者も多かったであろう。
それほどまでに、俺たちの攻撃は圧倒的なスピードと技を誇っていたのである。
「ふん、自業自得だな。子供を傷つけようとする輩に容赦はない」
俺は何ら躊躇なく斷言する。
「ですね! 子供に手を出そうとするなんて、人魔同盟學校の先生陣をなめてもらってはこまりますよね」
「ふ、その通りだ。それにしても後の先も極まってきたなぁ、ラッカライは」
スキルを付與しているとはいえ、もはやその斬撃は見えないほどのスピードだった。
「待ちなさい、私も攻撃に參加していましたので、相応の評価を求めます」
「僕よりちょっと遅かったですね、ふふん」
「む? それは、早さより質を重視したゆえにですね」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。心臓の必中さすがでしたよ。仲良くしましょう。爭いは何も生み出しません。ちなみに私は4やりましたので、いちおう申告しておきますね、アリアケ皇帝?」
「「一番競爭心強くないですか?」」
やれやれ。俺は苦笑する。ちなみに殘り一は俺が改めて投擲で倒しておいた。恐らく死んだことに気づかないまま逝けたことだろう。
せめてもの慈悲だ。
「さて。とりあえず無能な元魔大帝レメゲトンの拭いは一旦完了だな。やれやれ子供が無事でよかった」
俺が子供を守れたことにほっこりとしていると、おずおずとした様子で一番年長の翼人のが言った。実際の年齢は分からないが10歳程度だろうか?
「た、助けてくれてありがとうございました。あの強いトロールたちを一瞬で倒してしまうなんて……」
子供の翼は小さめで、可いものだと思ってつい口元をほころばせる。
「むしろ、ああいった存在を野放しにしている大人の責任というものだ。そのあたりの拭いをしたいと思っている。すまないが君たちの街まで案してもらってもいいだろうか?」
「も、もちろんです。命の恩人ですから。ね、みんな」
「う、うん!」
「むしろ、街まで護衛してもらいたいと思ってた!」
「こ、こら! 助けてもらっておいてなんてことを!」
だが、俺は笑った。
確かにそうだ。
他にもトロールがいるかもしれない。
「ああ、そうだな。では護衛として同行させてもらおう。俺はアリアケ・ミハマという者だ」
俺は右手を差し出す。握手という文化は無いかもと思ったが、
「は、はい! アリアケ様‼ 私の名前はリムと言います」
ちゃんと手を握ってくれたのだった。
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コミック第3巻、ノベル第6巻が2023年3月7日 発売予定です!
小説・コミック共々大人気です。支えてくれた皆さん本當にありがとうございますm(_ _"m)
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