《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》283.フリューム王國王に頼られる
283.フリューム王國王に頼られる
「ほう。ここが翼人種が統治する【フリューム王國】か」
フリューム王國は城壁により囲まれた都市國家であり、先ほど門番に事を話してれてもらったところだ。
「でも先生、何だかみんな元気がないように見えますね」
「それよりあっちが騒がしいようですよ、アリアケ君」
そのようだな、と思いながら俺は目を遠くへと向ける。何やら土煙を立てながら迫って來る集団があった。
そして、俺たちの前を通り過ぎるかと思いきや、急ブレーキをかけて止まった。
先頭のがまくしたてるようにして、めっちゃ唾を飛ばしながら突然話し始める。
「そ、そこの方達、待って待って! はぁはぁ、えっと、申し遅れました! 私はフリューム王國の王なんですけど! ぜえ、ぜえ。なんと、付近にトロールが出たららしいんです! 私たちはその討伐隊です‼ 子供たちが外に出ていると聞いて、こうして近衛兵を率いて出陣するところです! あなたたちは見れば武も所持されているご様子! ぜひ、傭兵として私に雇われて下さい! 報酬は、ええいもってけドロボー! 1萬ルベルだ‼ おおん、これで今月も王の使えるお金がなくなっちゃったよ、ぴえん‼」
Advertisement
一気にまくしたてて要を告げたのは、俺よりはし小さいながらもにしては長の高い、見た目20歳くらいの緑の髪とアンバーの瞳がしいだった。しい白い翼はに照らされてキラキラとる。
あと、聞き間違え出なければ、王らしい。
「ああ、それなら手間が省けたな。ちょうど俺たちが通りかかったところに、多分お前たちが助けようとした子供たちがトロール10に襲われていてな」
「そんな! 時すでに遅かったということなんですね! 10だなんて子供たちが逃げきれるはずありません! うおおおおん!」
「まぁそんなに獣のような咆哮を上げる前にだ。もうし話を聞いてしい。フリューム王國王よ」
「ミルノーです‼」
「俺はアリアケだ。よろしく頼む、ミルノ―王。で、まぁ話を聞いてしい」
「うっ、うっ、鬱。どうせ私のせいだって言ってなじるつもりなんでしょう。いいでしょう、私も王です。私の政治がポンコツなばっかりに四魔將ギガテスの橫暴に屈し続けてきました。そして、とうとう大事な子供にまで。うええええええええええん」
見かねてリムが口を挾んだ。
「ミルノ―王様。あの、私たちは無事ですので。ここのアリアケ様に助けてもらったのです」
「やめて! 優しくしないでよ! 今の私は王としての無力に絶して、責任をじまくって省しまくりなんだから!」
「こいつ、やはり、どついてはいかんのか?」
「すみません、アリアケ様。いちおう王でして。あの人気もあるんですよ?」
「まあ、そうだろうな」
俺は微笑む。
「話は聞かんし、直的でちょっと頭のネジが一本取れているようだが、自分が先頭に立って子供を救いに行こうとするんだ。へっぽこなど短所のうちにらんさ」
「パートナー、褒めているつもりでしょうが、貶しているワードの割合が過多になっていますよ」
「まぁ、でも分かります。確かに為政者って完璧なだけが取り柄じゃないですからね。アリアケ君みたいに超人なのもいいですけど、コレットちゃんみたいな可いお姫様にこそ付いて行きたい! ていう殿方も多いみたいですからね。と、そんな結果が先日旅館で行った第5回賢者パーティー・ファン投票で判明したんですよ」
「暇を持て余しすぎでは……。まぁ、擔いでくれる仲間たちが俺のような上に立つ者には必要だからな。その資質は何も俺のような完璧さだけではないのはよく知っているつもりだ」
「その視野の広さを持っているのが先生の凄いところですよね!」
俺はそんなことないとばかりに苦笑しながら肩をすくめて、反省《トリップ》中のミルノ―王にもう一度聲をかける。
「≪神異常解除≫。ミルノ―王、こっち側に戻ったか? なら、さっきから話している容も聞いていた容も、そろそろ理解出來たろう? ちゃんと子供たちも無事だし、こうして送り屆けた」
「うおおおん‼ 良かったよおおおお‼」
「スキルが効いていないのかな?」
「いえ、これが天然なんです」
そうか、と頷きながら、子供たちを抱きしめてメソメソする王に告げる。
「とはいえ、トロールは今後も現れるだろう。また行きがかり上、トロールには投降をすすめたものの、襲撃を続けたのでな。倒すしかなかった。だが、そうなれば恐らく俺を狙ってトロールやその上司にあたる四魔將ギガテスが襲ってくるだろう。今日は出來れば宿泊させてしいと思っているが、無理にとは言わないつもりだ。ただ食べなどだけは補給を……」
俺がそこまで言いかけた時であった。
「逃がさん! あなただけはー!」
突然、ミルノ―王が襲い掛かって來る。というか、普通に腰に抱き著いて離そうとしないだけなのだが。
「ええい、離せ! いきなり何だっちゅうんだ!」
俺の言葉にミルノ―はび返してくる。
「だってだって、アリアケさんを襲うかもしれないけど、結局この國を脅してくることには未來永劫変わりはないんだもん! だから敵は共通! ここは一つ手を組みましょう! しいものがあったら出來る限り融通するからー!」
「うーむ、結構渡りに船のような提案なのに、不安しか湧いて來ないんだよなぁ」
「どうしてよ! 正直すぎるわよ、アリアケさん! んっ、ていうか……」
彼は俺の方をジロジロと見てから。
「なんだか貴族か王族のような気がするんだけど気のせい?」
「ん? いちおうエンデンス大陸では國王をやっていた。魔大陸では帝國を建國するつもりだ」
「先生ったら、いきなり過ぎますよ。それじゃあ王様も理解が……」
しかし、ミルノ―王は目をキラキラとさせながら、満面の笑みを浮かべながら言ったのである。
「加盟します! 帝國に加盟します! どうかどうか! この王國に慈悲と力を皇帝として貸して下さい‼」
「侮れない判斷の速さだな」
「あー、王のこと軽薄だと思ったでしょ! 分かるんだかね! でもね、これも分かっちゃうの。王には」
彼はウインクをしながら言った。
「誰に寄生すればうまく生きながらえられるかってね♪」
そう堂々と宣言したのであった。
「王よ。不用なオートマタ種族の私が言うのも何ですが『言葉を選ぶ』ほうがコミュニケーションが円になると思いますが。せめて、『誰が信頼できるか分かる』とでも言っておけば、いいじのムードだったとシミュレーションの結果は指し示しています」
「おっと、しまった、てへ☆」
「はぁ、やれやれ」
俺は苦笑しながら、全力で頼って來るフリューム王國王ミルノ―に対し了承の意を伝える。
「俺もお前がなくとも面白い王だということくらいは分かるさ。アリアケ帝國の一つ目の王國の王がお前というのはどうかなーって正直思うけどな」
「ひどいよー」
そんな會話をしながら、俺とミルノ―は今後の作戦について意見を換したのであった。
【小説・コミック報】
コミック第3巻、ノベル第6巻が2023年3月7日 発売予定です!
小説・コミック共々大人気です。支えてくれた皆さん本當にありがとうございますm(_ _"m)
ご予約頂けると嬉しいですが、【無料】試し読みだけでも、ぜひぜひご一読くださいませ(*^-^*)
(小説)https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/series/detail/yuusyaparty/
(コミック)https://www.ganganonline.com/title/1252
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【1st anniversary記念PV】
SQEXノベル1周年記念に、PVを作頂きました。
https://youtu.be/iNAobmIPNhk
CV:井上 喜久子さん・保志 総一朗さん
公開中!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「アリアケとミルノ―達は一この後どうなるのっ……⁉」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直にじた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本當にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
【書籍化進行中】斷罪された悪役令嬢は、元兇の二人の娘として生まれ変わったので、両親の罪を暴く
【2022/9/9に雙葉社Mノベルスf様より発売予定】 (書籍版タイトル:『悪役令嬢は、婚約破棄してきた王子の娘に転生する~氷の貴公子と契約婚約して「ざまぁ」する筈なのに、なぜか溺愛されています!?』) セシリアは、あるとき自分の前世を思い出す。 それは、婚約破棄された公爵令嬢だった。 前世の自分は、真実の愛とやらで結ばれた二人の間を引き裂く悪役として、冤罪をかけられ殺されていた。 しかも、元兇の二人の娘として生まれ変わったのだ。 かつての記憶を取り戻したセシリアは、前世の自分の冤罪を晴らし、現在の両親の罪を暴くと誓う。 そのために前世の義弟と手を組むが、彼はかつての記憶とは違っていて……
8 147星の海で遊ばせて
高校二年生の新見柚子は人気者。男女関係なくモテる、ちょっとした高根の花だった。しかし柚子には、人気者なりの悩みがあった。5月初めの林間學校、柚子はひょんなことから、文蕓部の水上詩乃という、一見地味な男の子と秘密の〈二人キャンプ〉をすることに。そんな、ささいなきっかけから、二人の戀の物語は始まった。人気者ゆえの生きづらさを抱える柚子と、獨創的な自分の世界に生きる文學青年の詩乃。すれ違いながらも、二人の気持ちは一つの結末へと寄り添いながら向かってゆく。 本編完結済み。書籍化情報などはこのページの一番下、「お知らせ」よりご確認下さい
8 62【書籍化】捨てられ令嬢は錬金術師になりました。稼いだお金で元敵國の將を購入します。
クロエ・セイグリットは自稱稀代の美少女錬金術師である。 三年前に異母妹によって父であるセイグリット公爵の悪事が露見し、父親は処刑に、クロエは婚約破棄の上に身分を剝奪、王都に著の身著のまま捨てられてから信じられるものはお金だけ。 クロエは唯一信用できるお金で、奴隷闘技場から男を買った。ジュリアス・クラフト。敵國の元將軍。黒太子として恐れられていた殘虐な男を、素材集めの護衛にするために。 第一部、第二部、第三部完結しました。 お付き合いくださりありがとうございました! クロエちゃんとジュリアスさんのお話、皆様のおかげで、本當に皆様のおかげで!!! PASH!様から書籍化となりました! R4.2.4発売になりました、本當にありがとうございます!
8 67お悩み相談部!
たまに來る相談者の悩み相談に乗り、その解決や手助けをするのが主な活動のお悩み相談部。そこに在籍している俺、|在原《ありはら》は今日も部室の連中と何気ないことを話し合ったり、一緒に紅茶を飲んだりしながら、なに変わらぬ代わり映えのない日常を過ごすはずだった……。 だが、生徒會から舞い込んだ一つの相談がそんな俺の日常を小説のような青春ラブコメへと変貌させる。 ●キャラクター紹介 |在原《ありはら》、今作の主人公。言葉は少しばかり強めだが、仲間思いのいい奴。でも、本人はそれを認めようとはしない。 |晝間夜《ひかんや》、在原の後輩でことあるごとに在原をこき使おうとする。でも、そんな意地悪な表裏にあるのは密かな戀心? 本人はまだ、それに気付いていない。 本編では語られていないが、在原にお弁當のおかずをご馳走したこともある。 |緋野靜流《ひのしずる》、在原の同級生。面倒見がよくいつも部室では紅茶を注いでいる。みんなからは密かに紅茶係に任命されている。 家はお金持ちだとか……。 |姫熊夢和《ひめぐまゆあ》、三年生。いつも優しそうにしているが、怒るとじつは怖い。 學內では高嶺の花らしく彼氏はいないらしい。みんなから愛されている分愛されるより愛したいタイプ。 じつはちょっと胸がコンプレックス。 |海道義明《かいどうよしあき》、在原の中學からの幼馴染。この中では唯一の彼女持ちだが、その彼女からは殘念イケメンと稱されている。仲間とつるむことを何よりの楽しみとしている。どちらかもいうとM。 |雙葉若菜《ふたばわかな》、海道と同じく在原とは幼馴染。在原のことを母親のように心配している。本人は身長なことを気にしているが、胸はどうでもいいらしい。じつは彼氏がいるとかいないとか……。
8 59ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件
MMORPG『スカイ・アース・ファンタジア』のサービス終了のお知らせ。 それを知った主人公の大空 大地(おおそら たいち)は、最後のアップデートで実裝されたドラゴンテイマーになろうと決意する。 その後、なんとか手に入れたジョブチェンジ用アイテムを使った結果、MMORPG『スカイ・アース・ファンタジア』のもとになった世界へと転生してしまうのであった…… これは、強くてニューゲームしてドラゴンテイマーとなった男が、異世界で第二の人生を送る物語である。 ※.第一章完結しました。 ※.1週間に2、3話の投稿を目指します。 ※.投稿時間は安定しませんがご容赦ください。
8 135ファルダーミール -明日の世界-
どこにでもいる普通の高校生。 甘奈木 華彌徒[カンナギ カヤト]は、平和な日常を送っていた。 顔も性格も家柄も普通な彼には誰にも……いや……普通の人には言えない秘密があった。 その秘密とは、世に蔓延る亡者、一般的に言えば幽霊や妖怪を倒すことである。 ある時、友人にその事がばれてしまったがその友人はカヤトに変わらずに接した。いや、むしろ、自分からこの世ならざる者と関わろうとした……。 ───────────────────── 【目指せ、お気に入り1000人達成!?】 2018/10/5 あらすじの大幅改変をしました。 【更新は気長にお待ち下さい】 ─────────────────────
8 111