《ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~》第三百二十六話 羽化の時
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第三百二十六話
グーデリアがロメリアと話し込んでいると、俄に外が騒がしくなった。南に面した窓の外を見ると大鷲と五つの星、そして銀の車の旗を掲げた集団が向かって來るのが見えた。
大鷲の旗の旗を掲げるのは、ハメイル王國の兵士達だった。その先頭には、騎乗したゼファーが兵士達を率いていた。
ゼファーの右隣には、赤いドレスをに纏った公レーリアが、馬の鞍に橫座りをしていた。彼の後ろには筋が逞しい戦士マイスと共に、五つの星の旗を掲げるホヴォス連邦の兵士が続く。
ゼファーの左隣に視線を転じると、銀の車の旗を掲げるヘイレント王國の兵士達がいた。先頭には緑のドレスに、大きな瞳がらしい王ヘレンが同じく馬に揺られている。
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「ガンガルガ要塞を攻略した、ゼファー様達が戻った様だな。どれ、出迎えに行くか」
グーデリアが促すとロメリアも頷く。そして二人して館を出ると、館の前では席を外したレイヴァンとシュピリが待機していた。そこにゼファー達が到著する。
「よく戻られたな、ゼファー様」
「あっ、これはグーデリア様、ロメリア様。出迎えていただけるとは、恐です」
グーデリア達に気づいたゼファーが、慌てて馬から降りて禮をする。
フルグスク帝國の國力は、ハメイル王國の何倍もある。國家の格を考えれば、皇であるグーデリアがゼファー達を出迎えるのは破格の厚遇と言える。
「そなた達はガンガルガ要塞を制圧した勇者達だ。出迎えぐらい當然だ」
「いえ、全てはロメリア様の策があっての果です」
謙遜したゼファーがロメリアの目を向ける。だがそのロメリアは亜麻の髪の下、表を翳らせていた。
「私はただ計畫しただけです。実行に際し、ガンガルガ要塞から兵士をき出してくれたのは、ひとえにゼブル將軍の功績です」
ロメリアは目を伏せた。ロメリアの作では、ガンガルガ要塞の門を開かせ、要塞の守備兵をき出す必要があった。敵をい出すには窮地を演出する必要がある。
「私の策のせいで、ゼブル將軍が……」
ロメリアは聲を震わせる。ハメイル王國のゼブル將軍は、危険と知りながら敵をい出す役を買って出てくれた。そしてその結果命を落とした。戦爭であるのだから當然だが、やはり知り合いの死は重く苦しい。
「いえ、父も覚悟してのことです」
ゼファーはロメリアを責めなかった。この男はし見ぬ間に、いい男になったような気がする。
「それにしてもよくガンガルガ要塞を攻略してくれた。そなた達が要塞に旗を掲げてくれたおかげで助かったぞ」
グーデリアが話題を変えて労うと、ゼファーが一転して笑みを浮かべた。
「それなのですが、実は……」
ゼファーが首を返しと、鞍に橫座りしていたレーリアとヘレンが馬から降りたところだった。グーデリアとロメリアは、レーリアの姿を見て驚く。
「レーリア様、そのお姿はどうされた!」
「服が! 怪我をされたのですか!」
グーデリアは聲を荒げ、ロメリアが思わず駆け寄る。
レーリアのドレスの裾は破け、白い足が顕となっていたからだ。よく見れば髪もれ、一房切り取られているのが分かる。
「大丈夫です、怪我はしておりません」
明るく語るレーリアの顔には、どこか誇らしげですらあった。
「ロメリア様、貸していただいた服を、破いてしまって申し訳ありません」
レーリアが頭を下げる。そう言えばレーリアやヘレンが著ている服は、ロメリアから借りているものだったはずだ。
「それは構いませんが……でもどうしてそんなことに」
「グーデリア様、ロメリア様。要塞の主塔に旗を掲げたのは、レーリア様なのですよ」
レーリアの隣にいたヘレンが、笑いながらレーリアを見つめる。
「それは本當ですか?」
ロメリアが目を見開いてレーリアを見る。ヘレンが噓をつくとは思えない。しかし俄に信じられなかった。ガンガルガ要塞に目を向ければ、その主塔は山脈の様に天を衝いている。あの上に立てば、そこは目も眩むほどの高さだろう。よくやれたものだと心する。
改めてグーデリアはゼファー、ヘレン、レーリアの三人を見た。
正直グーデリアは、この三人をあまり評価していなかった。ゼファーは才能があっても神的に弱く不安定。ヘレンは溫室育ちの世間知らず。レーリアに至っては何もできない小娘でしかなかった。しかし今や、三人は驚くべき変貌を遂げていた。
ゼファーは背筋がび、以前より一回り大きく見える。ヘレンはらしい瞳の中に、何やら決意のが見えた。そしてレーリアに至っては颯爽とした振る舞いがあった。
彼らがこの後、何をすかは分からない。しかし何かをすだろう。そう予させるものがあった。
ヒュースを始め、誰も彼もが大きく変貌を遂げていた。ほんの半日の出來事で、人とはここまで変わるのかとグーデリアは心した。
「しかしレーリア様。その格好で軍議に參加するわけにもいくまい」
グーデリアはレーリアの服に視線を向けた。本人は気にしていない様子だが、若いが素をさらすのはよろしくない。
「新しい服を運ばせましょう。それまではどこかでお休みいただいては?」
ロメリアの提案にレーリアも頷く。
「グーデリア様、ロメリア様。すみませんが、そうさせていただきます」
「シュピリさん。お願いできますか?」
ロメリアが命じると、赤い服を著た書が頷く。そして手を差しべて案する。
レーリアはマイスと共にシュピリについてく。れ替わるようにホヴォス連邦のディモス將軍とヘイレント王國のガンブ將軍がやってきた。
そろそろ軍議が始まる時間だった。
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