《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》297.の開示~イシス・イミセリノス・アーク~
297.の開示~イシス・イミセリノス・アーク~
「ふへへ、死んだ。死んだ。生きてる可能を信じるなんて馬鹿のすることなんだ。ふへへ」
「ちょっとアリアケさん、さすがに『頭を鷲摑みby神竜』はやりすぎですよ!」
「うーん、今から思えばそうだな。だが、なんとなパウリナならOKのような気がしてな。なぁ、コレット」
「うむ! 不思議なのじゃ。儂は忽者であることは否定せんが、あんな仕打ちをするタイプではないのじゃが……」
救出にはまんまと功したものの、思ったよりも暴な救出劇になったことが自分たちでも不思議だった。そんなわけで、アリアケ帝國の會議室ではちょっとした反省會が繰り広げられていたのだった。
會議室には関係者一同が勢ぞろいしている。
「これは新しいタイプのかもしれませんね。今のうちに排除しましょう。大丈夫です、権力を使いますから」
「この娘、母親(リズレット)に似て來たのう」
「はわわ⁉ 知らぬ間に⁉ 私はおっとり天然だったはず⁉ いつからこんなことに⁉」
Advertisement
「勇者パーティーで一皮むけたんだろうさ」
俺はそう言ってフッと微笑む。
「経緯は知らんが、むしろやさぐれたのでは?」
「よくぞ言ってくれました、デュースさん! ツッコミ不在の恐怖をじていたので、頼もしい見方が増えて聖さん激です!」
「そ、そうですか、マダム(あなたも相當なものですとは言えない……)」
「それより、これからどうするのですか、我がパートナー、アリアケ皇帝。ついでにミルノー王よ。今後の方針について決定する必要があると進言します」
デュースは呆れた聲を出し、エリスが話題を変えた。
「そもそもどうして、あのレメゲトンはパウリナさんをさらったりしたのでしょう?」
「確かにそうですね。なかなか居場所を突き止められませんでしたから、相當注意を払って居場所を匿していたようでした。何か特別な意味があるとしか思えませんよ、先生!」
「じゃな。旦那様の≪念話≫スキルで聞いたところによれば、あのレメゲトンはパウリナのことをなんかめっちゃ長い名前で呼んでおったのじゃ。じゃが、忘れた! すまんな!」
「お、覚えてます! 覚えてます! 極刑にならないように重要そうな単語を必死で思い出してたんです‼」
「その設定いつまで引きずってるんだ……。まぁいい。俺も覚えてはいるが、説明してくれ」
「はい! 極刑されないなら、何でも話しますとも‼」
「俺ってそんなに極悪非道な人格に見えるか?」
何だか自信がなくなってきたぞ?
「ったりめーだボケ! てめえは人の気持ちを理解できてゴミカス野郎だ! いっぺん死んで來いオラァ‼」
「おっと、不出來な弟子の反抗期か。ふふ、ヨチヨチ歩きだったビビアも人間だったわけだ。人とは長するものだ」
「あんた、そういうところよ……」
「一度筋で思い知らせてやりたいものだ……」
「何億回でも私の炎で泣かせてやりてえ……」
勇者パーティーたちが何か言っているようだが、今はパウリナの言葉を聞くのが先だ。賢者は優先順位を間違えたりはしない。
「で、どうなんだ、パウリナ」
「へ、へい、皇帝陛下。レメゲトンは私のことをイシス・イミセリ(神の)ノス・アーク(方舟)の鍵(アクセス・キー)と言いました! あと、私の事を『神より役割を與えられた一族の末裔』とか言ってました! 同等の存在だとも。って、え⁉ クラゲが末裔で同等! ええ⁉ どういうことなんでしょうか⁉ レメゲトンはクラゲと同等の存在なんですか⁉ 混してきました! とりま芋をふかして食べていいですか‼」
「まぁ、自分の言葉でいきなりテンパり始めるのはよせ。窓から五投地で飛び出した時も度肝を抜かれているのでほどほどにな」
「へ、へへへ、了解です」
「うおおおい! こいつのこの卑屈な態度どうにかなんねーのかよ! ぶん毆りたくなるんだが⁉」
「そうだよ! そんなに卑屈になって、々考えてたら頭が痛くなるでしょ! リラックスして何も考えないのが一番だよ! 私みたいにね!」
「ミルノー! てめえは王なんだからちっとは考えねえか⁉」
「いやぁ、魔大陸に來て良かったじゃん。ツッコミに回る勇者とか珍しすぎてくっそ笑える!」
「話は進まんがな。筋も退屈しているぞ?」
「はぁ。じゃあ、とりあえず、ダーリンのことは置いていて。方舟って言うと船よねえ。イシスって言ったら、あの星神ね。で、その星神イシスが鍵の役割を與えている一族の末裔ってわけね。うん、意味不明」
デリアが総括してくれたので、発言を引き継ぐことにする。
「そういうことだな。舟ということなのだから、乗員がいるはずだ。それは誰か、というのがまず第一の疑問。そして、舟は海を渡る乗りだ。どこからどこへ、誰を運ぶ? 仮に舟を起させる鍵がパウリナだとして、ではその舟はどこにあるのか。そしてレメゲトンが同等と言ったのならば、もしかすると、奴も舟の鍵なのかもしれん。だとすればなぜ、2つ鍵があるのか、だな」
「素晴らしい推理力だとは思いますが、結局分からないことが多すぎますねえ」
ブリギッテが首をかしげるが、俺は微笑みながら首を橫に振る。
「そうでもないさ。もう一つ忘れていることがある。ラッカライ、ブリギッテ、そしてエリスにパウリナ。お前たちは俺とその経験をしている」
その言葉に、三人は聲を揃って言った。
「「「時空転移」」」
そう。
「あの時。神イシスは魔大陸出のエリスとパウリナだけは認識できなかった。そして、更に言えば、魔大陸の存在を神イシスはずっと隠し続けていた。霧のカーテンと呼ぶ存在がそれだ。魔力が一定以上の存在は通れない。それはまるで、魔大陸を『標本』として保管しようとしていたからのように見える」
「なるほど、標本ですか、アー君。だとすれば、舟の目的も何となく見えてきます」
アリシアはさすがに勘が鋭い。
「はぁ~⁉ なにわけわかんねえこと言ってんだ! どうでもいいからレメゲトンをぶっ飛ばしてエンデンス大陸に帰ってチヤホヤされようぜ‼」
ビビアは相変わらず馬鹿だが、そこが味だなと思う。
「あるいは」
彼のことは無視して話を続けた。
「神イシスは魔大陸の存在を知らないのかもしれないな」
「そんなわけねーだろうが! 自分の星のことを知らない訳ねー‼」
「この雑魚勇者どもうるさいのだ! もう一度魔王対勇者パーティーをしてきたくなったのだ!」
「ひ、ひいいいいいいいいい⁉ す、すいましぇん‼」
ふむ、と俺はそんな彼らの様子を橫目にしながら頷く。
勇者ビビアの指摘はまったく正しかった。
そして、だからこそ誤りだな、と俺はその時直的にじたのである。
【小説・コミック報】
コミック第3巻、ノベル第6巻が発売中!
小説・コミック共々大人気です。支えてくれた皆さん本當にありがとうございますm(_ _"m)
【無料試し読み】できます。ぜひぜひ、ご一読くださいませ(*^-^*)
(小説)https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/series/detail/yuusyaparty/
(コミック)https://www.ganganonline.com/title/1252
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【1st anniversary記念PV】
SQEXノベル1周年記念に、PVを作頂きました。
https://youtu.be/iNAobmIPNhk
CV:井上 喜久子さん・保志 総一朗さん
公開中!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「アリアケたちは一この後どうなるのっ……⁉」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直にじた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本當にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
沒落令嬢、貧乏騎士のメイドになります
アニエス・レーヴェルジュは美しく、気位の高い伯爵令嬢である。 社交界の麗しの薔薇と呼ばれた彼女は、高嶺の花であった。 一方で、騎士である貧乏貴族のベルナールは、夜會の晩に生まれや育ちを嘲笑うような蔑んだ目でアニエスに見られたことを根に持っていた。 ――最悪の出會いから五年後、アニエスの家は突然沒落する。父親の不祥事が原因だった。 周囲の人々は冷ややかで、何もかも失ったアニエスに手を差し伸べたのは、ベルナールだけだった。 彼は使用人として働くならば、衣食住を保証すると言った。 提案を受け入れるアニエスを見ながら、ベルナールは一人、ほくそ笑む。 「――ざまあみろ、お嬢様、うちでこき使ってやる!!」 しかしながら、一緒に暮らし始めて、アニエスの本當の姿が判明する。彼女はベルナールが思っていたような娘ではなかったのだ。 仕返しのつもりで家に招いたのに、予想の斜め上の展開となる。そんな元令嬢と不器用な騎士の、ほのぼの戀愛物語 表紙畫像:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
8 188俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
8 105太平洋戦爭
昭和20年、広島に落とされた原子爆弾で生き延びたヨシ子。東京大空襲で家族と親友を失った夏江。互いの悲しく辛い過去を語り合い、2人で助け合いながら戦後の厳しい社會を生き抜くことを決心。しかし…2人が出會って3年後、ヨシ子が病気になっしまう。ヨシ子と夏江の平和を願った悲しいストーリー
8 96クラス転移はts付きで
教室にいきなり浮かび上がった、魔方陣、それを認識すると僕は意識を失っていた。 僕が目覚めるとそこには美少女と爺が抱き合いながら「勇者様を召喚できた!」と喜んでいるのが目にはいった。そして僕は思った。――なんだこの混沌とした狀態は!?―― この話は異世界にクラス転移(全員ts付き)で魔王を倒すために連れられてきた勇者達の物語。 基本コメディ(グロいのが入らないとは言っていない)で軽い文章です。暇なときにはオススメ?
8 129黒竜女王の婚活
女として育てられた美貌の王子アンジュは、諸國を脅かす強大國の主《黒竜王》を暗殺するため、女だと偽ったまま輿入れする。しかし初夜に寢所へと現れたのは、同い年の美しい少女。黒竜王もまた性別を偽っていたのだ! 二つの噓が重なって結局本當の夫婦となった二人は、やがて惹かれ合い、苛烈な運命に共に立ち向かう――。逆転夫婦による絢爛熱愛ファンタジー戦記、開幕!
8 119勇者なんて怖くない!!~暗殺者が勇者になった場合~
ラグナール帝國暗部のトップにして、國の実力者である『五本剣』の一人に數えられる主人公、ディーネ・クリストフ。 彼は隣國のフリアエ王國において勇者召喚が行われた為、その內情を探るよう王から命令される。 當然、その力と身分は隠して。 勇者達の関係に巻き込まれる事になった彼は、果たしてどのような道を歩むのか。
8 143