《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》311.窮地
311.窮地
「ふん、しょせんは星イシスにも及ばぬ月の神。これより銀河を支配する大となる俺の敵ではない」
「ほう! なかなか良いではないか。その調子で我が上司とも戦って打ち破ってしいところであるが」
イルミナは嗤いながら言った。
「人材を末にしている點で失格である。そなた一人で戦って勝てるくらいなら、我一人だって勝てておるわ!」
「自分の弱さを棚に上げてよく言ったものだ」
「ふふん、弱さを認めて強くなるのだ。あるいは協力をするのだ、小。その程度のことも分からぬか。そこなションベン太郎ですら悟っておる事実だというのに」
「俺は最強だ! だから俺を慕って下僕どもが沢山集まってくるんだけだ。俺を楽にさせるのが下僕ども役目だからなぁ!」
「うーむ、口汚いのでドン引きで同意をためらうなぁ。であるが、そういうことである。人を否定するそなたは絶対に行き詰まる。要するに楽をしないのは支配には不向きである証拠である。かつての邪神が斷言しよう。ひいては、この舟に未來はない!」
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「ほざけ。銀河の大となる俺を前に不敬である‼」
だが激高したレメゲトン・アークは姿を消す。
「気配はないな。だが、予想は出來る。バシュータ、フェンリル、どうだ?」
「格から言えばアレはねちっこい奴です。だから一番嫌な方法で攻撃してくるでしょうぜ」
「であるなぁ。まぁ、こういう時に外道がやることは決まっておるぞえ」
なるほど、それはつまり。
「人質か」
俺がそう察した瞬間、無數の影が宙に現れた。
「そんな……」
ローレライの信じられないという聲が響く。
さもありなん。
「サイスたちか。機能停止しているものを、無理やりプログラムに介し行させている訳か」
ゆえにサイスたち自に意思はない。
レメゲトンの聲がどこからともなく響く。
「協力と言ったな。くだらん。そんなものは弱點でしかないことを思い知れ。この四魔將を倒すために共闘した素たちを破壊し、その協力や仲間といったものが、いかに脆いか、そのをもって知るが良い!」
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「來るぞ!」
「數が多いですねえ。お姉さんは10數えるのでやめてしまいましたよ」
「ブリギッテ様、千はいますので、せめて百くらいまでは數えて頂けると助かります」
「お二人とも來ますよ」
「「はいはい」」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
突っ込んで來た基本素は、躊躇なく攻撃を仕掛ける。
それを二人の聖が、生でけ止めた。
「10くらいは大丈夫ですけど、100となるとやや不安ですね、どうしましょうか、アリシアさん」
「とりあえずみねうちですかね~」
基本素は帯狀態ではない。だが、市街地を守るための戦闘能力はかなり高い。
一一が相當な強さであり、量で押されれば不利だ。
「面白いのだ! あてぃしを魔王と知っての狼藉かー!」
「魔王よ、恐らく聞こえておらんぞえ?」
「分かっているのだ! とりあえずぶっ壊さないように頑張るのだ!」
「儂も頑張るのじゃ。手加減を!」
本気でやれば負けることはない。
だが、今はられた人質に戦闘を仕掛けられているような狀態だ。
「いやらしい攻撃ですね! ウインド・ショット!」
「本當だよ! 素直で純真、天真爛漫な王の私には理解できないよ! チラ! アイス・ストーム!」
「なんですか、今のアリアケ様へのチラ見は⁉」
幸いながら早まってサイスたち基本素を破壊する仲間はいない。
「ひいひい、こいつらつえええええよおおおお……」
「ぐおおお、おい、勇者しっかり戦え……。デリアは何をしている、プララもだ!」
「わ、私さっきのでし腰が抜けましたわ、おほほ」
「あたしは至近距離で戦うの苦手だし、ちょっとパス!」
勇者パーティーは互角のようで、そもそも破壊できないような狀況のようである。
「先生、危ない!」
「おっと」
ギイイイイイイイイイイイイイイイイン‼
俺は聖杖キルケオンで防ぐ。られている分、行は単純だ。
サイスが俺を狙って來た。腕はブレードの形狀に変化しており、直撃すればただではすまないだろう。
「先生から離れなさい!」
聖槍ブリューナクが煌めくが、それを大きく跳躍してサイスはかわした。
「我がパートナー、提案があります」
と、その時、エリスが聲をかけてきた。
「一部同期した際に知りましたが、あのサイスは基本素の統括素です。あれが機能停止すれば全ての基本素たちは行不能になるでしょう」
「それは案外リスキーな機構をしているんだな?」
「本來ならば別の基本素にその役割が引き継がれますが、今はハッキングをけている狀態なので、そのプログラムは発しません。つまり」
彼は淡々と言った。
「サイスさせ破壊すれば済む。時に権力者は切り捨てる覚悟も必要と承知しています。同じオートマタ種族として、もし彼を破壊されても私はパートナーを恨んだりはしない。どうでしょうか?」
ふむ。
俺は即答した。
「卻下だ」
その回答にエリスは、
「そう言うと思いました。では功確率の低い代替案を提示します」
彼は後ろにかばっていたパウリナに目を向けて言った。
パウリナは意を決したように、前に進み出る。
「わ、わわわわわ! わー‼」
「ふむ。俺ですら分からん。熱意は伝わるのだがなぁ」
「殘念なですからね。もう一度チャンスを上げましょう。ちなみにそれ以上時間がかかると、量で押されて負ける可能がグーンと上がります」
「ひい! わ、私の心臓を上げます! レメゲトンもやってたから、私にだって出來るはず! いえい!」
ダブルピースをしながら言う。
極限レベルでテンパっているようだが、言わんとしていることは分かった。
「だが、それは難しいだろう。どうやって心臓を取り出す。あれは千年生きた化けだ。君は違うだろう」
「信じてますから!」
チュッ!
「え?」
「は?」
「のじゃ⁉」
俺はあっけにとられ、エリスはらしきものを瞳に浮かべ、そして偶々近くにいたコレットは驚愕の表を浮かべていた。
いきなりキスされるとは思わなかったので、隙をつかれた。
そして、その隙をついてパウリナは行する。
「さっきブリッジの扉を開いた時に、頭の中に々な知識が流れ込んできたんです。だから今ならレメゲトンと同じことが出來ます! アルリビ・アシェル・エイヌヌ・ラクコアフ・アーク!」
彼の元。いや、
「全に紋様が広がっていく」
「これが鍵として覚醒したパウリナさんの力……」
「邪魔をするな、パウリナ! 基本素どもよ何をしている。奴を止めろ!」
サイスたちが一斉にブレードを槍に変化させ、投擲のポーズになる。
だが、一斉のその姿勢のままピタリと止まった。
「なぜだ⁉」
「決まっているだろう。アーク・レメゲトン」
俺は微笑みながら言った。
「彼がお前よりも上位の鍵。アークの艦長(キャプテン)として選ばれたからだ。いかにろうとも、傷つけることはサイスたちの原理上出來ない!」
「なっ⁉ そんな小娘に、この大たる俺が敗れたというのか⁉」
レメゲトンは聲を荒げる。
「信じぬ! ふざけるな! 俺はっ‼」
「今のうちだ! パウリナ! アリシアはこっちへ!」
「私の心臓はただのではなく、力を象徴するもの! 深部より生じた魂と生命力が宿りし果実!」
その詠唱と共に、彼の心臓……。
いや、
「さっき見たアークのコアのようなのだ!」
それはきを止めたサイスに近づき、ゆっくりと吸い込まれて行った。
そして。
ブシュウウウウウウウウウウウウウウ!
全基本素が機能を停止し、空中から落下し始める。
「スキル≪衝撃緩和≫」
打ち所が悪いとただではすまないからな。
それよりも、
「アリシア!」
「蘇生魔《ヘルツ・カイト》を使用‼」
「蘇生確率上昇のために≪聖域の加護≫付與!」
「パウリナさん! 死ぬのは大聖の前では許しませんよ! キスのいい訳聞かせてもらいますからねー‼」
溫かく神々しいがパウリナを包む。周囲には花弁が舞い、奇跡が顕現するのが視覚的に認識されているのだ。
そして。
「う……ごほごほ!」
パウリナが蘇生する。何度見ても奇跡とはあっさりと俺と言う人智すらも超越する。
「馬鹿な⁉ そ、蘇生だと⁉ そのようなことは神の俺にすら出來ぬのに!」
レメゲトンの悲鳴じみた聲が聞こえてくるが、アリシアはフーと額の汗を拭う様にして笑顔で言った。
「なくとも人を助けたいとも思わないあなたには不要なではないですか、レメゲトン・アークさん?」
その言葉は皮がきいていて、俺は思わず吹き出してしまうのだった。
そして、同時に、
「おのれ! 舐めるなよ、たかだか人形どもを敗った程度で‼ 神の怒りにれるが良い‼」
レメゲトンの咆哮が魔大陸へ鳴り響いた。
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