《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》備えあれば……?
いつも応援本當にありがとうございます。
本日報解! 第2巻は5月20日発売です!
公式さんに盛大に煽られた日から、はや數日。
レイド當日を迎えた私は、早めのお晝を終えてとある場所に來ていた。
既に何度か來たことはあるが、來る度にちょっとずつ草花のレイアウトが変わってみえる、素敵なお庭。
そう、フレイさんのお店だ。
「こんにちは〜」
「いらっしゃい〜。待ってたわ」
ふんわりとした笑顔で出迎えてくれた彼の案に従い、お店の中へ。
いつも応対してくれる、丸いテーブル。
あ、木彫りのリスが置いてある。かわいい。
『かわいいでしょ?知人の細工師に貰ったの』
『へぇ〜!いいですね!かわいい!』
「こういう小だったり、アクセサリーだったりを専門に作っている人もいるのよ」
「ほぇ〜。現実みたいなお店もそのうち増えていくのかな」
「そうね。〇〇ブランド……みたいなじになったりして。今も既に、素材さえあれば量産系の生産もできるようになっているから」
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流石に一品ものには二段三段も落ちるけどね。
そう付け足して、フレイさんが笑う。
現実と同じように、オーダーメイドと量産品とがあるじか。
まぁ、ゲームの世界だからこそ、前線を走るなら一品ものの方が主にはなりそうだけど。
いや、現実世界でも超上流階級のお方とかはオーダーメイドが普通なのかな?
そのあたりは何も分からないや。
「フレイさんも、量産系の生産はされるんです?」
「んー。私はいいかな。一人一人にバッチリ似合うお洋服を作るのが楽しいんだもん」
「そんな気はしました!これからもよろしくお願いしますっ」
「ええ、喜んで。またなにか大きく環境が変わったり、職業やプレイスタイルが変異したらいつでも相談してちょうだい。その都度、相応しい裝を用意してみせるわ」
「楽しみにしてますっ!まぁ、流石に職業はもう変わらないと思いますけど」
「特別なジョブだもんね。もしかしたら、さらに進化が用意されていたり?」
「あー……どうなんでしょう。もし進化出來たら、それっぽくリニューアルしたいですね!」
とは言うものの、聖は特殊職。2人は存在しないってことだったし……進化するとしても、何になるの?ってお話だもんなぁ。
一応神の試練を超えて認められたとかいう設定だったはずだから……その上となると、天使とかいっそ神とか?
流石に無いなぁ。
「そうそう。本題を忘れるところだったわ」
ぽん、と手を叩いて席を立ったフレイさんが、そばのタンスから何かを取り出す。
ウィンドウからぽんと出すのももちろん良いんだけど、こういうちょっとした現実っぽいことをするのもなんだかワクワクするよね。
すっと差し出されたのは、真っ黒な上著……パーカーかな。フードも付いていて、今までと対照的に目立つ事を避けるかのような……
◆◆◆◆◆◆◆◆
アイテム:隠遁者のローブ
分類 :全鎧
能 :理攻撃-50% 魔法攻撃-50% 理防+10 魔法防-30
自が納刀狀態の時のみ、認識阻害(大)が発
カスタム:VIT+50
説明 :著名人を護ることを目的とされた、漆黒のローブ。他者からの認識を阻害し、個人を特定させない。
攻撃・防能の低下と引き換えに、納刀狀態において他者からの認識をかなりの度で阻害する。
【作者:フレイ】
◆◆◆◆◆◆◆◆
「ユキちゃん、最近大活躍でしょう?基本的には配信してるくらいだし構わないだろうけど、たまには靜かに遊びたい時もあるかなって」
「たしかに。今の格好ってだいぶ目立っちゃいますもんね。配信外でも、街を歩けば直ぐにバレちゃう」
「そうそう。それに、今回のレイドって街全を……つまり、現地人の人たちを盛大に巻き込む形で行われるでしょう? そこでユキちゃんが聖として大活躍でもしようものなら……」
「現地人の人達に対しても知名度が上がり過ぎて、きづらくなる可能がある……ってことですか?」
こくり、とフレイさんが頷く。
その気持ちは、純粋な心配なんだろう。有難いけど……そこまで気にするほどかな?
「まぁ、不要なら不要でいいのよ。備えあれば……って言うでしょう?もしかしたら必要になることもあるかもしれないし」
「たしかに。なんかやらかしちゃって神殿から逃げなきゃーってことがあれば重寶しそう!」
「いや流石にそこまでは……いや、ユキちゃんならなんでも有り得そうね」
「良くも悪くも予想の斜め上を飛び越えていくですよろしくお願いします」
コメントで言われた言葉を使ってみる。
ふふっ。とフレイさんが笑った。
「お代は勿論要らないわ。ただのお節介だから」
「えっ!駄目ですよ!創作にはコストが発生するんですからっ」
どんなものも、制作には費用がかかる。原材料費、時間も含めた人件費、それが特別なものなら技費……。
たとえ親しい間柄であっても、そういった部分をちゃんとするのは本當に大事だよね。
「うーん……それなら、素材をし融通して貰えないかしら。植系の素材とかとトレードでどう?」
それなら、ちゃんと代価を払っていることになるでしょう?
そう続けられた言葉に、私は頷くしかなかった。
「……分かりました。えっと。今手持ちにある素材は……」
結局、私からは殆ど持ち出しのないまま取引立となってしまった。
本當に、商談……お話となれば、この人には勝てる気がしない。
もちろん、私は損を被るどころか寧ろ明確に逆なんだけど。
善意で頂いたとはいえ、オーダーメイド。それに、明らかに現狀値の張りそうなものなんだけどな。
まぁ、口で勝てない以上はしょうがない。向こうが大人というか、こちらが子供というのを実することになってし難しいだけれど。
その分、謝の気持ちを忘れずに。もしフレイさんに何か困ったことが有れば、積極的に手伝ってあげられればいいよね!
「あ、一応注意事項だけど、戦闘とかにはまず使えないようになってるから。その辺はシステム上で、理不盡な暗殺みたいなのを防ぐようになってるみたい」
「はい! 奇襲とか、ヒットアンドアウェイとか。そういう遊び方をしたければ、それ用の技能を用いろってかんじですよね!」
「そうね。まぁ奇襲系もほぼエネミー専用だけどね。基本フィールドはPvPオフだし。それは、完全に街中で民衆に紛れる用」
「分かりましたっ!まぁさすがにこれが必須な事態にはならないとは思いますけど……ありがとうございます! もし隠れないといけなくなったら駆使させて頂きますね!」
「それをフラグって言うのよ。ユキちゃん……」
フラグって言ったって、街中で人目を忍ばないと行けない狀況なんていくら私でもそうそう起きることは無いだろう。
まぁ、既に聖になっていて。さらにこれからのレイド次第では、変に目立っちゃうとかあるのかもしれないけど……。
ま、その辺はなるようになるよね。起こった時に考えればいいさ。
じゃ、ワールドクエストとやら。全力で挑むぞー!
知らない方とたくさん會うことになりそうだし、楽しみだね!
中々作業に追われて更新できず申し訳ありませんが、この度5月20日に第二巻が発売されることとなりました。
挿絵もたいっっっっへん素晴らしいですし、特典SSも頑張って書かせて頂きました。1巻に負けず劣らず、いえ、それ以上に素敵な出來となっておりますので宜しければよろしくお願い致します……!!
めちゃめちゃ正直な話、こっちが続くかどうかも書籍次第という所になるので……連載の方をお楽しみにしてくださっている方も、ぜひ一冊お手に取って頂ければ私としましては大変ありがたいですっ!
コミカライズも、企畫進行中。お楽しみに!
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