《【二章開始】騎士好き聖は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】》79.なんて素敵なご褒でしょう
「騎士好き聖」4/7(金)発売予定!
予約開始&カバーイラスト公開しました。詳しくは活報告へ!
「……シベルちゃん」
ずっと靜かに見守ってくれていたレオさんが、まだ加護の付與を終えていないのに初めて聲を出した。
思わずこぼれてしまったように、私の名前を呟いた。
それはなぜかって、なんとなく自分でもわかった。
どう見えているかまではさすがにわからないけれど、レオさんのことを考えていたら、の奧から熱いものが湧き上がってきて、とても大きな力が溢れ出たから。
「……はぁ――」
「シベルちゃん、大丈夫か?」
思ったよりも早く、加護の付與が終わった。目を開けて息を吐くと、目の前の魔石が青白いを放っていた。
これ以上力を送っていたら、石のほうがその力の大きさに耐えられずに壊れていただろうとじる。
「大丈夫です、ありがとうございます」
目を開けたのと同時にしよろめいてしまった私のをレオさんに支えられて、彼を見上げる。
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とても心配そうだけど、驚いているようにも見えるレオさんに微笑んで、私は素直に彼の腕に摑まらせてもらった。
「るぞ」
すると、ノックとともにヴァグナー様の焦ったような聲が耳に響いた。
「大丈夫か!?」
「……? はい、ちょうど今、最後の一つが終わったところです」
「……これはすごいな」
ヴァグナー様とともに、リックさんやミルコさんたちも部屋にってくる。
「これ以上の力は、石のほうが耐えきれなかっただろう。しかし、これほどの力を付與して、君のは平気なのか?」
「はい……どうやら大丈夫みたいです」
ヴァグナー様は魔石と私を互に見て、最後に私に心配そうな視線を向けた。
厳しいことを言う方だけど、お優しい方でもあるようだ。そういうところは、なんとなくリックさんに似ている気がする。
「うむ……さすがは聖様。これがあれば我が國の王都は安泰だろう。ありがとう、まさか本當にすべての魔石に加護を付與してしまうとは思わなかった」
「え?」
すべての魔石に加護を付與しろと言われたはずだけど……。
私ができないと思っていたのかしら? それじゃあ、魔法の鏡は……。
「安心しろ。こちらも鏡は用意した。け取ってくれ」
「まぁ!」
ヴァグナー様がそう言うと、一緒に來ていたリックさんが綺麗な小箱を機の上に置いた。後ろからミルコさん、ヨティさん、エルガさんもってくる。
そしてリックさんが蓋を開けると、中には深い青に縁取られた手鏡が二つと、緑に縁取られた手鏡が二つっていた。
「……えーっと?」
一つはメラニー様。もう一つはマルクス様。
……あとの二つは?
疑問を抱きながらヴァグナー様に視線を向けると、ふっと優しげに笑って口を開いた。
「まさかすべてに加護が付與されるとは思っていなかったが、君が頑張っていたのは知っていた。だから、勝手に二対用意させてもらったよ。ほんの気持ちだ」
「まぁ! 二対も作ってくださったのですか!」
「ああ」
「二対ともいただいて、本當によろしいのですか?」
「そのために作ったんだ。け取ってくれ」
「ありがとうございます!」
レオさんと目を合わせて頷き合って、私たちは素直に二対の魔法の鏡をけ取ることにした。
「それから。せっかく來たのだから、しでもこの國を観してくるといい」
続いたヴァグナー様の言葉に、今からどこかに行けるだろうかと一瞬考えたけど、リックさんがヴァグナー様の言葉に頷いた。
「どこがいいか悩んだんですけど、あまり目立ってもいけないし、あそこにしました。とりあえず皆、手を繋いでください」
「?」
いまひとつ狀況を理解できていない私はレオさんと目を合わせて首を傾げたけれど、ミルコさんたちはもう理解しているのか、言われた通り手を繋ぎ始めた。
そんなミルコさんたちに促されるように私も右手をレオさんと、左手をリックさんに握られると、「では師匠、いってきます」というリックさんの言葉を聞いた。
その瞬間、ぱっと視界が真っ白になり、思わず目を閉じてしまう。
「……っ」
「もう著きましたよ。目を開けて」
「……?」
リックさんの手が私から離れて、私は右手でレオさんの手を強く握ったままそっと目を開けた。
「まぁ……!」
そんな私の目の前に広がったのは、とても綺麗なブルーの、大きな――
「海……?」
「そう。この國は海が綺麗だからな」
「すごい……っすごいです……!! とても綺麗!! それに、一瞬でこんな場所に移してしまうなんて……!」
「そうだろ? 師匠が転移魔法の魔石をくれたんだ。帰りの分もあるから、安心していい」
「ありがとうございます、リックさん!」
ヴァグナー様にも、帰ったらよーくお禮を言わなければ。
しかもリックさんの話によると、ここはヴァグナー様が所有しているプライベートビーチらしい。だから、他に人がいない。
ヴァグナー様はきっとすごい方なのだろうなとは思っていたけれど、本當にとてもすごい方なのでしょうね。すごいわ、とにかくすごい!!
「誰も來ないから、好きに遊べますよ。殿下もね」
「……ああ、そうだな。では、し遊ぶか!」
「やった! そう言ってくれると思って、ちゃんと殿下の分もこれ(・・)、借りてきましたよ!」
「ん?」
ヨティさんがそう言ってレオさんに差し出したのは、短い丈の穿き。下穿きのようにも見えるけど、それよりはしっかりとした生地。
「海水用の穿きっすよ! これに著替えて、遊びましょう!」
「なるほどな……。準備がいいなぁ」
苦笑いしながらもそれをけ取るレオさんたちを見つめていると、ヨティさんがそんな私に構わず服をぎ始めた。
「!!?」
「あ……、さすがにシベルちゃんの分はないけど……いいっすか?」
私の視線に気づいて、上半のヨティさんが申し訳なさそうに言った。
ヨティさんは細く見えるのに、やっぱりとても綺麗な軀(筋)をしている……!
「いえ!! 私は皆さんが遊んでいるところを見ているだけで、とても楽しいので!!」
「……そう言うと思った」
慌てて手を前に出して振りながらそう言った私の後ろで、リックさんが小さく笑いながら呟いた聲が聞こえる。
それにしてもみんなで水遊びができるとは……
なんて素敵なご褒なのかしら。
「シベル……」
「あっ、はい……! すみません……!!」
そしていつまでもヨティさんや、これから服をぐはずのレオさんたちを見つめていたら、エルガさんに腕を引かれた。
下を穿き替えるのだから、さすがにこのまま見ていていいはずがないわよね。
書籍の発売が近いのでシベルちゃんご褒回が始まるの巻!
いつもお読みいただきまして、ありがとうございます!
★お知らせ★
「騎士好き聖」小説第1巻
2023年04月07日(金)発売予定です!!
【書泉様限定アクリルコースター&イラストペーパー特典(SS付き)】
【honto様 數量限定サイン本】
のご予約も始まりました(*´ω`*)
詳しくは活報告をご覧くださいませ(*´˘`*)
シベルとレオのお顔が見られますよ〜〜!\(^o^)/
聖女が來るから君を愛することはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖女が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】
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