《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》賭け、そして変化
「大分聲が出る様になりましたね」
呑気な會話を続けながら、優男はまたしてもゲートが展開され足場がなくなったにも関わらずその場から飛び退こうとする。
そこを逃すまいと上から迫ってきている水を急速落下させる。
とりあえず落とすことを重要だ。海の沖にゲートを繋いでいるので、落とせればしばらくは戻って來れない。
「モリア、よく抑えつけました。さようなら」
バルバ・ティンが振り下ろされる。
その軌道上にはサナと彼のきを抑えているモリアがいる。
仲間諸共かよ ︎
優男の攻撃は斬れ味が尋常ではない。氷の壁をいくら分厚くしても防ぎ切れない。
だからゲートで優男かバルバ・ティン自をどこかへ移させるくらいしか対処出來ない。
しかしその肝心のゲートは優男の足元。今から座標を変更してから開き直さないといけないので、そんなことをしている間に剣は振われる。
サナはモリアに邪魔されていて逃げ出せそうにないし、氷でサナを退かそうにも間に合わない。
どうするどうするどうする......!
追い詰められた狀況で正解の対応が思いつかず、戸う。
何か都合の良い能力。『魔眼』も『麻痺』も『ウォーミル』もこの場合役に立たない。
もっと適當な能力があれば......そういえば『水流作』と一緒に変な能力を手にれたな。
確か『促進の魔眼』と『退化の魔眼』だったか?
あとなんとかの目? 眼? があったはず。
能力が『視ているものを促進、退化させる』だったような。
あんまり憶えていないが、今はこの能力に賭ける!
頼む神様。この狀況を打破出來る能力であってくれ!
心の中で神に祈りながら『天眼』を解いて『退化の魔眼』を使う。
「見て」と書かれていたはずだから、優男にのみ向けるためだ。
とりあえず魔力はなめに流す。『魔眼』の時みたいに強く能力が発される可能が高いからだ。
そしてバルバ・ティンの様子に何か変化が起こるでもなく、剣は振り下ろされた。
「「「「 ︎」」」」
しかし何も起こらなかった。
そう何も・・起こらなかった・・・・・・・のだ。
今までの様に軌道上の人や、地面がスッパリと切り開かれることはなかった。
それに先ほどまで鳴り響いていた空気を切り裂くような音も止んでいる。
その様子に全員が戸っている。
「何を、一何をしたのですかっ⁈」
彼がこちらを睨んで問うてくるが、そんなことは俺が聞きたい。
いや、能力を使ったのは俺なんですけど。こっちだって賭けで使った新しい能力だから、全く分からな──
「 ︎」
戸っているとの奧にズキンと痛みが走ったかと思えば、周りに映る景が変化する。辺り一帯が大きくなり始める。
な、なんだ! 急に周りが大きくなり始めたぞ⁈
辺りを見回せば優男もサナもモリアも、家々に至るまで。それら全てが高い。
......違う。周りが大きくなったんじゃなくて、俺がんだんだ!
地面との距離が近くなっており、さらにはピッタリだった服がかなりブカブカになっている。
上は襟の部分が肩で止まっているから良かったが、下は完全にげている。
誰かの能力か? しかし俺にその手の能力が効くはずない。
一どうやって......
「アズマ。どうしたの、その姿......」
俺のこの変化にバルバ・ティンに向けられていた驚きの表が全て俺に向いている。
そしてそんな俺にサナが戸いを隠せないまま質問してくる。
どうしたと言われてもそれはこっちも聞きたい。
急にがんだ。これしか分かることはない。
「何かは解りませんが、とりあえず好機(チャンス)を狙わない訳にはいきません!」
困し混している俺の様子見て、離れていた優男が一気に間合いを詰めてきた。
バルバ・ティンのことで一時的に冷靜さがなくなっていたのに、こっちの様子を見て取り戻したらしい。
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?
【書籍発売中&コミカライズ決定!】 「新山湊人くん……! わ、私を……っ、あなたのお嫁さんにしてくれませんか……?」 學園一の美少女・花江りこに逆プロポーズされ、わけのわからないうちに始まった俺の新婚生活。 可愛すぎる嫁は、毎日うれしそうに俺の後をトテトテとついて回り、片時も傍を離れたがらない。 掃除洗濯料理に裁縫、家事全般プロかってぐらい完璧で、嫁スキルもカンストしている。 そのうえ極端な盡くし好き。 「湊人くんが一生遊んで暮らせるように、投資で一財産築いてみたよ。好きに使ってね……!」 こんなふうに行き過ぎたご奉仕も日常茶飯事だ。 しかも俺が一言「すごいな」と褒めるだけで、見えない尻尾をはちきれんばかりに振るのが可愛くてしょうがない。 そう、俺の前でのりこは、飼い主のことが大好きすぎる小型犬のようなのだ。 だけど、うぬぼれてはいけない。 これは契約結婚――。 りこは俺に戀しているわけじゃない。 ――そのはずなのに、「なんでそんな盡くしてくれるんだ」と尋ねたら、彼女はむうっと頬を膨らませて「湊人くん、ニブすぎだよ……」と言ってきた。 え……俺たちがしたのって契約結婚でいいんだよな……? これは交際ゼロ日婚からはじまる、ひたすら幸せなだけの両片思いラブストーリー。 ※現実世界戀愛ジャンルでの日間・週間・月間ランキング1位ありがとうございます!
8 74【書籍化】萬能スキルの劣等聖女 〜器用すぎるので貧乏にはなりませんでした
※第3回集英社WEB小説大賞にて、銀賞を獲得しました。書籍化します。 剣も魔法も一流だけど飛び抜けて優秀な面がない聖女ソアラは、「器用貧乏」だと罵られ、「才能なしの劣等聖女」だと勇者のパーティーを追い出される。 その後、ソアラはフリーの冒険者業に転身し、パーティーの助っ人として大活躍。 そう、ソアラは厳しい修行の結果、複數スキルを同時に使うという技術《アンサンブル》を人間で唯一マスターしており、その強さは超有能スキル持ちを遙かに凌駕していたのだ。 一方、勇者のパーティーはソアラを失って何度も壊滅寸前に追い込まれていく。 ※アルファポリス様にも投稿しています
8 105異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンに入りたい! えっ、18歳未満は禁止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育成しようか
異世界から帰ってきた楢崎聡史と桜の雙子は、胸躍る冒険の日々を忘れられなくて、日本に発生したダンジョンに入場しようとする。だが〔18歳未満入場禁止〕という法律の前に、二人の希望は潰えてしまった。そこに救いの手を差し伸べたのは、魔法學院の學院長。二人の能力に気が付いて、即戦力としてダンジョンの攻略をさせようと、學院への編入を勧める。ダンジョンに入る権利を手に入れようと試験を受ける二人…… だが彼らの想像以上に、日本の魔法はレベルが低かった。異世界帰りの高いレベルと數多くのスキル、そして多種多様な魔法を生かして、學院生活を送りながらダンジョンを攻略する雙子の活躍に、次第に注目が集まっていく。 肩の力を抜いて読める內容です。感想等お寄せいただけると、とても嬉しいです!
8 193疑似転生記
技術進歩著しい世界ではVRゲームを活用した學習が行われるようになった。そんな世界で父親が開発した全く売れなかった異世界転生を可能にしたゲームをプレイしてみることになった少女の物語。
8 112異世界戦線の隊長はちびっ子隊長⁈
今作の主人公の青年は、産まれながら20歳で生きる事は不可能だと言われていた。 青年は幼少の頃から、いつ死ぬのか怯えて生きてきた。悔いは無いように生きていた。 だが、毎日生きている実感が持てなかった。それでも何か生きた証を殘そうと必死で生きていた。 そして、20歳になると青年は息を引き取った。 もちらん青年にはやりたい事が沢山あった、だから死後も満足に成仏すら出來なかった。そんな時だった、何処からともなく聲が聞こえてきた。「もう一度生きる機會を與える」と、そして青年の眼が覚めると、青年は赤ん坊になっており、その世界は自分の知っている世界とは全く異なる世界だった…
8 149