《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月20日:真実は白日の下に

〆切が……〆切が……GPが……〆切が……(悪夢にうなされながら)

お待たせして本當申し訳ないです

シャングリラ・フロンティアにおいてスキルや魔法は無限に覚えられるものではない。というかMMOでそんなプレイヤー個々人が無制限になんでもかんでも出來たらサーバーかプレイヤー側のVRシステムか……どっちかは確実にパンクするだろう。いやそもそもプレイヤーが持てあますか。

「あんたが純理プレイヤーなのは見れば分かった……あとはスキル構、これだけが議論されていた」

「議論されていた……?」

どこでだよ、それはもうほとんど曬し上げじゃないのか…………あーでもパブリック配信で戦闘公開したのは俺でしたね、舞臺に上がって曬されてるのは自分の意思、と。ははは誰かタイムマシン開発してくれないかな明日くらいに。

「何戦か見てたし、配信も見たが……」

その記憶は忘れてくれ。

「足回りの機力にはスキルをフル回転ってじだったが、武回りの強化は全然してなかった。使うにしても重ね掛けの數も回數もない……これはあんたのスキルが機力に特化していることを意味する!」

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「どうかな、男子三日なんとやらだぜ?」

「いや今はメイドだろ……」

ごもっともで。とはいえ口先だけで何を言っても奴の”仮説”を崩すことは出來ないだろう。

肯定は論外、否定しようにもそれこそ口先(・・)だ。つまるところ曖昧な返事をするしかない。最適解は百足式8-0.5でスキルを使う事なんだが………困ったことに、ハルバード系統のスキルは覚えていないし、汎用系のスキルは「大技」しかないのだ。

「まぁいいさ、で? それが分かってどうする?」

「後進へのアドバイス兼、自分がやる行の確定ィ!」

やってくれるぜ本當!

盛大にネタバラシしてヒントを周囲に撒き散らし、そして初手同様地面を切り裂くことで砂礫をこちらへと撒き散らしてくる。

だがそこそこの距離があったし一度やられているのだから流石に分かる。そして上等じゃねーか、ちょっと無茶してやるから覚悟しやがれ。

「よっしゃあ!」

「なっ」

初手の時は當たるのはまずいと回避を選んだが、そういえば今の俺は防を裝備しているじゃないか!

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所詮は牽制用の砂かけだ、無裝備狀態だとちと怪しいが今の俺は「千古不易」を纏っている。和紙が段ボール程度まで固くなったのならけて突っ込むことは可能だろ!

初手で回避を見せたからこそ、砂礫をけ止めながら前に突っ込んでくるとは思わなかったらしい。HPは……四分の一くらい減ったか、誤差ァ!

「豆腐の角でキル取る方法を知ってるか?」

「は?豆腐!?」

音速でぶつけりゃいいんだよ、そのための加速スキルなんだからなぁ!今はを纏っているので揚げ出し豆腐!あんかけも込みでお前の頭を砕する!!

砂礫の弾幕を真正面からぶち抜き、あかしゃに薄した俺はその推進力そのままに百足式8-0.5を振り抜く。

対チェーンソーなんてアクションゲーやってれば自然とにつくものだ。単純にチェーンソーを持っている敵だとか、チェーンソーが一化してるボスだとか、あるいは発売前に「超スプラッタ!チェーンソーで対戦相手を切り刻め!」とか宣伝しまくったら発食らって発売延期して最終的に「もこもこねこちゃんしっぽ(部挙はチェーンソーそのまま)」として実裝強行したり。

もこもこねこちゃんしっぽはやばかったな……「ぽふっ」ってじのヒットからHPがギョリギョリ削られていく悪魔みたいな武だった……

「対チェーンソー心得! れない! れ続けない!」

そもそも小型とはいえ刃をかすためのエンジンを積み込んでいるのがチェーンソーというもの、木を切り倒すならともかく人間相手に振り回すのは本的に向いていないもの。

れないように、當たらないように立ち回るのがまず第一。

こちらの打撃をなんとか腕で防ぎ、顔を顰めつつも反撃を行なってくるあかしゃだが……そもそもチェーンソー、それも両手持ちタイプは片手でひょいひょい振り回せるものじゃあない。

咄嗟とはいえ腕をガードに使ってしまえば攻撃に再度転じるのに2テンポは遅れる。即ち俺が常に先手を取り続けられる!!

そもそも武のリーチはこちらが上、アドバンテージはこちらが常に上を行き、先を取っている!

「研究済み? 対策済み? 悪いがここに來るまでにバージョンアップは済ませてるんだ、どこまでそれが通じるか試してみな!」

対チェーンソー戦第二! れる時間を短くする!!

そもそも鍔迫り合いも直撃も、要するにチェーンソーの刃に長く振れているからこそ多段ヒットしてしまうのだ。ならいものをバットで叩いたら弾かれるように……激突は一瞬だけ、弾かれる力に抗わないこと!

こちらの最速(・・)が遅くなっていることもあるが、向こうの対応も大したものですぐさま勢を立て直して高速移する俺に合わせてチェーンソーを振ってくる。チェーンソーではなくあかしゃ本にスキルエフェクト、向こうも思考加速を使っているのか、あるいはオート反応(リアクション)か。だったらちょっとウィンドウを……

「どりゃあ!」

ガワはでも中が男なのは聖杯と反転した姿と聲の別が一致していることからも確定。故に々ドスの利いたびと共にチェーンソーが迫る。やることはやったのでこちらも迎撃。

ギャギッ! と互いに振り抜いたチェーンソーと百足式8-0.5が激突し、そして勢いよく弾かれる……否、弾かれたのはこちらだけ。押し込むつもりのない純粋な「毆り」であるが故に、激突からの押し合いをする気満々だったのだろうあかしゃのチェーンソーとぶつかった瞬間、弾かれた百足式8-0.5は逆方向へと戻っていく………が、緩慢だったそのきが一気に加速する。

「なにッ!?」

ちょっとしたサービスだ。逆に「プレイヤーはこれにどう対処するのか」を見た方がタメになりそうだしな。

兇嵐帝痕(イデア=ガトレオ)・極《スペリオル》。この手の琥珀アクセサリーは災(ハザード)よりも極(スペリオル)の方が優等生らしいが、俺からすれば大概こいつもじゃじゃ馬だ。

踏み込みに反応して凄まじい回転力(スピン)をプレイヤーに付與するこのデンジャラスアクセサリーは、たった一歩の前進を大回転へと無理やり変換する。

ではここで問題だ。この効果を長を持った狀態で、人の近くで勢いよく適用したらどうなるだろうか。

「……【超過機構(イクシードチャージ)】!」

付け加えると、振り回しているそれが棒ではなく刃だとしたら?

この武の超過機構、賦活醒(リベレト)は極めてシンプルなステータス強化と、もう一つと(・・・・・)、ついでに刃の展開。言い換えるなら、「凄くパワーアップして危険な刃をぶん回す」ということ。

互いの得がぶつかり合い弾かれ遠ざかるきに、回転による加速が叩き込まれたことで円を描いて百足式8-0.5の刃が逆方向からあかしゃに襲いかかる。

「ぐ………!」

やるな、完全に決まったと思ったがギリギリで首をひねって直撃を避けたか。ただまぁ申し訳ないが………毒武なんだわコレ。

百足式8-0.5。その超過機構の能力は素材となったトレイノル・センチピードの毒を最大限活用すること。握った手から染み込むそれは、トレイノル・センチピードが規格外の巨を支える筋繊維を機能させるための狂筋毒、そして刃から染み出すそれはとある”蜘蛛”への限りない憎悪が籠った砲劇毒。

「うおきもちわ」

僅かとは言え刃で斬りつけられた以上、砲劇毒は適用される。その「効力」にあかしゃの表が明らかに歪む………だがそれは苦痛というよりも、もっと生理的な嫌悪に近い。

何故なら砲劇毒はスリップダメージでも永続的なデバフでもない、例えるならほんの一瞬だけ度が高い超暑い日に全力疾走した時の熱が皮の下にべっとりへばりついたような気持ち悪さが全を駆け巡る。

いうなれば悪寒の対義語みたいな覚だ………うん、割と真面目に最悪だよな。自分で試したから分かるぜその気持ち。

だが戦闘中においてそれは致命的な隙を生み出す。兇嵐帝痕・極の回転付與はスキルで思考加速しなければ一瞬で使用者の三半規管を破壊しかねない回転率、故にたとえ一周目(・・・)をしのいだところで……

「一歩で平均三回転するんだなこれがァ!」

続く二撃、そして〆の三撃があかしゃに叩き込まれた。

「決著!」

おっと、あまりの回転にスカートが。ほほほ、すまんあそばせ。

俺は戦闘中にウィンドウを作して取り外したカートリッジアクセサリーを再び裝備しながら、勝利宣言をするのだった。

スカートの下は膝あたりまででそこから上はギリ見えなかった、殘念(その場にいた舞臺生役魔師談)

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