《【二章開始】騎士好き聖は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】》77.シベルちゃんは國のもの※レオ視點

「騎士好き聖」4/7(金)発売予定!

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毎日部屋に籠もって魔石に聖の加護を付與しているシベルちゃんの気分転換になればいいと、彼を外にい出した。

表通りを抜けると店がたくさん出ていて、その中でフルーツキャンディを見たシベルちゃんが目を輝かせた。

確かにこれは可らしい見た目をした甘い食べだから、シベルちゃんは好きだろう。

我が國にもあるものだが、シベルちゃんは初めて見たらしい。

〝可くて甘くて味しい〟と喜んでいるシベルちゃんを見て、〝君のほうが可くて甘いよ〟などという言葉が浮かんだが、それは呑み込んでおいた。

思えば俺が立太子してシベルちゃんが真の聖として認められてから、なにかとばたばたしていて、ゆっくりデートもできていない。

この國ではシベルちゃんが聖であることを知っている者はいないし、俺が隣國の王子であることも知られていない。

こうして平民の格好をしていれば、俺たちは普通の人同士に見えるはずだ。

せっかくの婚前旅行なのだから、しくらい二人きりでデートを楽しみたい。

途中、リックの知り合いのにシベルちゃんが絡まれてしまったが、ひどい言い方をされたというのに、相変わらずシベルちゃんは怒ることなく、笑って流していた。

昨日はリックが〝もっと怒れよ〟と言っていたが、その気持ちもわかる。

しかし、それがシベルちゃんのいいところなのだ。

が相手にしているものはもっと大きなものだから、あ(・)ん(・)な(・)小(・)さ(・)な(・)嫉(・)妬(・)にはいちいち構わないのだろうな。

……それにしても、リックがシベルちゃんをおしげに見つめていたとは……。

それはあながち、間違ってはいないのだろう。

リックがシベルちゃんに特別なを抱いているのは、なんとなくわかる。

それは聖であるシベルちゃんへの強い忠誠心でもあるのだろうが……それだけではないような気がしてならない。

リックは俺にも忠義を誓ってくれている。だから間違ったことはしないと信じているが……あのような話を聞くとし妬ける。

だからつい、帰るのが遅くなってしまうというのに、シベルちゃんを引き止めてしまった。

帰ればリックがいるからな。

「見てください、レオさん。綺麗なお花が咲いています」

「本當だ」

表通りからし外れた道を進むと、小さな公園があった。

人もなかったのでその公園にりベンチで休もうと思ったら、公園に咲いていた花を見てシベルちゃんが笑顔を咲かせた。

「可いですね! これはなんのお花でしょう」

「なんだろう。し摘んでいこうか?」

「いいえ。摘んでしまってはかわいそうなので、ここでしっかり見ていきます!」

「そうか、シベルちゃんは優しいなぁ」

シベルちゃんは本當に、聖だ。花の命まで重んじるとはな。

そんなシベルちゃんはトーリにいた頃から騎士のみんなに好かれていたし、あのリックがシベルちゃんにだけ特別な表を見せるというのも、頷ける。

だが、だからこそ、時々無にシベルちゃんを獨り占めしたくなってしまう。

は國のためにあるべきで、たとえ俺の婚約者で俺と結婚したとしても、シベルちゃんは俺のものではなく、國のものだ。

王太子妃(俺の妻)である前に、國の大切な聖なのだ。

王太子として、それは理解しているつもりだ。

「……シベルちゃん」

「! レ、レオさん……?」

だが今は、やはり人同士の婚前旅行として、彼との時間を楽しみたい。

だから花を見てはしゃいでいるシベルちゃんを後ろから強く抱きしめると、途端に彼くなる。

「好きだよ」

「……わ、私も……! 好きです、レオさん」

「嬉しい」

「……レオさん?」

俺が今なにを考えているかなんて、きっとシベルちゃんはわからないんだろうな……。

だが男としてとても小さいこの嫉妬心は、彼に伝わらなくていい。

そう思いつつそっとシベルちゃんの顔を覗き込み、振り返ってくれた彼に自分のを重ねた。

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます!

★お知らせ★

「騎士好き聖」小説第1巻

2023年04月07日(金)発売予定です!!

カバーイラストが公開されました!

シベルとレオのお顔が見られますよ〜〜!\(^o^)/

更に【數量限定サイン本】のご予約も始まりました(*´ω`*)

詳しくは活報告をご覧くださいませ(*´˘`*)

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