《【書籍化】絶滅したはずの希種エルフが奴隷として売られていたので、娘にすることにした。【コミカライズ】》第80話 問題児、集まる
「はい!」
リリィの元気な聲が教室にこだました。
エスメラルダが朝一番に放った「既に魔力を放出できる子はいるかい?」という質問に対しての返答だった。やる気満々のリリィは返事をするだけでは足りず、手を上げ、椅子から立ち上がってもいた。リリィは同級生よりし背が低いので、また椅子に座る時に苦労するのだが、リリィはその事を椅子に上る度に忘れていた。
────々な意味で『問題児』ばかりを集めたこのナスターシャ魔法學校1年1組においても、リリィ・フレンベルグは一際『問題児』だった。それは父親が高度魔法の『明化』を使用してまで非公式授業參観をしてくる過保護親だから…………ではなく、母親が帝都でも隨一の権力を誇るフロイド家の令嬢であり、さらに魔法省の高だから…………でもなく、リリィが絶滅したはずの希種『ハイエルフ』の生き殘りだからだ。々非合法な手段で擔任の座にり込んだ帝都きっての才媛エスメラルダ・イーゼンバーンですら、ハイエルフの存在などこの前だと信じていなかったのだ。まさに伝説の存在と言っていいだろう。
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「せんせー! りりー、まほーだせるよ! むずむず……────」
「今は出さなくても大丈夫さね」
「はーい! んしょ……っと」
リリィは今は自分が魔法を披する時ではないと理解すると、椅子に向き直り、えっちらおっちらと膝を掛け、くるりと用に回って著席した。背の低いリリィにとってこの世の大半の椅子は背が高く、その為編み出された技であったが、ヴァイスは初めてこの作を見た際、我が子のあまりの天才さにしたらしい。
そんなリリィを、じっとりと観察する存在が一人。
「じー…………」
リリィの隣の席から靜かな熱視線を送るのは、帝都を代表する名家フローレンシア家の一人娘レイン・フローレンシア。
何かあった時に誰も責任を取れないと1組に送り込まれた彼だが、本人は至って普通の児。しばかり自己中心的で目立ちたがり屋なきらいはあるものの、それを補って余りある聡明さを備えてもいた。その聡明さ故、1年生にして既に母親からの歪んだ期待を理解している程である。
(リリィ……一なにものなのかしら……?)
レインの目には、リリィはし子供っぽいだけの普通のエルフの子にしか映らない。水の髪という強烈な特徴こそあるものの、だからどうという訳でもなかった。珍しいの髪とキラキラ輝く綺麗な杖、そして何故か一人だけ被っている帽子が故に教室で目立っていることはし面白くなかったが。
(ママはどうしてリリィにまけちゃダメなんて言ったのかしら)
それを突き止めるには余りにも報が不足していた。レインは現時點で母親の意図を理解する事を諦め、代わりに右手を真っすぐ上げた。レインも既に魔力を放出することが出來たのだ。
「先生、私も出來ます」
「おお、今年の1年生は優秀だねえ」
「ありがとうございます、先生」
優秀、という言葉にレインは目を細める。母親からは滅多に言って貰えないその言葉がレインは大好きだった。権謀數渦巻くフローレンシア家において、優秀であることが最も強固に自らを確立させるのだとレインは知っていたから。母親に言われるまでもなく、レインはリリィに……いや誰にも負ける気などさらさらないのである。
(ふふん、やっぱり私はユウシュウなんだわ)
教室を見渡せば、手を挙げている人は極僅か。その事実が更にレインを気持ちよくさせる。これでこそ家の図書館で魔法書を読み漁った甲斐があるというものだった。お様で近頃は寢不足の日々が続いたものの、レインにとってそれは必要経費。優秀である為ならあらゆる努力を惜しまないその質は、奇しくも母親が『魔法書の蟲』と揶揄していたジークリンデにそっくりでもあった。
「さてさて、それじゃぱぱっとやっちゃおうかねえ。『まだ』の人は先生についておいで」
そう言って教室から出ていくエスメラルダに大半の生徒が付いていった為、教室は靜寂に包まれる。
「まって~りりーもいくー!」
リリィは話を聞いていなかったのか、一足遅れて慌てて教室から出ていこうとし────
「ちょっと、あなたは大丈夫でしょ!」
「!?」
────レインはつい聲を掛けてしまう。
「今は魔力を出せない人が魔力を出せるようにするじかんよ」
「あ、りりーまほーだせる!」
「でしょ? だからあなたは教室でまってればいいのよ」
「わかった……ありがと! えっと…………」
「レインよ」
「れいん! わたしはりりーです!」
『わたしはりりーです!』…………それは自己紹介用にヴァイスが仕込んだ臺詞だった。何度も練習したのですらすらと言うことが出來た。
「しってるわ。ほら、しずかにまってましょ?」
「はーい!」
リリィは自分の席まで戻ると、よじよじと椅子に上る。それを見てレインは「どうしてママはリリィに負けるななんて……」と答えの出ない疑問をぶり返すのだった。
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