《テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記》886 けて見える思

ビックリ仰天な衝撃の事実が発覚!なんと『大霊山』こと『神々の塔』は『古代魔法文明期』に造られた超巨大建造で、さらにさらに人工の迷宮ですってよ、奧様!

アタクシとしては頂上を含むどの階層にも出りできることが気になりわ。迷宮を活用できれば資源問題は一発解決できますもの。

だけど奧様、あの迷宮は『大陸統一國家』の人々でも歯が立たない、チョー危険なようですわよ。

あらやだ!調査隊の誰一人として帰還していないだなんて、怖すぎですわね。

と、脳の寸劇はこれくらいにしまして。

「本當に誰も帰ってきていないの?」

「本當だよ。『神々の塔』部の迷宮攻略が國家プロジェクトとして進められた時代もあったほどなんだけれどね、結果は散々だった。騎士団の鋭に腕自慢たちを員してその上貴重な通信系のマジックアイテムまで持たせて攻略に向かわせたけど、開始五分で全員音信不通になってそれっきりだったらしい」

騎士たちは管理していた迷宮で厳しい訓練を積み重ねていたし、腕自慢たちは小規模とはいえいくつもの迷宮を攻略していた猛者だったのだが、そんな彼らですら手も足も出なかったようだ。

Advertisement

この失敗で人的にも的にも大きな損害を出してしまい、中興の祖と呼ばれた賢君が現れるまで、長らく低迷の時代が続いたのだとか。

「魔の討伐や駆除が追い付かずに建國以來初めて死者が出してしまってね。國家史上最悪の時代とセットで苦い教訓として語られるようになったのさ」

そんな危険で因縁のある場所を『天空都市』の出り口に利用していたのだから、ある意味肝が據わっているよね。

「人工の迷宮だからなのか、魔があふれ出すといった災害は一度も発生していなかったからね。使えるものは全て使い倒してやろうと開き直っていたのかもしれない」

そんなものかもね。という訳で、頂上への移だけなら危険はないようだ。

「むしろ敵地に乗り込むんだから、『天空都市』にってからの方が問題かしら?」

ミルファのご先祖様が殘した碑文いわく、自我を失って死霊と化した住民たちが徘徊しているみたいだからねえ。しかも襲われたらしい。

「あ、それは死霊たちがやってた研究か何かを盜み見てしまったからだっけ」

「研究といっても自我のあった生前の真似事をしているだけだろうから心配はいらないよ。本當に研究が進められるようであれば、とっくに完して死霊たちの支配する世界になっているはずだから」

たとえ仮定の話でも笑えないから、そんな朗らかなお顔で言わないでください。

死霊たちが敵対判定を下すスイッチがどこにあるのか分からないのは困る。ディストピアで大量の資料と鬼ごっこだなんてどんなパニックホラーだ、という話だよ。

「リュカリュカ、死霊たちの対処法も重要ですけれど、もっと本的な問題がありますわよ」

「え?」

割ってってきたミルファの聲に振り返ると、ネイトが神妙な顔で頷いて続ける。

「乗り込むのはいいとして、わたしたちは『天空都市』で何をどうすれば良いのですか?」

「あ……」

その通りだよ!勢いで「なんとかする!」と考えていたけれど、的にどうするのかまでは頭が回っていなかった。これでは向こうで右往左往するばかりでバッドエンド行きになってしまう。

ノリや勢いと書くと考しないその場しのぎのよう思われるかもしれないけれど、それはちょっと違う。上手く噛み合えば想像しうる最高のパフォーマンスを発揮できたりと、なかなかに侮れないものががあるのだ。

ただ、意図的には発揮し難いという厄介な質も持っているため、當てにし過ぎていると思わぬしっぺ返しを食らうこともあるので要注意。

そして、計畫や準備の段階ではそうした不確定な要素は極力排除して計畫を練らなくてはいけない。當たればデカいロマン砲も、當たらなければどうということもないのだから。

「それじゃあ、ボクたちの勝利條件とかやらなくちゃいけないこととかを洗い出しておこうか。スラットさんには引き続き特別顧問としての參加をよろしくお願いします」

「とてつもなく今さらな話だね……。まあ、話し合いの方には參加させてもらうけど」

まあ、ボクも今更だとは思うよ。ただ、死霊は危険、死霊は怖いという印象が刷り込まれていたこともあって、連中を外に出さないことばかり考えていたからなあ。

今に至るまで『天空都市』に自分たちの方から乗り込むだなんて考えてもいなかったのよね。できることなら死霊と顔を合わせたくはないのは今でも同じだ。

「『神々の塔』の頂上にある『天空都市』へのり口を壊すなりして使用不可能にするのではダメなのかな?」

「それは止めた方がいい。資の搬を行っていたあの場所は生命線だということで、當時から過剰なほどの防衛網が敷かれていたんだ。自反撃裝置の大半は機能を停止しているだろうけど、中には未だに生き殘っているものもあるかもしれない」

「うわあ……、自反撃裝置まであるんだ……。あれ?そうなると部外者がり込めないように監視裝置なんかもあるんじゃないの?」

「そちらは人の管轄さ。マジックアイテムでは心の機微までは判別できないから」

意外とアナログだった!?それともこの場合は適材適所というべきなのかしら?

「『天空都市』への移そのものは問題なく行えるはずだ」

くうっ……。やっぱり死霊の巣窟への突は避けられないのかあ……。

だけどどうして『天空都市』の人たちはり口を閉ざすことはしなかったのだろうか?いくら主砲が使いにならないとはいえ、制空権を取れるのは圧倒的に有利なはずなのに。

……まさか死霊になる、というかを捨て去ることで『神々の塔』の迷宮攻略ができるようになると考えていた?

活用さえできれば迷宮は資源の寶庫となるから、長期戦や反撃の機會を見據えて確保しようとしていたのではないだろうか。

貴重なマジックアイテムを使ってまで『神々の塔』にれないように閉鎖空間の罠を仕掛けたのも、それが本當の理由だったのかもしれない。

そして口の方に手を出せない以上は部を何とかすしかない、ということになるのよねえ……。

「絶対なのは、今後おかしな野を抱いた人が現れても『天空都市』を悪用されないようにすることだよね」

「そこは最低限のクリア條件に設定してもらいたいかな」

ですよねー。そもそもボクたちの行の起點もここにあると言っていいから、異存はないです。

    人が読んでいる<テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください