《異世界でもプログラム》第五十七話 襲撃者?
しまった!
通者の存在自が罠の可能を完全に忘れていた。
王國に帰ることで頭がいっぱいだった。
共和國のダンジョンが弱かったことや、思っていた以上に共和國の連中が弱かったから、気を抜いてしまっていた。
俺たちだけが、共和國で実踐形式の訓練をしていたわけではない。
帝國の奴らも、共和國を狙っていても・・・。それなら、俺たちを見つけて、報を抜こうとしていても不思議ではない。
俺が、帝國の立場でも同じ事を考えただろう。
そして、実行する。
通者が仕立て上げられたら、通者に報を送らせる。
報が流れてくれば、報をけ取るだけでも十分なメリットがある。報が流れなくなったら、撤退か強襲をかける。相手は、通者を見つけて、これで”安全”だと判斷する。
安全だと判斷しているのなら、強襲を考える。
安全だと判斷をしないで、防を固めたのなら撤退を考える。
「旦那様?」
俺が思考を加速させるタイミングで、カルラが聲をかけてきた。
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確かに、この場所に留まるのは避けた方がいいだろう。
しかし、思考がまとまらない。
「カルラ。報を生業にする者としての意見がしい」
カルラに意見を求める。
報の取り扱いなら、カルラの方が得意だ。
「はい」
いつもと違う表で俺をしっかりと見つめている。
これは、プライドから來る姿勢なのだろう。それとも、俺に求められたから・・・。だとしたら、嬉しい変化だ。
「前提條件として、報もしいが、相手の向を調べている狀況だ」
前提條件として、現狀の俺たちの狀況を説明する。
カルラには、言わなくてもいいとは思うが、自分自で整理するために、狀況の説明を行う。
「はい」
カルラも、俺が狀況の説明を始めた事で、現狀に當てはめていると理解が出來たのだろう。
表が先ほどよりも厳しいに変わる。
「相手に、自分たちが報を抜き出していると知られても問題にはならない」
「はい」
これは、俺の憶測だけど、間違っている可能は低いと思っている。相手に知らせる事で、相手のきを狹めることができる。
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仕掛ける側としては、たいした手間もなく、相手が取れるきを絞ることが出來るのだ。
相手が、想定している範囲で優秀でなければ出來ない。
優秀なのか?凡庸なのか?
罠を仕掛ける前に、事前調査である程度は把握ができる。
仕掛けられた側としては厄介な罠だ。
「相手がきを見せるタイミングが知りたい」
ここからは、カルラの報告を通して相手側から見える狀況を説明する。
「はい」
「通者を仕立て上げて、報を定期的に送らせる」
UDPでの送付ではないけど、け取り側での処理がしっかりしていれば、報の確度よりも、報が送られていることが重要になる。
死活確認の方法では、俺もよく使っていた。
「はい」
「定期連絡が途絶えた。どう考える?」
カルラの表が険しい。
俺が何を期待しているのか考えているのだろう。
「はい。まずは、通者が捕えられたと考えます。しかし、すでに通者が居ることは知られていると考えられる狀況ですので、ターゲットがきを・・・」
ゆっくりとした語り口で、しっかりと説明ができるように考えながら話しているのがよくわかる。
自分で、話しながら、俺の意図に気が付いたのだろう。
”ターゲット”という言葉で、表が一気に変わる。
険しかった表が、より厳しくなり、俺を見つめる目が表以上に慌てているのが解る。
「その時に、ターゲットが普段と違うきを見せていた」
俺たちのきは、カルラは解っているのだろう。
狀況として、俺たちのきの補足をれておく.重要な事だ。
ここからが、カルラに聞きたい事だ。
王國と帝國では考え方が違っているだろう。でも、指標くらいにはなるだろうし、今後の予測もできる。
「私たちなら、上位者に連絡をします。その後で、ターゲットの報を査して、急襲が可能なら実行部隊をかすように進言します。もし、ターゲットが用心していれば、撤退をするか、ターゲットから距離を取ります」
「俺たちの狀況としては、選択肢としては、どちらの可能が高い?」
「旦那様の行いの半分・・・。四分の一でも把握できていれば、脅威と認定して、急襲を選択します。また、護衛についているのが、子供とです。このタイミングを逃すとは・・・」
カルラの顔がより一層厳しくなる。
現狀の把握が出來たのだろう。
これは確定か?
しかし、襲撃者?
「カルラ。通者は帝國の関係者だったのだよな?」
「はい。間違いなく、裏も取れています。最初は、共和國の一國だと言い張っていましたが・・・」
やはり、帝國か・・・。
王國を通り抜けられたのも気分が悪いが、その上で俺の報を調べていたのか?
違うかな?
俺をターゲットにしているのは正しいだろう。
ただ、俺を初めから狙っていたじはしない。
それなら、アルトワ・ダンジョンができる前から俺に網を張ることが出來ない。
狀況と、俺たちのきから、共和國のダンジョンに網を張っていたのか?
それも、なんとなく釈然としない。
俺たちは、ダンジョンでは下層にる時には、注意を行っていた。
やはり、アルトワ・ダンジョンか?
それとも、ウーレンフートを監視していた流れか?
「カルラ。どこから、俺たちが見張られていたと思う?」
「私と旦那様の視線とスキルを掻い潛って?考えにくいです」
「そうだよな・・・。でも、実際に通者が居た。それも、どうやら、ターゲットは、”俺”か”俺たち”だろう」
「え?」
「アルトワ・ダンジョンが狙いなら、襲撃かきが有ってもいいと思うが、索敵が可能な範囲には、敵と思える者たちは存在しない」
俺とカルラが、知恵を絞っている間に、アルバンと近くを探索している。
アルバンなら採取をしているわけではないだろう。
戦闘は、俺たちが許可しない限りは、襲われない限りは逃げてくるように伝えている。アルバンなら、この辺りに生息している魔なら、背後を取られて、先制を取られたとしても、対応ができるだろう。
「カルラ。アルとエイダは?」
エイダは、近くで反応があるが、姿が見えない。
「エイダは、先ほど、索敵を行うと、木に上がっていました」
上かぁ
3Dでの索敵ができるようにしないとダメだな。
今度、結界を參考に索敵を考えてみよう。
今までは、不便だとは思わなかったが、必要な時に出來ないと困る。
「アルは?」
アルバンは、索敵の範囲に居る事は解っている。
カルラがアルバンの狀態を把握出來ていればいい。
「探索だと思います」
問題はなさそうだ。
範囲には居る。遠くには行っていない。それに、探索というよりも、散歩程度の覚なのかもしれない。
狀況が狀況で無ければ、認めてもよかったのだが・・・。それでも、一人で離れるのはダメだ。
「カルラ?」
俺の索敵は、悪意や敵認定した者には反応するが、それ以外では、カルラの知の方が優れている。
カルラが、何か気が付いた。
「旦那様。アルバンが、誰かと戦っています」
戦っているようには見えない。
近くで、反応はあるが、悪意がない?
それとも、魔ですらないのか?
何と戦っている?
「え?」
索敵のスキルを発するが、魔は該當しない。
「しまった!襲撃か!」
「はい。しかし・・・」
「そうだな。俺たちも、アルと合流しよう。丁度、クォートとシャープもアルバンの場所に向かっているようだ」
「はい」
俺とカルラも、通者と帝國のきを考察するのを、棚上げして、アルバンの所に急ぐことにした。
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