《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》310.星を裂く者、そして星を導く大神
310.星を裂く者、そして星を導く大神
「くくくくく! 今やこの星出用星間橫斷仕様型浮遊艇。すなわちアークこそが、この俺魔大帝レメゲトンそのものだ。そのにいる貴様らに勝ち目はない‼」
「ほう、そうなのか?」
「その余裕がどこまで持つかな? この方舟は宇宙でもし再び邪神と遭遇した際でも戦える力を備えている! このようにな‼」
瞬間、アーク市街區畫全域を覆うほどの大きさのレメゲトンの顔が現れる。
「それがアークとしてのお前の仮初のと言うわけか」
「その通りだ。喰らえ」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼
レメゲトンの口や目が赤く輝くのと同時に、高出力の魔力がほとばしる。
「街ごとやるつもりか! ここはお前の守るべき魔大陸の住民が暮らす予定の場所だぞ‼」
「くだらん! 銀河大帝となるこの俺にとって、街の一つや二つどうでも良いことだ! ましてや魔大陸の住民など俺にひれ伏す存在でしかない」
彼はそうぶのと同時に、臨界した魔力を放出する。
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「思考する間もなく滅ぶが良い! 我は星を裂く者(ギャラクシー)、そして星の導く大神(レイヴァージ)!」
「5重防壁展開! ≪無敵付與≫≪全化≫!」
「ラグナログ・パージ(原初の次元斷)!」
「大結界『赤《アビス》』」
「対滅大結界! 絶対神層《ディスペル・アルテミシア》!!」
「地獄の氷盾《イージス・ニヴルヘイム》‼」
星の代理人、聖槍の使い手ラッカライ、現人神ブリギッテ、大聖アリシア、魔王リスキスが防スキルや魔法を瞬時に展開する。
カッ‼
白いが周囲を照らしだし、余りの衝撃に音すらも死に絶える、絶対の熱量がアークの表層を焼き盡くす。
時間にして數秒。
だが、その數秒は恐ろしいほど長い。
そして、そのが収まった先にあった景は、がれきと化したかつてのしい街と、煙があらゆるところで立ち上り、炎が大地を舐める地獄の景であった。
「ふ、耐えたか? だが、それがいつまでもつかな?」
レメゲトンの頭部は嗤いながら真上から、正面へと移してくる。その巨大な顔は彫像のようであり、表はぎこちなくくために、不気味この上ない。
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「油斷したな、レメゲトン、おらああああああああああああ‼」
「ほう?」
隠れてこっそりと後ろに回り込んだ勇者ビビアが不意打ちを喰らわせる。
その攻撃は確かにレメゲトンの後頭部を何度も切り裂いた。
だが、
「愚かな。銀河大帝レメゲトンの力をまだ理解出來ないのか。卑小な人間め」
瞬時にレメゲトンの目に魔力が凝集する。
「ビビア!」
「分かってる! うっせーんだよ! アリアケぇええ!」
ビビアは罵倒の聲を上げながら反応する。
「避けるなっつーんだろうが! このクソボケが! 死ね!」
「な、に?」
意外だったのだろう、レメゲトンが訝し気な聲音を上げる。だが、既に臨界に達した熱線を止めることは出來ない。
「ふ、余計なお世話だったな。エルガー」
「だから分かっていると言っているだろうが、アリアケ! 勇者を守るのはこの筋の見せどころなのだ!」
フラストレーションを発散するかのように、エルガーは自慢の筋を見せつけるようにして、ビビアの前に立ちはだかり、盾を構える。
「≪防力アップ≫≪鉄壁≫≪護國の盾(イージス)≫付與」
カッ‼
先ほどよりもビビアを狙った一撃は熱量が凝集しており、もはや人智を超えた威力を誇る。
だが、
「アチー! くそが! くそが! くそがぁああ! このヘボタンクがぁ! てめえなんてクビだ! 全部完璧に防ぎやがれえ!」
「黙れ、俺に守られておいてよくそんなことが言えたものだ! この屑勇者が! 今やDランク冒険者の癖に‼」
「おのれ。なぜだ。どうして我が魔力がこんな男一人に阻まれる道理がある‼」
レメゲトンが理解不能とばかりに絶するが、その答えは余りにも簡単だ。
「そんなことも分からないようでは、銀河を支配することなんて出來ませんよ~、レメゲトンさん?」
「なんだと。またしても人間風が……」
アリシアの聲にレメゲトンが聲を上げる。
だが、
「ほら、それが間違いなんですよ、レメゲトンさん。あなたは魔大陸に引きこもっていたから世界が小さいんです。勇者パーティーはアリアケさんの手下となって、これまで偽神ニクス・タルタロス、そして本の邪神ナイアさんとも戦い、勝利してきた猛者なんですよ~?」
「手下じゃねえええええ!」
「つまり、何が言いたい?」
アリシアはビビアの聲は無視しつつ、宣言するように言った。
「彼らもレベルアップしているんですよ! それが私たち人間の最大の固有スキルなんですから! 神にしても、神もどきにしても、そんな規格外の存在を二も相手に戦闘しておいてしも強くならないわけがないんです。神レベルはともかく!」
「毒舌ですね」
「ローレライさんに言われるのは心外ですね~」
その通りだ。神の他にも悪魔とも戦い、師であり神の代理人である俺とも何度も戦っている。
その過程は決して無駄ではないのだ。
それは俺が彼らから巣立つ際、彼らが長すると確信したからこそ、勇者パーティーをあえて追放されたのだから。
「デリア! プララ!」
「ちょっと、馴れ馴れしく名前を呼ばないで頂戴!」
「はぁー、邪魔くせえ‼」
デリアとプララも死角から攻撃を開始する!
「デリアへ≪クリティカル威力アップ≫付與。プララへ≪魔神の脈(魔力量大アップ)≫付與」
「銀河大帝だがしんないけど、あんた油斷しすぎなのよ! 死にさらしなさい! ハネムーンは宇宙でなくて、海の見えるビーチの予定なんだから! ≪祝福された拳≫極拳! ≪火流星の渦(メテオ・シュトローム)≫!!!』
「あたしはどうでもいいけど、ネイルも男もいねえこんな舟は無価値なんだよね。さっさと沈めよ、世界崩壊(アザエル・)狂熱地獄(インフェルノ)‼」
「ぐおおおおおおおおおおお⁉」
デリアの攻撃一撃一撃は、世界で唯一の防無視攻撃であり、炸裂するごとにレメゲトンの顔面を削り取るごとき削巖マシンと化す。
同時に、その抉れた箇所を狙いすましたかのように、デリアの魔法が突き刺さった。
「いたそー! ゲラゲラゲラ! 雑魚がいきがるからだよ、バカが、死ね‼」
「ですわ。おととい來やがれですわ。おーっほっほっほっほ」
「お前らはもうし口を慎むことはできんのか……、ふぅ」
高威力の攻撃にさらされたレメゲトンの攻撃が止み、人心地ついたエルガーが苦言を呈す。
「馬鹿が! 俺の出番がねえじゃねえか!」
「いいじゃないのー。エルガーの後ろで、ウプププ。隠れて震えてたってプププ。歴史書に殘してもらえばアーハッハッハッハ!」
「んぎい! そうは行かねえ! とどめを刺すのは俺だぁ‼」
「よせ、ビビア! 大將首を狙いたい気持ちは戦士としては分かるが、まだそいつはっ……!」
「うっせえ! 勇者ビビア伝説はここから始まるんだ。せめてCランク冒険者に上がるんだ‼」
そう言って、眼からを失い、気絶して大地に佇立したかのようになっているアーク・レメゲトンへ近づく。
「首を取る……つっても、首がねえじゃねえか。くそが! 雑魚のくせに手間ばかりかけさせてやが……」
「それは貴様のことか?」
「え?」
「危ないですわ‼」
ドン!
気を失っていたというより、単に行原理の修正を行っていたのだろう、アーク・レメゲトンは再起するやいなや、口腔より黒い閃をビビアに向かって放つ!
直撃は死を免れない。
しかし、デリアがビビアを突き飛ばした。それによってビビアは線から外れる。
だが、
「デリアー‼」
その線上には代わりにデリアがいる。
既にスキルは切れている。
「まずは一匹」
そんな言葉をレメゲトンの目は語っていた。
「大結界っ……!」
「いや」
「アー君?」
俺はアリシアを止める。
なぜなら。
バキイイイイイイイイイイイイイイイ‼
「ぐおおおお⁉」
どこからか強力な一撃がレメゲトンを毆打した。
その反によって線が大きく外れ、焔におおわれる市街地を切り裂くように橫斷した。その橫斷した場所からは次々に大発が巻き起こる。
「今度は、何だっ……!」
不機嫌をあらわにしてレメゲトン・アークが言う。
だが一方で、
「呼ばれたからパーティーに來てみただけである! 誰かと思えばやはりアリアケにションベン太郎ではないか。わっはっはっは! 相変わらず千年後も盛大な祭りを開催するのに余念がないな、そなたらは‼」
その聲は気に満ちていた。
「は?」
「え?」
「ま、まさか……」
「え、マジ?」
ビビアにデリア。エルガーやプララの唖然とした聲が響く。
やれやれ。
「助けに來てくれたのか、冥王」
「こらこら、舊い名で呼ぶでない。まるでそれでは我が邪神のようではないか」
彼はかつての赤い髪、赤い瞳、深紅の鎌……ではなく。
しい銀髪、アイスブルーの瞳、そして白銀の鎌を持つ姿を現しながら言った。また、姿こそだが、その大きさはレメゲトン・アークに負けない巨人である。
「我は月の神。イルミナと呼ぶが良いぞ、大賢者アリアケ!」
邪神から星イシスの守護星となった神イルミナは、そう言って快活な笑顔を浮かべたのであった。
「可能はあると思っていたが、助かる。宜しく頼む」
「うむ! ま、とはいえ、あんまり魔力を貯蔵できておらぬのでな。千年前のようなことは出來ぬのでそこは容赦するがよい!」
ナイア。いや、イルミナが堂々とそう言う。
だが、何はともあれこれで。
「役者は揃ったな」
星イシスの最強戦力、そして協力してくれる別の星の神。
これが今、星をあげて結集できる最大の戦力を結集した狀態なのだから。
【小説・コミック報】
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