《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》二人、そして下半

......って違う、違う。剣を扱えるかどうかは確かに重要だけど、今はそっちを気にしている場合ではない。

「よくもバルバ・ティンを氷漬けにしてくれましたね」

氷漬けにされたバルバ・ティンをこちらに見せつける様にして前に構える彼の言葉は今までと変わらない。

言葉に怒気が含まれているようには聞こえなかった。

何かまだあるのか、それともあのくらいの氷漬けは問題ないと考えているからなのか。

どっちでも良いか。今は撤退だ。

さっきの攻防中にモリアは力盡きたらしく、槍を持ったまま倒れている。

それに気づいたサナが槍から彼を振り払おうとしたが、気を失っているいるにも関わらず離さない。

仕方がないので二人をゲートで家に送る。

今のモリアなら害はないだろうから送っても問題ないだろう。

起きたあとにバルバ・ティンについて訊きたい。というかしゃべらないだろうから訊き出したい。

知っているかも怪しいし、捕まえておいた所で暴れて皆を気づけられるかもしれない。

それでも萬が一、あの時優男が言った「バルバ・ティンで切られた傷は癒えない」が事実だった場合仲間のこいつなら知っているかもしれない。

最悪の場合フェーネさんを連れてくる時にいたあの人。名前は忘れたが、ニーナに能力を使っていた人だ。

あの人に頼んで吐かせよう。

そういう訳で彼らの足元に家に座標を合わせてゲートを開く。

「そっちの方が危険がなくて良いじゃないか」

優男から距離を取る。ゲートを開くのに俺と奴は距離が近過ぎる。

歩幅は小さくなっているが、逃げ切るしかない。

「そんな恰好で恥ずかしくないのですか? それとも恥心も子供になりましたか?」

逃げようとする俺に優男が煽る。

そりゃあ恥ずかしいよ! だって今、下半何も穿いてない狀態で、しかもすぐお前に攻められたから何かで隠す暇もなかったからな!

以外はそのままだから、恥ずかしくて死にそうな気分だ。

加えて『天眼』で自分の様子も観えているが、その……時々……見えていた。

しかしそんなことを戦闘中に気にしていられるはずもない。ましてや優男の実力は相當なもの。

そんな相手に下半を気しながら戦い続けるのは危険だ。

だからなるべく地に足著けて戦いたかった。

「恥ずかしいに、決まってんだろ!」

水儒核に一気に魔力を流し、大量の水を出す。

もう手に持っている水儒核は使い過ぎて使えない。新しいのを手にれるにはズボンを手元に持ってこないといけない。

だからこの水で今は足止めをしなくてはならない。

水を二つに分けて、両側から挾み込む。おまけで使い切った水儒核の欠片を正面から投げる。

正面と両側から攻めるが、正直こんなのでどうにかなったりはしない。

それでも數秒時間を稼ぐくらいなら出來る。

まずはズボンを……っ

「その狀態でも撃てるのかよ!」

優男が再びバルバ・ティンの能力を使おうとする。

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