《【書籍化】絶滅したはずの希種エルフが奴隷として売られていたので、娘にすることにした。【コミカライズ】》第77話 ジークリンデ、夢に見ていたやつ
「何だテメエはッ!?」
いかにも小らしい聲に振り返ると、小さなナイフを握りしめた男が必死にを人質に取っていた。ジークリンデに注目していたから狀況を把握していなかったが…………なるほど、人質がいたからジークリンデは捕まっていた訳か。流石に普通に戦ったら魔法省長補佐が街のチンピラ風に遅れをとる訳がないもんな。
「俺か? 俺は…………そうだな。悪人だ」
男は既に俺の魔法の程圏にっていたが、わざと近くまで歩いていく。しお仕置きしてやってもいいだろう。
「來ンなッ! こいつがどうなってもいいのか!?」
「ヒィッ……」
男はナイフをより一層首元に近付ける。もうナイフと首筋はぴったりとくっついていた。あとはし腕を引くだけで一つの命が失われるだろう。だが、俺は歩みを止めない。
「気を付けろよ。そいつが死んだらお前を守るものは無くなるんだぞ?」
「ああ……?」
脅しが効かないのが不可解なのか、男は困の聲をあげた。
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────今、自分がナイフを突きつけているこそが、自分の命を繋ぎ止めているのだと、まだ理解出來ていないらしい。
「そのを殺せば、その瞬間俺がお前を殺す。試してみればいい」
「くッ……」
俺は男の目の前に辿り著く。男は俺の言葉に気圧され、人質を引き摺りながら一歩後ろに後退した。
「ヴァイス、それは──」
「靜かにしてろジークリンデ」
後方からの聲を制する。
萬が一にも市民に危害が及ぶことは避けたいんだろうが、その心配はない。もし男が自棄になったとしても、ナイフがの首を掻き切るより先に俺の魔法が男を襲うからだ。
「どうした? やらないのか? 俺はそのがどうなってもいいと言ってるんだぞ?」
「ク…………クソぉおおおおおおおお!!!!!」
俺の煽りに堪忍袋の緒が切れたらしい。男はを突き飛ばすと俺に襲いかかってきた。
「ヴァイス!」
ジークリンデのび聲。心配いらないっての。
「ま、正しい選択だ」
これなら加減してやれるからな。
「なッ────!?」
的確に首筋を狙ってきたナイフを素手でけ止める。能力強化はこんなことも出來る訳だ。このまま刃を握り潰すことも可能だろう。
「これから路地裏に來る時は気を付けろよ? 最近の帝都は騒だからな」
男に死なない程度の魔法を放つ。
男は勢いよく吹っ飛び、俺の手には男が殘していったナイフが握られていた。
◆
「悪いな、遅くなっちまって」
「ああ…………あ、あれ……?」
俺が近付くと、ジークリンデは力が抜けたようにへたり込んでしまった。
……魔法省の制服から覗く細い足が小さく震えている。
「何だよ、柄にもなくビビってたのか?」
「そ、そんな訳ないだろう! 久しぶりの実戦だったからし気を張っていただけだ!」
ジークリンデは自らの言葉を証明するように立ち上がろうとするが、が言うことを効かず変な勢で座り込んでしまった。
「ぐ……」
ジークリンデは気まずそうに目を逸らす。大の大人が腰を抜かして立てないなんて、出來れば知られたくないもんな。
「見るな!」
俺がわざとらしくにやにやしていると、ジークリンデは座ったまま俺に牙を剝く。その勢で凄まれても迫力に欠けるんだよな…………。
「見られたくないなら早く立てばいいだろ?」
「…………お前、覚えてろよ…………!」
「…………」
ジークリンデの睨みをけ流しつつ頭を回転させる。
…………このままジークリンデが復活するまで待っていてもいいんだが、騒ぎを聞きつけた魔法省の役人と鉢合わせするのは避けたい。野次馬の中には俺が屋の上まで跳んだのを見ている奴だっている。俺が闇の魔法を會得していると知れたら々と面倒なことになるだろう。
となれば、一刻も早くこの場を離れるに越したことはない。人質のもとっくに逃げたしな。ここは一つ夫婦らしいやり方で逃げてみようじゃないか。
「…………ジークリンデ、ほれ。手貸してやるよ」
「あ、ああ……済まない」
ジークリンデが俺の手を摑もうと手をばす。俺はその手をさっと避けると、そのまま腕と膝の下に両手を差しれ、ジークリンデを持ち上げた。勿論リリィよりは重たいが、ゴツい制服を來てる割には軽い。
「お、おい!? ヴァイス!?」
「暴れるなって。落としてもいいのか?」
「ちょっと待て! 何が起きてる!?」
「お姫様抱っこだ。よく考えたらお前ってお姫様みたいなもんだろ?」
なんたってあのフロイド家のご令嬢だからな。
本來なら魔法省でバリバリ働く必要なんてなく、寧ろ魔法省を使って甘いを吸う側の人間だ。
「おひっ────お姫様だと!? ななな何を言っている!? おいヴァイス! 今すぐ降ろせ!」
「ヤなこった。暴れるのはいいがちゃんと首に手を回しといてくれ」
ジークリンデは暫くの間ジタバタと暴れていたが、俺に降ろす気がないと悟ると大人しく首に手を回した。顔を見られるのが恥ずかしいのか、俺のに顔を押し付けるようにしていたが────髪から覗く耳はしっかりと赤くなっていた。
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