《【書籍化】勇者パーティで荷持ちだった戦闘力ゼロの商人 = 俺。ついに追放されたので、地道に商人したいと思います。》11 エルフの行商人①
それから三日。
俺は毎日のようにアマランシアと共に街を散策していた。
ちなみにロロイ、フウリ、シオンも一緒だ。
「一言で『商売』と言っても、形はさまざまだからな……」
遊詩人として各地の人間の街を回っていたアマランシアであれば、そのあたりは全て承知の上だろう。
俺は、どちらかというと他の二人に向けてそのあたりのことを説明しながら歩いていた。
ちなみに現在、俺が直接的に手がけているものだけでも……
『ミストリア劇場』
『ミストリア劇場の人形店』
『香草焼き用末の売店』
『アルバスの借家』
『門外地區の武店』
『門外地區の防店』
『門外地區の飲食店』
など、相當な多岐にわたる。
そこにアルカナの旅館や他の過去に手がけた商売、さらにはギルド関係の仕事なんかまで加えると、それこそ一度説明しただけじゃ覚えきれないような數になる。
その上でアマランシア達は、俺に『エルフ達に合った商売』を考え出してしいというわけだ。
「安全を考えれば、まずはひと所に店舗を構えない行商スタイルの方がいいのだろうな」
Advertisement
相手がエルフであれば『何をしてもいい』などと考える輩もいるだろうから、商品が保管してある商店を構えるのは今しばらく待ったほうが良いと思っている。
また、容としてエルフ達のなんらかの技を売るようなことも考えたのだが……
そこは信用などの積み重ねが大切だ。
いきなり始めて商売がり立つような話ではない。
だから、やはり商売としてとっつきやすいのは販だ。
そして、まず最初に売り出すものは『エルフの守り』や『エルフの腕』や『エルフの髪飾り』といったエルフ族の作る裝飾品がわかりやすいだろう。
ただ、今ひとつ売り方を一工夫する必要はある。
ただの裝飾品としてそれらを売りに出した場合、珍しさはあるがそれだけだ。
できれば『呪い除け』などのスキルがついた『エルフの守り』を、先日のパーティーブレイカーの噂話を用いて対策品として販売したいところなのだが……
「そういえばアマランシア、『呪い避け』のスキルがついた『エルフの守り』なんかは、どのくらいの速度で作れるものなんだ?」
「そうですねぇ。現在の白い牙全員でとりかかって、一ヶ月で二十個といったところでしょうか」
「……なかなか商売にできるようなものではないな」
それでは、街人や冒険者相手にそこそこの規模の商売にしようとした場合、すぐに品切れを起こしてしまう。
わざと品薄にさせて限定を演出するという手もあるが……
本當に作製が間に合わないのでは問題がありすぎる。
そもそも、それでは大きな売上が作れない。
「スキルがついていないものも含め、唄と一緒に売り出すというのはどうですか? アレをやると商品が飛ぶように売れていきます。流石はアルバス様の考え出した手法ですよ」
実際、アマランシアは今までもそのスタイルでマナを稼いできていた。
セントバールや中央大陸にて、白い牙の面々が空いた時間で様々な武や裝飾品などを作し、アマランシアが関連した詩を唄いながらそれを売り捌いていたらしい。
つまり、俺がミトラの木人形を大々的に売り出したの時の手法を真似ていたわけだ。
「いや、やはりスキルのない裝飾品では商材としてし弱い気がする」
なんにせよ、白い牙はそうして人間との様々な取引をするための金(マナ)を得ていた。
通常の武や食料を得る際にも、また中央大陸と西大陸を行き來するために正規の客船以外を利用する際にも、やはり渉には金(マナ)がいる。
「アマランシアの詩がいいから、それでもそれなりの売上は作れるだろうが……、今回はその手法はなるべく使いたくない」
なにせ、アマランシアは一人だ。
『人間の商売相手としての地位を確立する』という最終目的を考えると、アマランシア一人に頼り切ったそのやり方では早晩に行き詰まってしまうだろう。
「エルフに由來する有用スキル付きのアイテムを売り歩く『エルフの行商人』というのは、悪くないアイディアだと思ったんだけどな」
「隠れ里のエルフ達にも協力を仰げば、さらに大量に作ることもできると思いますが……」
「いや、今はまだその段階じゃないだろう」
積極的に外に出て人間と関わろうとしている『白い牙』とは異なり、各地の隠れ里のエルフ達はまだまだ様子見の段階だ。
また、隠れ里からの輸送のコストや隠れ里の位置を特定されるリスク、輸送人員の安全面などを考えると、々と問題も多い。
「はてさて、どうしたもんかな」
「まぁ、とりあえずはやってみればいいんじゃない?」
「そうですね。上手くいかなかったら、その時にまた考えましょうよ」
フウリが気だるげに言い、シオンがそれに応じた。
現狀を聞く限りではなかなか難しそうな気がするが……
「まぁ、そうだな。商売なんて、試行錯誤の連続だもんな」
実際に進めていく中で思ってもいなかった新しい展や、逆にとんでもない問題點なんかが見つかるかもしれない。
まずは俺の目の屆く範囲の數鋭でとりかかり、取り返しのつかない事態だけは避けながら徐々に形を作り上げていくというのも、やり方としてはありだろう。
そういうわけで、とりあえずは『エルフの行商人』を進めてみることになった。
ダメならダメでまた考える。
まずはエルフ族がこの街に溶け込めむための基盤をさらに強固なものとする。
商売を通して関わりを持っていくことで、街人達の意識だけではなく、エルフ達自の意識も変えていく。
それは、ある意味で目標の第一段階だった。
この商売は、まずは始めることと、諦めずに泥臭くやり続けることに大きな意味があるのだと思う。
【書籍化&コミカライズ】偽聖女と虐げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】
【秋田書店様 どこでもヤングチャンピオン様にてコミカライズ連載中】 【2022年 7月 ベリーズファンタジー様にて書籍発売】 「婚約破棄だ!!!」 好きな男性と無理矢理引き離されて、婚約したはずだった第一王子に公爵令嬢リシェルは一方的に婚約を破棄される。 無実の罪を押し付けられて。 リシェルには本來別の婚約者がいた。 心に決めた婚約者が。 けれど少女リシェルに、「聖女」の神託が降り、彼女の人生の歯車は大きく狂ってしまう。 無理矢理愛しい人との婚約を解消され第一王子ガルシャの婚約者とされてしまうのだ。 それなのに現実は殘酷で。 リシェルは聖女の力を使えず、聖女の力が使える少女マリアが現れてしまった。 リシェルは偽聖女の烙印を押され、理不盡な扱いを受けることになるのだ。 愛しい人を聖女マリアに奪われ。 マリアと王子の失策を背負わされ拷問に近い暴力の末。 親しい人たちとともにリシェルは斷頭臺へと送られ殺される。 罪狀らしい罪狀のないまま執行される死刑に。 リシェルは誓う。 悪魔に魂を売ってでも怨霊となり末代まで祟をーーと。 ※番外編はじめました→https://ncode.syosetu.com/n2164fv/ 【注意】以下ネタバレです【物語の核心ネタバレ注意】 ※よくある逆行もの。前世の知識で俺tueeeのご都合主義テンプレ。 ※ざまぁもありますが主軸は一人で何でも背負ってしまうヒロインがヒーローに心を開いていく過程の戀愛です ※人を頼る術を知らなかった少女がヒーローと出會い人に頼る勇気をもち、今世では復讐を果たすお話 ※10萬字ちょっとで完結予定 ※アルファポリス様にも投稿しています
8 84Crowd Die Game
ただ學校生活を送っていた………はずだったのに……… 突然地殻が動き出し、學校が沈んだ………かのように思えた。ひとり學校敷地內にいた俺は、學校の敷地外の方がせり上がっていることに気づき、外に出るのをやめた。上からこちらを見ていた女子を下に呼び、2人、地に殘った。途端、真っ暗だった壁に穴が開き、通路が広がった。そこに入ってから俺達の戦いは始まった。 (「対荒らしの日常は電子世界の中で」と並行して連載をします。よろしくお願いします。) ※<批判、誹謗中傷等のコメントは受け付けておりません。純粋なコメントのみを期待しております(アドバイスは例外です)。ご了承ください。>
8 57悪役令嬢は麗しの貴公子
私の名前はロザリー・ルビリアン。私は、前世の記憶からここが乙女ゲームの世界であることを思い出した。そして、今の私がいづれ攻略対象者達に斷罪される悪役令嬢ロザリー · ルビリアン公爵令嬢であることも。悪役令嬢だけど、せっかくこんなに可愛く、しかも令嬢に転生したんだからシナリオ通りになんて生きたくない! 私は、これから待ち受ける悲慘な運命を回避するため令嬢であることを偽り、公爵令息に転じることを決意する。そして、なるべくヒロインや攻略対象者達とは関わらないでいこう…と思ってたのに、どうして皆私に関わってくるんです?! 出來れば放っておいてほしいんですが…。どうやら、フラグ回避は難しいようです。 (*'-'*)ノはじめましてヽ(*'-'*) 悪役令嬢(男裝)ものは書くのが初めてなので、不定期更新でゆっくり書いていこうと思ってます。誤字 · 脫字も多いと思いますが、興味があったら読んでみて下さい! よろしくお願いします!
8 50生産職を極めた勇者が帰還してイージーモードで楽しみます
あらゆる生産職を極めた勇者が日本に帰ってきて人生を謳歌するお話です。 チート使ってイージーモード! この小説はフィクションです。個人名団體名は実在する人物ではありません。
8 197不良の俺、異世界で召喚獣になる
あるところに『鬼神』と呼ばれる最強の不良がいた。 拳を振るえば暴風が吹き荒れ、地面を踏めば亀裂が走る……そんなイカれた體質の不良が。 その者の名は『百鬼(なきり) 兇牙(きょうが)』。 そんな兇牙は、ある日『異世界』へと召喚される。 目が覚め、目の前にいたのは――― 「……あなたが伝説の『反逆霊鬼』?」 「あァ?」 兇牙を召喚した『召喚士 リリアナ』と出會い、彼の運命は加速していく―――
8 57《完結》虐待されてる奴隷少女を救った、異世界最強の龍騎士
【第Ⅰ部】第1話~第49話 完結 異世界転移した先は、クロエイという影を食うバケモノのはびこる世界。その世界の人たちは、血液をエネルギーにして生活していた。血の品質の悪い者は、奴隷としてあつかわれる。そんな世界で主人公は、血液の品質が最強。血液でなんでも買えちゃう。クロエイだって倒せちゃう。あと、奴隷少女も救っちゃう。主人公最強系戀愛ファンタジー。 【第Ⅱ部】第50話~第96話 完結 セリヌイアの領主――ケルゥ・スプライアは酷い差別主義者で、庶民や奴隷の血液を多く集めていた。「セリヌイアに行き、虐げられている者たちを助けてやって欲しい」。フィルリア姫に言われて、龍一郎はセリヌイアへ向かう。そのセリヌイアの付近には、絶滅したはずの龍が隠れ棲んでいるというウワサがあった。 【第Ⅲ部】第97話~第128話 完結 龍騎士の爵位をもらいうけた龍一郎は、水上都市セリヌイアの領主として君臨する。龍一郎は奴隷解放令を施行して、みずからの都市の差別をなくそうと試みる。そんなとき、サディ王國の第一王女がセリヌイアにやって來て、人類滅亡の危機が迫っていることを告げる。
8 104