《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第103話 旗を掲げろ②
第103話 旗を掲げろ②
「コイツ! イカれてやがる! 撃ってたらオマエ片だったぞ!」
アギオスマレーノスのびが、戦場に響き渡る。
「だめよ。わたしがいなかったら、あなた達がこの旗を降ろしちゃう。させないわ。‥‥せっかくかわいいのに」
「かわいいとか関係ねーだろう!!」
このふたりの掛け合いに、誰も笑う余裕は無い。ラポルトの艦橋は凍りついていた。
「ちょ? 逢初さん? なぜまだそこに! 避難したんじゃ!?」
「コーラ機は? 向かえる!?」
「‥‥‥‥依? 病院? ‥‥ぐッ!!」
超大型DMT、パンタソスとの闘いは終わっていない。取り巻きのDMTが牽制されているに、って思ってたけど、狀況が変わった。
「ダメだ。敵の骨格(スケルトス)が堅牢で、コッチにダメージが」
敵の大剣を何度も食らう。背中の霧(オミフリ)は砲やられて後退させた。耐えていた左手関節で異常を知らせる警報が鳴る。
「くそッ! どうすれば。依がピンチなのに‥‥‥‥!」
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焦るけど、打開策が無い。
「あ、しま‥‥」
集中力が切れた。病院の方で発音が聞こえたから。
目の前に敵の大剣が迫っていた。――回避は、もうムリだ。
ガギイイイィン!!
僕の代わりに迫る大剣を止めたのは、003、008と刻印が打たれたDMT。
コーラ機とソーラ機だった。
「え? ふたりは病院じゃ!?」
渚さんの絶が聞こえた。コーラが半笑いで返す。
「もう陣地の方が近かったんだ。そしてこれが最速だよ。な? ソーラ」
「ええ。この超大型を倒さないとどのみち陣地も病院も護れません。それには暖斗さんの力が。その上で暖斗さんが病院に向かうのが最良の配置です」
「そうだぞ暖斗くん。アンタ、マジカルカレントは神のチカラなんでしょ? 依先生に気を取られて上手くできる? ‥‥‥‥それに、アンタの『アレ』まだ見せてもらってないんだけど?」
コーラにそう煽られて、僕はハッとする。
「アタシらが前衛やるから頭冷やしな! 依先生を助ける役は、アンタでしょ!?」
目の前で2機のDMTが、その武、「長巻」を振るう。
「この武は、敵の剣をいなすのにはもってこいですから!」
僕は後進(バックステップ)して、間合いを取る。‥‥‥‥そして、呼吸をする。深く。深く。
縦桿の外側にある青い、脳波伝達インターフェイス「プロテシスパネル」に両手を置くと、伏せた目を前に向けた。
「ふっ」
DMTに電力(エネルギー)をいきわたらせる風(アネモス)を一瞬。
直ぐにエンジンを止め、エンジンの重力子回路と各所のフローターを使って空へ舞い上がる。「プロテシス・サーカス」だ。
超大型はそのサイズ故に俊敏さには欠ける。DMTの浮遊の常識を無視した速度ときで、敵を攪させていく。――臺風の日に空を舞い踴る、スーパーのレジ袋のようなきだよ。
前後左右。敵は大剣を振りまわすけど僕にはかすりもしない。さんざん翻弄したあとに、いつしか僕は敵の元に立っていた。
サリッサの切っ先をすっと押し當てての「瞬間(フラッシュ)起(ブート)」。そしてさらに。
「うおおおお!!」
サリッサ刃部の中の重力子エンジンで、「暴風(プレステル)」を発生させた。円錐狀のドリルが一瞬で音速を超えて起して、周囲の大気を刃に変えた。その真空の刃で、敵機首まわりの機材や配線をぼろぼろと吹き飛ばす。
最後のあがき。僕を潰そうと、両手を狹めて敵は攻撃をしてきた。
エンジン瞬間起で最大出力。からのエンジン停止でプロテシス浮遊。摑みかかる敵の手を逃れて自由落下しながらまたエンジン全開。重力子エンジンで発生させたエネルギーを、機に全振りして前方に跳躍した。
敵の巨大な腕(かいな)がものすごいスピードで差するのをすり抜けると、空中で再びエンジン全開! 今度は、本機エンジンでの旭雷を伴う「暴風(プレステル)」だ。――――その極大エネルギーを全に纏わせて、腰のを抜刀!
僕の「劔(つるぎ)」が、超巨大DMTのパンタソスのを、一刀両斷していた。
ものすごい音で、切られた上半が崩れ落ちて、左右取り巻きのDMTが突出してきた。敗れたパイロットがいる隔壁縦席(ヒステリコス)を回収するためだ。僕は追加攻撃の意思が無い事を示すために、劔を鞘に納めて後退する。この戦場作法は、ソーラさんが教えてくれた。
「お見事。その要領なら、病院へも一瞬で著く」
僕のカバーにりながらコーラがそう言う。そうだ。急がねば。
*****
「依!」
フローターを起し自重を軽くしたDMTで、さらにエンジンを全開! 跳ねながら上空を駆ける。3段飛びの要領で病院へ急いだ。――前にラポルトからハシリュー村へ行った方法の進化版だ。
大空へダイブすると、航空寫真みたいな街の全景に、病院とピンクの旗が小さく見えた。あそこだ。
敵が旗に迫ってからまだ數分しか経ってない。
「ここは風が強いわ。あなた達の煙幕は効かない。そして煙幕がない狀態だったら、わたしに手は出せないわ」
「強な娘だな! 病院ごとぶっ壊すぞゴラァ」
「‥‥‥‥! できないもん。畫配信されてるから」
敵と依の押し問答はまだ続いていた。
「お前あの戦艦の乗員だろ? あの戦艦のを言え! 足場ごと吹っ飛ばされたくなけりゃあなあ」
「知らないわ。民間人のわたしに教える訳がないもん」
「あのツヌの衒野郎が追いかけてたんだ。まあヤツは妹探しのついでだったそうだがな?」
「え? ゼノス君が? 妹? ‥‥‥‥って誰のこと?」
依に近づくにつれインカムの通信も明瞭になっていく。
「そうだぜ。ゼノスが妹を探してるのは有名な話だ。歐圏にも來てたくらいにな」
「‥‥‥‥待って‥‥‥‥待って。ゼノス君は、あの時‥‥‥‥」
なんだか雲行きが怪しい。
「わたしを言葉責めしながら、戦艦の事も訊いてきていたけど‥‥‥‥え? なんで? おかしい。ゼノス君はおかしい。そうよ? ゼノス君はそもそもなぜあの家に?」
病院南の駐車場に著地する。あの、依を脅している隊長機以外の2機が、挑みかかってきた。依の所に行かせない気か。
刃をえて足が止まった所で、空全が急激にオレンジになった。夕焼け? おかしい!
「やっと來たか。コレで衛星配信は潰すぜえ。本大戦2度目の、打ち上げ花火だ」
EMP攻撃。恐らくこの島限定で、高空での小型戦略核が使用された。電磁パルス攻撃だ。
電子機の基盤が破壊される。
つまり畫配信が止まり、依が今度こそ害される、ということだ。
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