《T.T.S.》File.5 Worthless Road Movie Chapter2-4

~2176年12月25日AM10:47

アメリカ某所~

何度口にしても、北アメリカの加工は塩味が濃くて苦手だ。それを押し流そうと口に運ぶ薄い牛も、妙にに絡みつく。

「うっわ、もしかしなくても私、セレクトミスってない?」

思わず渋面する絵を、足を引っ張るばかりの自負がある源がフォローした。

「食えりゃ何でもいぃんだ、気にすんな。それより、T.T.S.連中の向は?」

顔を顰めて食材を嚥下して、絵は答える。

「やっぱりというか、予定通りというべきか、それぞれで捜査するみたい」

プライベート回線を用いて暗號混じりの雑談をアグネスと楽しむ彼は、チーズを齧りながらホログラムを源に見せた。

古い刑事ドラマさながらにスクラップされた手掛かりの數々がフヨフヨと浮かぶ仮想空間で、アグネスが小さく手を振っている。彼が三方向を指し示すと、赤、緑、黃の蛍のコイン型のアイコンがそれぞれ別々の手掛かりにれ、絡まり合っていた。

《こんなじで、く、予定》

源の顔を覗き込むように小首を傾げるアグネスを無視して、源はフンッと鼻を鳴らしてホログラムから目を背ける。

「無視するこたねえだろ」

傍で見ていたエリカが咎めるように口を挾むが、そっと絵に手で制された。

「とにもかくにも、黒幕友達の洗い出しはそっちに任せる。よろしくねアギー」

《うん。絵も、頑張ってね》

「ありがとう、アギー」

プツリと通信を切った絵は、ミルクをグビリとあおって口を拭いながら宣言した。

「それじゃあ、私たちも探しましょうか、紫姫音ちゃんの居場所」

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