《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》12月20日:メイド服ボンバー!!
2023闇古戦場の妨害工作です、きくうしには明後日の0時1分までじっっっくり読んでしい
「千古不易」省エネモード。スカートの半分程度に長袖、その他諸々のパーツのの何割かを「再生させない」ことでエネルギー消費率を二分の一に……要するに、殘存時間を二倍に増やす!!
當然、薄著になればその分防面積は下がる。短剣に何を塗ってるか分かったものではない上に、依然として煙幕のアドバンテージを維持するRiot相手にはリスキーかもしれない。
だからこそやる! それに策が無いわけでもない。向こうが俺を文字通り"煙に巻く"と言うなら、こっちにも考えがある。
「兇嵐帝痕(イデア=ガトレオ)・極(スペリオル)をぉ……!」
一歩のみ展開!
兇嵐帝痕(イデア=ガトレオ)・極(スペリオル)は二歩目を踏み出さなければ加速にはならない。その場でトリプルスピンをするのみに留まるが………重要なのはその原理、というか過程だ。
このアクセサリーはなんだかよく分からんが風屬系のめっちゃ強い何某の力が宿ったもの。加速原理は筋を増強するだとかではなく………風で押し出される、というものだ。
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無明故に、視認の困難なそれが煙幕というがついたことでその姿をわにする。俺を押し出す風の渦が煙を摑み、引き摺り回し、そして吹き飛ばす様はる程どうして……俺こんな強風に後押しされてたのか。
だが、勢いよく俺の周囲を覆っていた煙幕が吹き飛ばされたことで、その場に人間大の煙がポツンと取り殘される。面相は隠せても姿までは隠しきれていない……銃弾のヒット的にそこそこ近づいてきているとは思ったがやはりか。
「真正面から毆り倒したって"暗殺"だぜ! 暗殺バトルだ!!」
「暴論が……!」
拳銃を構えながらしかし撃たずに突っ込んでくるそれのどこが暗殺だ、と言いたいのかRiotが初めて聲を荒げさせる。とはいえ取りしているわけではなく、その手は冷靜に短剣に何かエンチャントを施している。
それを視認した瞬間、俺は両手の銃を投げ捨てる(・・・・・)。
「………!?」
「どんなセンサーも知できない最強の兇を教えてやるよ……!!」
スキル起。
「戦勝神の業《ヴルスラグナ・アヴァタール》───」
◇
Riotが使用した煙幕は視界を塞ぐ、という能においては現狀のアイテムプールでは最高峰の能を誇る「黒い封幕(ブラックアウト)」である。視覚だけでなく聴覚、嗅覚などにもデバフを付與する優れた時間稼ぎ(・・・・)ではあるが、一個あたりの持続時間が短い、という欠點がある。
故にRiotは「黒い封幕」を使い続けることで、煙幕を維持していた。痛すぎる出費ではあるが、それに値する相手であると判斷したが故だ。
結果だけを見れば、煙幕に加えて自の隠蔽スキルによる徹底的な位置隠しの努力を「最適な攻撃ルートの提示」というスキルで暴かれたRiotであったが、比較的(・・・)冷靜ではあった。
だからこそ、銃を捨ててまで近距離戦を挑んできたサンラクに対しても「何故」を思い浮かべつつも迎撃を行えたのだ。
投げ続けた煙幕は吹き散らされ、そして今やほとんど消えている。
追加で投げる余裕はない、故にその景は今の今まで何も見ることができなかった結界を囲む観客達にも見ることができた。
「角……?」
謎の「最上川」なるびの理由よりも、メイド服がミニスカになっていることよりも、両者が今まさに激突せんとしていることよりも。
サンラクの右腕が肩から指先に至るまで黃金にり輝き、肘を曲げているが故に………そう、さながら牛の角の如き一撃(ラリアット)がRiotに炸裂する景に目を奪われた。
「───角牛の威(オックス)!!」
◆
再度のレベリングを行う中で、気づいたことがあった。
シャングリラ・フロンティアのスキル育においてはいくつかの方法で既存スキルを新しいスキルに変化させることができる。
例えばレベルアップでスキルそのものが変質する進化、スキル同士を組み合わせて一つにする合、そして二つ以上のスキルを繋げて一つにする連結。だが俺が著目したのはそこではない。
「ハーキュリー・ストライク」というスキルがある。そして「ハーキュリー・ブラスター」というスキルもある。
これらの違いはスキルを発する際に必要な攻撃手段の違いなわけだが……大事なのはそこじゃない。
要するに……シリーズ(・・・・)があるってことだろ?
そこで俺が注目したのは「勝利の神撃《ヴルスラグナ・スマッシャー》」というスキルだ。
ハーキュリー、確かヘラクレスのことだったか。ヘラクレスの名前でシリーズとなっているのなら、神様だの英雄だのの名前を持つスキルはシリーズがあると予想を立てた俺は、このスキルを徹底的に調べ盡くした。
それは過去に覚えたスキルを覚え直せる(・・・・・)というのがエルクへの獻金《じんもん》で発覚したのが大きい。
つまり、「勝利の神撃《ヴルスラグナ・スマッシャー》」を合材料にしては覚え直してを繰り返したのだ。レベリングはベヒーモスにいる改造生兵みたいな奴らを利用させてもらった。
「派生」を見るならばさまざまな攻撃パターンが必要だろうしな……果たして俺の予想は當たった。
ヴルスラグナの名を関する「戦勝神の業《ヴルスラグナ・アヴァタール》」シリーズの習得。それは俺(サンラク)の能をさらに引き上げるものであった。
輝く雄牛の角の如きスキルエフェクトを纏うラリアットがRiotの首に叩き込まれ、その力が解放されるまでの一瞬……Riotの目が僅かに見えた気がした。
まるでどうして「自分がサンラクの腹へと突き出した刃が弾かれたのか」とでも言いたげじゃないか……んなもん、理由はただ一つ。
刻傷そのものを相殺して制約を一時的に無効化する灼骨砕と違って、今の俺は無理やり服を著ているだけで刻傷のバフデバフ干渉無効が生きてるからだよ!!
隠を暴かれてパニクったか。お前が「強化魔法(エンチャント)」で短剣を強化した時點で顔と腰だけ守っておけばその脅威度はなまくら以下だ!!
「吹き飛べッ!!」
気合いと共に、Riotの首に當てた二の腕に込められた力が炸裂。Riotが黒煙の尾を引きながら勢いよく吹き飛んでいった。
半袖のメイド服とかにある長袖の先端部分だけ取り殘されたみたいなパーツの名前を長らく知らなかったのですが、今回調べて初めて知りました。お袖留めって言うんですねアレ
・「戦勝神の業《ヴルスラグナ・アヴァタール》」シリーズ
これは(・・・)全部で十個存在する。というか「戦勝神の業」シリーズが「戦勝神(ヴルスラグナ)」という大シリーズの小カテゴリと言えなくもない
サンラクは角牛の威(オックス)の他にもう一つ「業(アヴァタール)」を習得している。
・角牛の威(オックス)
喧嘩ボンバー、あるいはさらに元ネタのアックスボンバー。肘を曲げてL字狀態の腕で叩き込むラリアット、あるいはパンチ。肘だけではなく、実は拳にも判定があるのでラリアットをかけられない巨大な敵相手には突進とパンチが合したような「拳を構えて突っ込んでそのままぶつける」というスキルでもある。
- 連載中52 章
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