《【書籍化】男不信の元令嬢は、好殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)》〈番外編〉騎士カーティスの波萬丈な二日間⑫
曇った銀のような薄白い明るみが空に広がる早朝。
リリムの街の門からし離れた、道が左右に分かれる場所にて。
ノアとカーティス、クレアとジルベルトの四人が馬二頭と共に立っていた。
「まあ。じゃあ、コンスタンスさんのところにも行ってくれたのね」
「ん。フィリップといた」
「ふふ。あの二人、本當に仲が良いわよね」
「ん。なかよし」
ノアがリュックサックの中から箱を取りだした。
「あとこれ。変化の腕」
「わざわざこれを屆けに來てくれるとは思わなかったわ。ありがとうね」
微笑みながら貓耳のついた頭をでるクレアと、気持ちよさそうに目をつぶるノア。
ノアのリラックスした様子を見て、カーティスは頬を緩ませた。
(ノアちゃん。楽しそうだな)
コンスタンスと一緒に居る時も楽しそうだったが、クレアと一緒に居る時の方がその何倍も楽しそうだ。きっとかなり仲が良いのだろう。
(……それにしても、人って変わるもんだなあ)
そっとクレアの斜め後ろに立っているジルベルトをうかがうカーティス。
約半年前、カーティスは國境沿いの魔獣討伐に派遣された。
隣國の騎士団の先頭に立っていたのは、このジルベルト第一王子。
その場にいる者を圧倒する剣と魔法で、次々と魔獣を討伐し、一般人はもちろん複數の騎士たちの命を救った。
カーティスたちも何度も彼に命を救われた。
(あの時は本當に鬼気迫るってじだったよな)
氷のような表で魔獣を討伐していくジルベルトの様は、尊敬されると同時に恐れられてもいた。
騎士の中には「魔より怖い」と言い出す者がいるほどの強さと冷たさ。
しかし、今。ジルベルトは本當に同一人かと疑うほど穏やかな顔をしていた。
時折微笑みのようなものさえ浮かべている。
當時を知っている人間が見たら二度見どころか三度見するレベルだ。
(……きっと、クレア嬢のおだろうな)
表かな明るい雰囲気の。彼がジルベルトの心の氷を溶かしたに違いない。
仲睦まじそうに寄り添い微笑み合う二人を見て、溫かい気持ちになるカーティス。
ノアが尋ねた。
「クレアはこれからどこに行く?」
「辺境伯領に向かおうと思っているわ。家族に會ってもらおうと思って」
し照れたように笑うクレア。
ノアが真面目腐って頷いた。
「ん。ジークジオンなら大丈夫」
「……なんか々違うけど、まあ、いいわ」
仕方ないわね。という風に笑いしながらノアの頭をでるクレア。
「じゃあ、私たちはそろそろ行くわね。魔の森はここから直線距離で行けば四、五時間くらいだそうよ。今日中に帰れると思うわ」
「ん。分かった」
クレアがカーティスの方を向いた。
「カティアン様。ありがとうございました。助かりましたわ」
「いえいえ。私は単なるノアさんの付き添いですから」
爽やかな笑顔で答えるカーティス。
そして、クレアの後ろに立っているジルベルトに深々と頭を下げた。
「その節はありがとうございました。実り多き良い旅をお祈りしております」
*
「じゃあ、先に行くわね。元気でね」
「ん。クレアも気を付けて」
「ノアもね。ジュレミによろしくね!」
馬に乗り、手を振りながら去っていくクレアたち。
目禮するカーティスに、目禮を返すジルベルト。
そして、二人が見えなくなって。
ずっと手を振って見送っていたノアが、ぽつりと言った。
「良かった。クレア、幸せそう」
「そうですね。私の目から見ても幸せなお二人に見えました」
「ん。……でも、お別れはさびしい」
しょんぼりするノアを見て、カーティスは切ない気持ちになった。
(大切な友たちとの別れは辛いよな)
彼はを屈めると、ノアに笑いかけた。
「きっとまた會えますよ」
「……ん」
「我々も、途中の街で何か味しいを食べながら帰りましょう」
「ん!」
ほんのしだけ元気になるノア。
その後。
二人は寄り道しながら馬を走らせ、夕方前に魔の森に到著した。
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