「ニーナ、それはどういうことだ？」

「アズマさんは先ほど魔道と言いましたよね？　なら詳しい人たちがいます」

彼の言葉からすぐにある人たちが連想する。

「まさか、エルフか？」

俺が思い至った人の名を上げれば、ニーナが頷いてそれに肯定する。

それと同時に同じくその人たちを連想していたユキナの表が僅かに険しくなる。

それは以前エルフの里に行こうと提案した際には浮かべなかった表。

「エルフ……昨日の今日だからあまり歓迎はされないだろうな」

別れるまでの彼らの態度を見るとそうじざるを得ない。

「多ぶ、ん歓迎さ、れないと、思う」

ユキナも同意見らしい。

彼は特に彼らの悪意にさらされていた訳だ。俺よりも連中の態度が想像つくだろう。

さすがに前回あれだけユキナを敵視していた場所に日も置かずに連れて行く訳にはいかない。

となると俺一人で──

「それなら書館を訪ねてみるのはどうですか？」

行こうと考えているとニーナが違う提案を出してくる。

「書館？」

書館というのは確か王都にしかない図書館的な施設だったか？

王城近くにある施設で、館するのにその施設のり口で申請して、後日それが理されたら次は別のを書かされる。

前者が館ので、後者は監視の職員と國から依頼がされた冒険者との契約書。

ちなみに館と監視冒険者との料金は別である。

そして冒険者を手配中に館者の面接も行われる。

そんな面倒な手順を踏んでも館が許される確率は二割。

報は大事であるが、ここまで館が難しいとる気すら失せるな。

しかも貸出不可。許可を取れば寫しは良いらしい。

「はい。あそこならもしかしたらその魔道についての報が手にるかもしれません」

「……いや、それは無理だ。申請から許可が下りるまでに時間がかかる。それにれるかも確かじゃない」

その資料を探している間、ずっと氷に覆わせておく訳にもいかない。

長時間皮に氷を當てておくば凍傷が起こる。

「せっかくの提案だけど、今は時間をかけていられない。悪いな」

「いえ、私ももっと考えてから提案するべきでした……すみません」

彼の表がし曇る。それと合わせて立っていた耳もへにゃりと倒れ込む。

考えとしては正しいのでそこまで落ち込まなくても良いのにな。

「そんなに気にしなくて良いからな。とりあえずエルフの里へは俺一人で行くよ。何かあるとあれだし」

あの金髪みたいなのがまた現れないとも限らないし、それにエルフたちがまた何かしてきても困る。

「なら私も」

そう考えているとニーナが同行を申し出てきた。

「いや、今日のことで々疲れただろ。リリーたちのこともあるし家にいてくれ」

「でもアズマさん、その姿で行かれるんですよね？　大丈夫なんですか？」

「あ……」

忘れてた。そうだ今、くなっているんだった。