《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》306.四魔將をアーク維持管理要員と共闘して打倒する(後編)
306.四魔將をアーク維持管理要員と共闘して打倒する(後編)
「ご主人様は私たちにどのような行をお求めですか? あ、自ですね‼」
「なんでそうなる。『命大事に』がアリアケ帝國の國是でな」
俺は苦笑してから思い出すようにして語る。
「レメゲトンの基地を襲撃した際に、パウリナの窮地を助けた帯狀のがあった。あれは何だろうと思っていたのだが、君たちに會って確信した。あれも君らスタッフの仕事の一環なのだろう?」
「さすがご主人様です。すべてお見通しですね。あれは私たちが形態変化できる姿の一つです。その基地は恐らく魔大陸にいくつかある支所だったのでしょう。ですので、私たちの素たちが基地の設計に組み込まれていたのだと思います」
「そういうことだろうな。あんなことが出來るのは君たち以外は考えられない。ではサイス、君たちもその力を使用することは出來るか?」
「もちろん可能です。ご主人様。かの形態《ギルテル》となり、敵の切斷、拘束、なんでもしてご覧にいれましょう! アがってきました!」
「そ、そうか」
俺は攻撃が効かないことを確認したスライムたちを見上げながら、フッと余裕の笑みを浮かべながら指示を出した。
「先ほどの一連の攻防で戦力分析は終わっている。ジェネラル・ヴェノム・スライムは生命に対する致死の毒を発散し、攻撃を無効化する【災害】。メア・ミノタウロスは一撃で街の一角を一層する破壊力を持つ【狂戦士《バーサーカー》】。この両者にタッグを組まれれば、近づくこともできず相手の毒と暴力に躙されるだろう」
「では、勇者パーティー様たちに自させるしかありませんね」
「さっき自説は否定したのだが……」
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ローレライの言葉に苦笑しながら続きを話す。遠くで勇者が抗議しているが、吹き飛ばされて倒れたままなのでスルーすることにする。
「そうじゃないさ。レメゲトンは本當に戦略が下手だということだ。もし、ここでこの二のモンスターを解き放たなければ、きっとサイスは一方的に俺たちの味方ではなかった。アークを守るのが至上命題であり、レメゲトンとパウリナは同等のはずだからな。だが、この魔大陸のコアを破壊しようとしている【災害】と【バーサーカー】を野放図にさせておくことは出來るはずがない」
「はい、プログラムが許しません」
「なら、倒し方も隨分楽になる。もちろん、俺たちが力を盡くせば消滅させることは出來る。だが、それは戦的な勝利。もし、戦略的な勝利を得られるならばそれを選択するべきなのさ」
「さすが主様であるなぁ。興味深いぞえ。で、どうするのかのう?」
フェンリルの言葉に俺は頷く。
「サイス、俺たちが二のきを出來るだけ攪し、足止めする。隙をついて奴らをギルテル(帯)で『拘束』してくれ」
「了解しました。その後はどうされますか?」
俺は指示を出そうとするが、その前に敵が先にいた。
「ふ、それは拘束してからでいいだろう。まずは隙を作る。魔王リスキスに≪星剣裝備≫≪攻撃力アップ≫≪スピードアップ≫。ミルノーに≪魔力増幅≫≪氷魔法強化≫。セラに≪風魔法強化≫。アリシア、コレット、ブリギッテには≪攻撃力アップ≫≪クリティカル威力アップ≫を付與。サイスたちオートマタ全員に≪防力アップ≫。あとは≪回數付き回避≫≪狀態異常無効≫を≪全化≫」
「おお、星剣、あてぃしが使っても良いのか⁉ 勇者の剣を使うのって何だか背徳的なのだ!」
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「か、返しやがれ⁉ 俺のアイデンティティーがぁ⁉」
「ほらほら、ダーリン、いてはだめですわ。今は回復優先ですわ」
「それにもう地に墮ちた信頼を回復するのに、剣の一本や二本あんま変わんねーって! ゲラゲラゲラ」
「剣になど頼っているうちは三流。やはり俺ので勝負することが大事だ」
「離せええええええええ! よりにもよって魔王に剣を奪われたらまた後で何か悪評が立つだろうがあああ!」
そんな絶をよそに、スキルを付與したメンバーは阿吽の呼吸でく。
「わ、私は何もしなくてもいいんですか? ま、まぁ何も出來ないんですが……」
と、その時パウリナが言った。今は俺の背中を守るラッカライと、回復に集中しているローレライのみがいる狀態だ。
俺はパウリナに優しく微笑みかけて首を橫に振る。
「そんなことはない。実はパウリナがここにいるのは、君が勇気を出したからだろう? 言葉には出していないかもしれないが、俺には分かっている」
「え?」
意外そうな表をするので、俺は口に出して言ってやる。
「本當なら君は基地から助け出された後に、安全な場所に殘る選択肢も當然あった。流されただけで、こんなところに付いて來る訳がない。もし君が來るのを嫌がるなら、俺は君を連れてくるつもりはなかった。なぜなら、ただの無力なの子だしな。でも君は來た。それは、自分がここで果たす使命があると思ったからなんだろう?」
「そ、そんな大したものじゃないです。でも、いないとご迷をかけるかもしれないかもって思って。斷る勇気もなかっただけっていうか……」
「それでいいのさ」
「え?」
「普通に暮らしていたの子が、こんな環境にいきなり放り込まれて敢然としてたら俺がびっくりだ。おっかなびっくり。おどおど、びくびく。それでいいじゃないか。だが言葉や態度はどうあれ、俺は君の行を見ている。その答えは一つだ。君は逃げなかったし、ついて來ないという判斷をしなかった。しは流されただけだとしても、今も逃げずにここにいる。それで十分なのさ」
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「ア、アリアケ皇帝様……」
俺は安心させるように頷いてやる。
「ありがとうございます! 結婚するならアリアケ皇帝がいいです!」
「いっきなり何言ってるんですか、この小娘? おっと、失禮しました。こほこほこほん、パウリナさん。あなたは11番目くらいなので、そのあたりちゃんと弁えて下さいね」
「そうです、そうです‼ ちなみに、ボクなんて先生とキスしたこともありますからね! キャッ、恥ずかしい、私としたことが嫉妬で口がすべってしまいました~……」
「ひいいい! すいません、すいません。調子にのってすいません!」
何だかしいが、まぁ、途中から冗談を言い合っているようなので問題ないだろう。
それに戦局は既にき出していた。
「く・ら・う・の・だあああああああああ‼ 魔王終局星剣舞《クリムゾン・ワルツ》なのだー!」
「あれは俺のだ! 俺の必殺技! 究極的終局舞(ロンドミア・ワルツ)なんだー! うわああああああああ‼」
ビビアの絶が遠くから聞こえてくるが、
「いやぁ、あれは別ですねー」
苦笑しながらラッカライが斷言していた。俺もそう思う。
勇者の究極的終局舞(ロンドミア・ワルツ)は目にも止まらぬ速さで相手に攻撃を加える最強スキルであるが、魔王のそれは一撃一撃がもはや地殻変を起こすレベルのものであった。
それがメア・ミノタウロスに炸裂する!
「グオオオオオオオオオオオオオン‼」
だが、敵もさるもの。両手で斧を構えると思い切り大地へと振り下ろす‼
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
発‼
堅牢な街に場違いな巨大クレーターと突風が吹き荒れる。
通常ならば、それだけで即死級の攻撃だ。しかし。
「いちいち攻撃がでかいのじゃ。儂を見習うべきじゃぞ‼ はああああああああああああああ……」
例え地獄の炎であろうとも耐えるであろうコレットは、その発の中を気にせずに突撃し、敵の隙だらけの足元へと到達していた。メア・ミノタウロスの筋骨隆々とした、世界樹よりも太い足首に手をかけつつも、その顔は嬉しそうな笑顔だ。
そして。
「喰らうのじゃああああああああああ! あ・し・ば・ら・いいいいいいいいいいいいいいいいいい‼」
「ぐも⁉」
メア・ミノタウロスとしても意外な一撃であったのだろう。
まさか、このような究極的な戦場で、そんな小技をかけられるとは思ってもみなかったらしい。
だが、それが彼の狙い。神の系譜につらなる彼の戦闘における直力は、未來予知に近しい。
グラリと、その巨軀がよろめく。
無論、踏みとどまろうとして、片手をつこうとするが、
「フォロー、行きます! ラグナログ・パージ(原初の次元斷)」
「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ⁉」
手を付こうとした場所の次元がバックリと割れ、片腕がそこに吸い込まれるようになる。
「よし、ミルノー王! 必殺嫌がらせだ!」
「私だけかっこ悪くないかな⁉ もうちょっと検討をお願いします⁉」
彼は抗議しながらも、魔法を詠唱する。
「氷剣の結晶雨(アイス・ブレード)‼」
俺の≪魔力増幅≫≪氷魔法強化≫を付與された彼の魔法は通常の數百倍となっている。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼」
ビキビキビキビキビキ!
氷剣の結晶雨《アイス・ブレード》が命中した箇所が凍結し、メア・ミノタウロスのきを僅かであるが遅らせる。だが、今はこの一瞬の隙こそが重要だ。
だが、敵はやはり四魔將。ただではやられないとばかりに、無理な勢から、その巨な斧を近くにいた仲間たちに向かって勢いよく叩きつけた。
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
その衝撃はまたしても街の一區畫を吹き飛ばすのに等しい、規格外の力であった。
攻撃は隙を生む。
ならば、メア・ミノタウロスのきを封じ込めつつある仲間たちの安否こそが気になるのが道理であるだろう。
しかし。
「これは凄いな。さすがアリアケ皇帝だ」
ギチギチギチ……!
「グオオオオオオ……‼」
「ふっ、迷な暴れ牛だな。だが、アリアケ皇帝の加護をけた私の【D・ブレード】は無敵だと知れ!」
ガギイイイイイイイイイイン‼
「ブ、ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼」
攻撃を一人で防いだのはデュースであった。
メア・ミノタウロスは不意をつかれたことで、今度こそ本當に転倒し、背中から転倒したのである。
「先ほどサイス達全員のオートマタ種族に≪防力アップ≫を付與したからな。無論、最外殻仕様であろうとも、デュースもその中に含まれる。あえて、注意から外れるようにサイスの名前を出したわけだ」
転倒。これは十分な隙だ。すなわち、
「第一段階の計畫は予定通り。そして、次の勝負も一瞬の攻防となるだろう」
今の戦いも時間にすれば1秒程度のものなのだから。
俺は視線をジェネラル・ヴェノム・スライムの方へと移す。
そこには敵へと凄まじいスピードで薄するエリス、ブリギッテ、アリシア、そしてフェンリルとセラ、バシュータがいる。
「はああああああああああああああああああ!」
「行きますよ、行きますよ、行きますよー!」
先手はブリギッテとアリシアが取る。
ブリギッテは豬突猛進と言って差し支えない宗教の始祖だけあって戦意が高い。
あと、アリシアはブリギッテと組むと、結構その影響をけるのか、大聖とは想えない武闘派になる。
彼らはサイス達の作ったギルテル《帯》を足場に上空50メートルまで一気に上昇する。
「アリシアさん、合技、よろしくです!」
「かしこまりました! コレットちゃんを見ていて思いついた結界魔法≪ドラゴンスケイル(神竜の)・バレル(弾丸)≫!」
それは砲と言って良い結界魔法のアレンジだ。
超質なドラゴンの鱗の如き結界を生・圧し、その圧で結界が崩壊した衝撃で対象を弾丸のように打ち出す亜種結界魔法!
そもそも、その衝撃に耐えられる人間がこの地上に何人いるか分からないが、そのの一人がブリギッテ・ラタテクト。ブリギッテ教の始祖であることは間違いない。
「この拳に纏った地獄《アビス》の熱に焼かれてくださあああああああああああああい‼」
本ではないだろうが、300年間近にあり続けた地獄の炎を再現した力を纏い、弾丸となったブリギッテが超高速で【災害】たるスライムへと突撃する。
ボゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼
ひしゃげる。
潰れるかのようにスライムが橫へとびる。
それでも衝撃は逃しきれずに、更に更に、ブリギッテの拳は。彼と言う弾丸はスライムを貫通するのではないかというほどギチギチと音を立てて食い込む。
だが。
『再……生……』
どこから聲を発しのか不明だが、耳障りな倍音がスライムから響いた。
その瞬間、貫かれようとしていたが瞬時に球に戻ろうとし、ブリギッテを押し返し始めた。
「なるほど、これはいざ貫くとなれば、骨が折れそうですねっ、と!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
剎那、スライムのは元の球へ瞬時に復元される。
が、同時にブリギッテは今まで込めていた力を一気に緩めて離する。
『オオオオオオ⁉』
それによって、まるで凄まじい力で叩きつけられたボールが跳ね返るように、空中にスライムが浮き上がる。
「セラ様、出番ですぜ」
「準備萬端ですよ。それにしてもバシュータ様のアイテムはいつもどこに隠しているんですか?」
「アリアケの旦那直伝ですな」
「あら。それはファンクラブ會長として、し嫉けちゃいますね」
彼は頬を膨らませた後、バシュータの投擲したを風魔法によって、用に空中のスライムの周囲をグルグルと巡らせる。
「さすがセラだな。あれだけの度の高い風魔法を使えるのはエンデンス大陸でも彼だけだろう」
威力という面では他のメンバーに一段落ちるかもしれないが、彼の風魔法における用さというのは、実は他が追隨できないレベルなのだ。そして、それが今回、奴を倒す契機を作り出す!
「あの、先生。バシュータさんが投擲したのって、もしかして……」
「ああ、そうだな」
俺はし笑って言った。
「俺たちの人形(デコイ)だ」
バシュータはアイテムボックスを持ってないはずなのだが、どうやっているのだろう。彼は仲間になってから、最も実力がびた一人であることは間違いない。
とはいえ、その人形は実よりもかなり小さいし、造形もそれほど似ているわけではない。
だが、20メートルを超える巨軀を持つモンスターが、そんな大小を把握できるわけがない。
そして、造形の詳細は、今まさにセラが高速で人形(デコイ)を回転させているために、判別は不可能だ。
ならばスライムが次にする行は決まっている。
『ゴオオオオオオオオオオオオオオン‼』
當たり。いや、捕食だ!
人形(デコイ)を追撃しにきた俺たちだと思い、カウンターを喰らわせたつもりになる。
だが、それが人形(デコイ)であると気づいたときにはもう遅い。
これは剎那の攻防なのだから。
奴が捕食したのが人形(デコイ)だと気づいた瞬間には、既に準備は終わっていた。
「腕がなるのう、エリス。こうして主様の元で戦うのはが踴るであろうて?」
「否定はしません。それよりもう撃てるのですか?」
「無論よ。そなたを待っておるのよ」
「私もいけます。ここはパートナーにいいところを見せるチャンスですので。第1種兵裝兵……」
「そなたのその正直なところはとても良いと思うぞえ? 」
「【E・テネリタ】発」「雷神の怒り(ドンナー・ゴッツ)‼」
エリスの背中には翼が形され、両腕を上げるとその間にマナを収束させて行く。バリバリという裂ぱくが響き渡り、魔力が放電する。銀のエナメル質のを持つ無機質なオートマタが、水の髪をたなびかせる姿は最初見た時と同じくしい。そのは淡々と魔力放出を宣告する。
片や十聖の獣フェンリルは、青白い沢をまとう獣の姿にて巨大な口腔を開き、バチバチと帯電するかのような、高度の魔力が凝集、発した。
『カッ‼』
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
本來ならば瞬時に融解するほどの熱量がジェネラル・ヴェノム・スライムへ直撃する!
だが、その熱線を浴びても、奴にとっては致命傷ではなかった。
その巨軀を宙に浮かべたまま徐々に押されてはいるものの、ダメージ自は無効化されているのだ。
「は、はわわわ。ア、アリアケ皇帝。まさかとは思いますが、こ、こここここれって、これって……!」
「落ち著け、落ち著け」
眼前の余りにスケールの違う戦いに腰を抜かしかけているパウリナを宥めつつ、俺は彼の質問に端的に答えたのである。
「まさかも何もないさ。無論、すべて」
俺は聖杖を掲げながら言った。
「計算通りだ」
俺がそう言った瞬間、スライムに対する攻撃が急遽止む、そしてジェネラル・ヴェノム・スライムが自由落下を始めるが、その真下にいるのはメア・ミノタウロスだ。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
その衝撃は相當なものだろう。
ただ、
『ブモ、ブモモモモモ』
『ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲ』
両者は健在であった。そして、ここまでやって碌なダメージを與えられなかったこちらを嘲笑うような聲がれていることが分かる。
しかし、
「馬鹿だな、四魔將」
俺も同時に嗤う。その聲はなぜか良く響き、二の化けにも屆いたようだ。
『グオオオオオオオオオオオオ‼』
それは魔力を伴った怒気として、突風を起こす。
だが、俺は淡々と宣告する。なぜならそれが強者のできる唯一の憐れみだからだ。
「言ったろう、強さに恵まれただけの愚者たちよ。魔大陸で最強程度で俺に勝てるわけがない。むしろ、お前たちのような強さを活かせぬ者たちに、過ぎた力がもたらされたことが哀れだ」
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼』
更なる怒りの聲が彼らから上がり、起き上がろうとする。
だが、
「真実を聞き怒りをたぎらせるほど見苦しいものはない。それに、既に戦いは終わっている。馬鹿と言った理由はな、敗北者は負けてからあがこうとするからだ。だからお前たちは俺には勝てる道理はない、永遠にな。サイス」
「かしこまりました。アリアケ皇帝。これよりオートマタ500によるギルテル形態による……」
彼もまた、二の巨大モンスターの狀況を見定めながら言った。
「永久封印を行います」
あらかじめ指示を與えておいた彼の行は迅速であった。
重なり合った二の巨軀を數百本の白い帯のようなものがグルグルと包み込んでいく。
『ブモオオオオオオオ!』
『ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲ‼』
最初は余裕もあったのだろう。いくつかのギルテル(帯)は破壊され、引きちぎられる。
だが、多破壊されてもそれらは継続してき続けた。
エリス達と同様、可変である彼らは多の攻撃をけたところで致命傷にならない。
それどころか、自在もあるため、中に収められた対象がいくらもがこうとも、手ごたえがないのだ。
『ブモ、ブモモモモモ⁉』
『ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲ⁉』
いかに強靭であろうとも。あらゆる攻撃を無効化しようとも。
この魔大陸の管理スタッフたちはそれ以上にであり、何より數は無數に近いほどいる。
今、ここにいる數百ですら、先ほど聞いたところほんの一部らしい。
ついにギルテル(帯)の一部を引きはがすことが不可能になると、二のモンスターへ、次々とギルテル(帯)が重なり包み込んでいく。
「先ほどのご主人様らへの攻撃力などは既に計測済みです。千のギルテル(帯)で包み込めば、永久に部から破壊することは不可能でしょう」
「そうか」
「そして、これは推測ですが。ジェネラル・ヴェノム・スライムは堂空間にいるメア・ミノタウロスをそのうち捕食するでしょう。と、同時にスライムには毒素とその巨軀を活かした攻撃以外に脅威となるものはありません。オートマタにはどちらも無効化可能なものです。無害化まで數百か數千年か分かりませんが、オートマタにとっては大した年月ではありません。意識を切り離して活することも可能ですのでご心配も不要です」
「ああ、そうじゃなければ違う作戦を考えて勝つようにしていたさ」
「そ、そうですか。い、今のはあがりました」
「?」
よく分からないので首を傾げるのと同時に、
『ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ⁉』
『ゲゲゲ⁉ ゲゲゲ⁉ ゲゲゲ⁉ ゲゲゲ⁉ ゲゲゲ⁉ ゲゲゲ⁉』
四魔將二の斷末魔が聞こえて來たのだった。
白い球と化した四魔將は、これから數百年以上に及ぶ半永久の封印により倒されることになる。
「とにかくありがとう、サイス。それにみんな。君たちのおかげで四魔將を倒すことが出來た」
俺がそう言って微笑むと、サイスは頷いてから、戻って來たエリスとデュースの方を向いて言った。
「えっと、すみません、ちょっと同期不可能な領域が出來てしまいました」
「そうですか? ですが、私は平気ですから、あらゆる報は同期すべきだと思います」
「えっと、私は、まぁ、分かる。だから全部同期しなくてもいいんじゃねえかな」
淡々としたエリスと、し顔を赤らめがちなデュースとサイスが対照的であった。
理由はよく分からないが。
ともかくこうして、最後の四魔將たちを、サイスたちアーク維持管理要員たちの力を借り打倒したのであった。
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CV:井上 喜久子さん・保志 総一朗さん
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【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「アリアケたちは一この後どうなるのっ……⁉」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直にじた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本當にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
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◆マガポケにて、コミカライズが始まりました! ◆Kラノベブックスにて書籍版発売中! 妹のため、冒険者としてお金を稼がなくてはいけない少年――アンリ。 しかし、〈回避〉というハズレスキルしか持っていないのと貧弱すぎるステータスのせいで、冒険者たちに無能と罵られていた。 それでもパーティーに入れてもらうが、ついにはクビを宣告されてしまう。 そんなアンリは絶望の中、ソロでダンジョンに潛る。 そして偶然にも気がついてしまう。 特定の條件下で〈回避〉を使うと、壁をすり抜けることに。 ダンジョンの壁をすり抜ければ、ボスモンスターを倒さずとも報酬を手に入れられる。 しかも、一度しか手に入らないはずの初回クリア報酬を無限に回収できる――! 壁抜けを利用して、アンリは急速に成長することに! 一方、アンリを無能と虐めてきた連中は巡り巡って最悪の事態に陥る。 ◆日間総合ランキング1位 ◆週間総合ランキング1位 ◆書籍化&コミカライズ化決定しました! ありがとうございます!
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