《スカイリア〜七つの迷宮と記憶を巡る旅〜》第228話 怒れる大商人
「この騒はあんたらの仕業なのかい。え、どうなんだ?」
商會長ミセス・カマスは檻に閉じ込められた俺とリッカを見下しながら問いかける。
「違う!」
「ハン、犯人は皆そう言うよ。そこの娘、お前からは嫌な匂いがプンプンするんだよ。到底無関係とは思えないニャア」
「は。獣風が言いよるわ」
「——ぁんだってェ? ……不遜な小娘だね。鞭打ちと水攻め、どっちが好みだい?」
ミセス・カマスは黃い瞳をカッと開いてアスモデウスを凝視する。二人の間に早くも剣呑な雰囲気が漂い始める。
「の程知らずのニンゲンが。妾がそのに恐怖を刻み込んでくれようぞ」
「牢にぶち込まれながらその態度。気にらないねぇ……。どこの田舎モンだニャア?」
「くふふっ、妾こそ彼の伝承に伝えられる——」
慌ててリッカの口を手で塞ぐ。
「何をする小僧。無禮であろうが」
アスモデウスが殺意を込めた視線で俺をギロリと抜く。
「アホか! 厄災なんて言おうもんなら最早犯人確定だっての!」
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「お前もみみっちい小僧よな」
「頼むから黙っててくれ……」
ミセス・カマスを振り仰ぎ彼に弁解を試みる。
「すみません。この子ちょっと変わってまして。変な格好して偉そうに喋るのが趣味なんです」
「アタシニャア理解できないよ」
「そうですよね。はははっ」
「——そんな戯言を信じると思ってるのかニャア?」
「…………」
ですよね。神輿の上に鎮座するミセス・カマスの瞳は冷え切っている。
「船員にもかなりの被害が出てるんだ。このままじゃ艇をかすこともままならない。下らない三文芝居を聞いてる暇はないんだニャア」
ミセス・カマスが合図をすると後ろに控えていた屈強なネコの二人組が歩み出る。
やばい……。このままじゃ元兇を探すどころか俺達が犯人に仕立て上げられる。というかアスモデウスが何を仕出かすか分からない。なんとかこの狀況を変えないと……。
「待ってくれ! 俺達は真犯人に心當たりがある!」
「あぁん? 口から出まかせだったら承知しないよ!」
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「俺達は本當にやってないんだ……。こっちだって仲間が何人も意識を無くしてるってのに」
こうしている間にもフウカたちのはどんどん呪いによって蝕まれていく。
「じゃあ何かい、代わりにお前達が真犯人を探し出すとでも言うのかニャア?」
「——そ、そうだ。俺達を自由にしてくれれば、この事態を収拾してみせる!」
品定めするようにこちらを探る黒ネコの瞳がる。
「お前、犯人に心當たりがあると言ったね? 聞いてやろうじゃないのさ。詳しく話しな」
多は話を聞いてもらえそうな雰囲気に一息つく。
「ただし信用に値しない話、もしくはアタシがただの時間稼ぎだとじたらすぐ拷問にかけるよ」
黒りする鞭を手にした屈強なネコが檻に寄ってくる。呪いの元兇を排除しなきゃどのみち死ぬんだ。なりふり構ってられる場合じゃない。なんとしてもミセス・カマスを納得させなくては。
「艇の人達に呪いをかけてるのは多分ゲーティアーだ。あんたなら知ってるだろう」
「ゲーティアー……、巷で噂の影の怪って奴かニャア。拠をお言い」
「あんた達も見たはずだ。れない炎を。あれはただの波導じゃない。奴らの使う魔法って力によるものだ」
黒ネコは側に控えるローブ姿のネコを見た。お付きの士だろうか。彼はミセス・カマスを見上げると頷いてみせる。
「確かに波導や刻印の類いじゃないようだね。影の怪が使う外法によるもの……ねえ」
「わかってくれたなら出してくれ。俺たちは一刻も早く呪いの原因を除去しなきゃならないんだ!」
「確かにあんたたちは々と知っていそうだ。けどね、それであんたらの疑いが晴れるわけじゃニャい」
「くっ……」
「今あんたたちにできるのは知ってる報を全て吐き出すことだけさね。それでアタシらを納得させな。言葉を使って信頼を勝ち取るんだよ。そうすればそこから出してやるニャア」
大商人は神輿の上で寛ぐように勢を変えると、俺に向って何か喋るように顎をしゃくって促す。
おそらくは彼等も手詰まりな狀況なのだ。問答無用で拷問を仕掛けないのは、もしかしたら俺たち……いや、アスモデウスのことを警戒している?
考えてみれば當然だろうな。怪しいを使って船員の意識を奪う輩だ。おいそれと手を出したら何をされるかわからない。彼等も俺たちの手のを探ろうとしている。
お互いに目的は一致しているはずなんだ……。彼の言うように、言葉によってミセス・カマスを説得できさえすれば、彼は俺たちに協力してくれる可能もある。
やるしかない。彼が納得するだけの狀況説明と、俺たちのの潔白の証明。
しの間目を閉じ、心を落ち著ける。
よし。
「アスモデウス。あの呪いはどうやってかける。まさか見ただけで呪いが発するのか」
「イリスの眷屬でも妾のような最上位であればそれも可能であろうが、有象無象の眷屬にそんな魔力はない。直接れるか、自らの魔力を対象に取り込ませる程度のことは必要であろうよ」
「魔力を……取り込ませる」
乗船してから船員と直接れ合った記憶はない。となると、もう一つの魔力を打ち込まれているパターンになるが……。俺もリッカも、みんなも、一いつゲーティアーの魔力を取り込んでしまったというんだ?
最も可能が高いのはやはり食いか。オープン・セサミに乗り込んで以降、ずっとここで買ったものを食べて過ごしている。食事にゲーティアーの魔力が混していた……、という線はいかにもあり得そうだ。
「食べ、か……?」
「直接れて魔力を流し込まれたのであれば、眠っておった妾もさすがに気がつく。十中八九そうであろうよ」
ミセス・カマスを見上げて口を開く。
「呪いの原因はゲーティアーの魔力が混した食べだ」
「それで?」
問題はいつ、どこで、誰によってそれが提供されたか。
俺達ジェネシスは全員が呪いにかかってしまった。魔力のった食いを全員どこかで口にしてしまったとういうことだ。
「アスモデウス、俺たちは呪いの発からどれくらいで死に至るんだ」
「おおよそ五刻といったところじゃ」
こいつによればフウカやクレイル達が発癥したのはほぼ同時だという。俺とリッカだけ二刻ほどのタイムラグがあるのが気になる。
俺たちは乗船してから毎回全員で食事をしていたわけじゃない。特にクレイルは単獨行が多かったし、マリアンヌとリィロも二人で食事をする機會が多かった。
逆にほとんど行を共にしていた俺、フウカ、リッカの呪いの発癥タイミングが不揃いなのはどういうわけだ。俺たち三人はこの三日間、同じものを口にしていたはずなんだ。
俺とリッカを除いた他ユニットメンバーが同時に口にしていて、俺とリッカだけが食べなかったタイミング。俺たちが呪いにかかったのはきっとその時だ。思い出せ。……きっと何かあったはずなんだ。
脳裏に初日に出會った饅頭配りのネコの顔が過った。はっとしてアスモデウスを振り返る。
「リッカの記憶で、艇に乗り込んだ直後にネコから饅頭をもらったの覚えてるだろ。あれ、あの時食ったのか?」
「小娘の記憶では自室まで持って帰っておるな」
「俺も同じ……。あの時突然小さいフラウ・ジャブ様が現れたから食うタイミングを逸した。それで、後で食ったんだ」
俺たち以外のみんなは渡された直後にあの饅頭を食っていた。それなら俺とリッカの発癥タミングがズレていることの説明が付く。あいつ……怪しいな。あの縞ネコへの疑いが強まる。
「……魔力がった食べを配り歩いてる奴がいた、かもしれない」
「配り歩く? この艇にそんなことする奴はいないよ」
「いないって……本當に? 実際俺たちはあの時」
ミセス・カマスは鼻を鳴らして頷く。
「このカマス商會にタダでを配るネコはいないのさ。ウチの掟に反するからニャア」
彼の背後に控えるネコ達がざわめき始める。
「なんだい? うるさいね、靜かにおし!」
「ボス、饅頭を配り歩くネコを見た者がおります」
「なんだってぇ?」
黒ネコの指示で彼の前に心當たりのある數名が並べられた。
「あんたたち……、まさかタダで食いをけ取ったのかい!?」
小さなに見合わぬ迫力をまとい、ミセス・カマスは並べられた船員達に対して凄む。
「俺は見かけただけっす! 誓ってもらってませんですっ!」
「見かけない奴だニャとは思ったんだけど、ボク忙しかったから……」
「丁度お腹が減ってたもんで……ちょびっとだけ。ニャハハ」
「そいつを放置したんだねェ……?!」
申し訳なさげに想笑いを浮かべる船員達を前に、ギリギリと歯ぎしりの音が聞こえそうな形相で、鋭い牙を覗かせるミセス・カマス。
「……お仕置きは後だ。まずはそいつの特定だニャア。チロ、そいつの特徴を話すんだよ!」
「は、はいニャ。確か縞柄の————」
「?」
け取った饅頭を口にした、と証言したネコは途中で言葉を切り、急に虛ろな目つきになり黙り込む。
突如彼のにぼうっと紫の炎が燈り、揺らめいた。同時にネコはばたんとその場に倒れ込む。
「お、おいっ!」
「……早いとこチロを醫務室へ運びな。もたもたするんじゃないよっ!」
「はいニャ!」
ミセス・カマスは俺たちに視線を戻す。
「確かにあんたたちの言い分通りだよ。怪しげな饅頭配り。ソイツが犯人だって言うのかい」
「聞いてくれ。呪いの発には時間差があるんだ。そして一度発癥してしまえば五刻ほどで死に至る……らしい」
「五刻で……かい」
黒ネコは眉間に皺を寄せ、目を閉じる。その表は先ほどまでの激しい気とは裏腹に、やつれた印象を覚えるものだった。
「ミセス・カマス。頼む……。俺たちは絶対に犯人を見つけて呪いを解呪させる。だからここから俺たちを出しほしい」
彼の黃い瞳を見つめ、訴える。視線が差する。大商人はそのまま沈黙し、考えているようだった。
「……分かった。あんたたちは現狀を説明するに足る材料を示した。約束は守るニャア。解放してやりな」
見張りのネコがやってきて、錠前に鍵を差し込む。ようやく俺たちは狹い檻と著狀態から解放された。
「ありがとう。俺たちを信じてくれて」
「アタシはあんたの報の価値に対価を支払っただけさ」
ミセス・カマスによって無事な乗員から聞き取りが行われ、饅頭配りのネコについての報が共有される。しかし、誰一人としてそのネコの正を知る者はいなかった。
ほとんどの船員を把握するミセス・カマス自誰とも特徴が一致しないようだ。
「部外者でしょうか?」
「誰にせよ、まだ艇に潛んでいるはずだ。まだけるヤツを総員しな。引っ捕らえて八つ裂きにしてやるんだよ!!」
「へい!」
「俺たちも犯人を探す」
「部外者は黙っておいで……と言いたいところだけどね。今はエアルの手も借りたいくらいの事態だ。頼めるかい、あんたたち」
「言われなくても」
「ふん……、意外といい目をするじゃないのさ。覚悟の決まった男の目、嫌いじゃない。……ソマリ!」
俺たちを拷問しかけた、鞭持ちの屈強なネコの一人が俺たちの前にやってくる。
「こいつらについてやりな」
「承知しました」
長2メイル近くある巨の男だ。派っぽい見た目と立ち居振る舞いから戦闘能力の高さが窺える。彼はのっそりと俺とリッカの側に立つ。
おそらくは監視の役目もあるだろうが、協力してくれるということなのだろう。
「ゲーティアーを見つけるための手段、考えないとな……」
なんとか誤解は解く事ができた。でも、俺たちに殘された時間はない。なんとかしてみんなで生き殘る方法を探すのだ。
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