《ネメシス戦域の強襲巨兵【書籍六巻本日発売!】》後方師匠面
2023/04/29 読者様より中學剣道で三所除けが止されているということを教えていただいたので本文修正しました!
「崩しとは腕を上げたなコウ。最初は三所避けに近い構えだったから守りに徹するかひやひやだったぜ」
「そんな戦は一突きで終わるさ。言った通りだったろ」
後方師匠面をしている兵衛とヤスユキの二人だった。モニタでセレモニーを見ている。
三所避けは彼らのいた時代、中學剣道では2000年代後半に止されている構えだ。
「兵衛さん。コウの勝利を確信していたからな」
「あたりめえよ。もうアシア大戦のコウ君じゃねえ。どんな敵にも即時対応できる余裕がある。死線をくぐりぬけた差ってヤツさ」
悠然と笑う兵衛。コウの長にふと孫の姿を重ねてしまう。
「――強敵との場數がな。違うんだよ。コウ君と今のヴァーシャでは埋められない程にな。ヴァーシャのシステマとやらが実戦戦闘であればあるほど、その差は出るだろうさ。コウ君とヴァーシャは。ストーンズは人材が不足過ぎる。あいつが前線に出ていたら、もっと接戦だったろうよ」
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「オッズはヴァーシャのほうが上だったぜ」
「ヘスティア曰く。『わけがわからない古代兵を倒した男と百人斬りだと人は後者に強さをじます』だと。さすがは商売の神だ。よく見ている。俺もそう思うぜ」
「ぼろ儲けさせてもらいましたがね!」
「俺もだ」
二人は悪い顔で笑い合う。
「本人は気付いているかどうか知らないが。――強敵相手にはどのような技にもある程度対応できる。おそらく試合では発揮できない部類の強さだよ。ヴァーシャの敗因は実戦故だな」
もし敵がヘルメスだったとしたら、試合なら違った結果になっただろうと兵衛は思うが、口には出さない。
実戦派に対応するために最適化された業が剣なのだ。
「抜刀を読まれているからこそ、合気に対し崩しを用いた戦に切り替えたんだな。ヴァーシャとしても神速の抜き撃ち、軌道変更の抜刀、カウンターは想定していただろう。しかし崩しまでは無理だった」
「今のコウ君には勝負強さがある。言い方は悪いが剣客というよりはしぶとく生き殘った戦國武將に近いな。どこまでも泥臭く、実戦的だ」
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「稽古でもあれほどの腕前を見せてくれたら、なあ」
「無茶を言うな。――気持ちはわかるぜ」
剣道の稽古だと、セリアンスロープたちよりも弱いコウだった。基礎力さえ違う。
「アナザーレベル・シルエットはなんとなく強敵を倒した程度の実だっただろう。今日ヴァーシャを倒したことでより自信になったろうさ。――忙しくなるぜ」
「そうですね。星アシアはきます」
ヤスユキも真顔で応じた。
コウの長。それは星アシアでの均衡を崩すものだ。
「バルバロイかなんだかしらんが星エウロパのきもあやしい。早めにトライレームも強化しないとな」
「ストーンズもですよ。ここは傭兵たちが集まりますからね。ヘルメスの出現によってアルゴフォースと半神半人の指導者層であるアレオパゴス評議會が対立しているそうです」
「ちとヘルメスは自由奔放すぎるわな。あんなヤツァ絶対平等とは相悪いに決まってらぁ」
ヘルメスを間近でみた兵衛だからこそ確信できる。彼は極めて魅力的で、野心があり、貪だ。絶対平等のストーンズとは相容れないだろう。
何故彼らストーンズを作ったのか、そのほうが理解できない兵衛だ。
「もうすぐヘルメスのコンサートがステージでありますね」
「興味ねえな。今からみんなで祝い酒だろ?」
「ですね!」
二人がコウの祝勝會會場に向かおうとした時、忍び寄る影があった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「コウ! 百舌鳥落とし! 當て!」
珍しくエメが興していた。コウは約束通り百舌鳥落としを披してくれた。
見事な勝利を収めたコウに、アストライアクルーも賞賛の言葉を口にする。
「半ば失敗だったけどね。さすがはヴァーシャだ」
「五番機のきが違ったね」
今やエメもすっかり五番機マニアだ。
「スラスターを用いた斬撃の応用だよ。地下闘技場の決勝戦で想定して強化はしていたんだ。今までは進む、刀を振る速度上昇のみ。今は引く速度も上げている」
「振る速度ではなく、戻す作?」
「そう。俺は考えをし変えた。必要だった疾さは別にもあるってことに気付いてね。敵に対応するためには構えに戻す、姿勢を制する――逆噴にも対応できるように対応していたんだ。ただ轟だけではアクチュエイターにはならない。そこは裝甲筋の質と工夫した。あくまで補助的なものだよ」
「よくそんなことを思いついたね。単純なようで、なかなか思いつかないよ」
「これは宇宙戦から著想を得たんだよ。宇宙空間の姿勢制。360度移しなければならないし、レールガンを構えるためにも全のスラスターが発する。斬撃も構えも疾さを重視した。必要な時だけ、轟によって裝甲筋の限界を超えた駆を行うから、相手のどんなきにも対応できる。それだけの話だよ」
フェンネルOSの姿勢制は優秀だ。その分、宇宙戦に適しているかどうか如実にきが違ってくる。
攻撃はよかった。宇宙では次の作に移行するタイムラグを痛したのだ。
今代のシルエットは地上戦しか想定されていない。キヌカワが用意した追加裝甲が無ければ、あそこまで戦えなかっただろう。
「実戦で使えそう?」
「相手の剣を巻き取り、もしくは弾きながら斬る技だから、囲まれた時には使えそうかな」
「五番機相手に斬りかかってくれる相手がいるかな?」
「いるさ。五番機の裝甲は簡単には抜けない。それなら斬るしかないだろ?」
「今の高次元投裝甲を抜く撃武はそうないしね」
Dライフル砲弾ならまだ有効だが、あれは生産コストも高く普及品とは言い難い。簡易型のLDライフルも高級機のみに限定されている。
「轟駆は試験的に使ってみたが、ブラッシュアップしてC型として採用したい」
「コウの居合いは抜刀速度だけじゃなくて、隙を無くす作を重視していたもんね」
「突き詰めればその考えそのままだ。隙をなく、どんな狀況にも対応する。――五番機頼りとはいえしは師匠の教えに近づけたかな」
エメは微笑みながらコウの話を聞いている。コウが過去を語ることはない。
「コウ。祝勝會の準備ができたにゃ。バーベキュー形式にゃ」
祝勝會の準備に勤しんでいたにゃん汰が二人を呼びにきた。
「そのほうが嬉しい。ありがとうにゃん汰」
「準備を続けるにゃ。待ってるにゃ!」
にゃん汰が小走りに走り去り、コウとエメが視線を合わせる。
「みんな主役を待っているよ」
「そろそろ行こうか」
コウとゆっくり話が出來たエメは珍しく浮き足立って、コウの手を引いて會場に向かった。
いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!
後方で剣の師匠たちがドヤ顔しています。三所除けは中學剣道でも止になったそうです。
五番機は魔改造狀態なので量産形態に落としてアップデートの必要がありますね。補給や修理が困難になりつつあります。
F-35やF-16やF/A-18はブロック表記ですがF-22はインクリメント表記。F-16は數字が30や32、40とか42単位ずつずれます。現在はブロック50ですね。
F-35Aはブロック3です。法則は機種事によって違います。マイナーチェンジはアルファベッドがつくのでF35Aのブロック1Aという表記。
ちなみにF-35B型とC型はブロック表記はまだないそうです。ややこしいですね!
ツインリアクター機になったり運用によって仕様違いが多発していそうなTSW-R1C型はやはりブロック表記でしょうか。
作者も混しそうなので振り返りします。アシア大戦初期、エメ救援初登場C強襲飛行型がブロック0。
量産型としてエースパイロットに支給された機がブロック1。
次に軌道エレベーターのアシア解放によってツインリアクターになったブロック2。
尊厳戦爭あたりはブロック2A。今の五番機は無理矢理改造した轟駆なのでブロック2Cぐらい。基本追加裝甲で対応しています。
補助として轟補助蔵した次の機がブロック3ですね。
そして絡み酒に巻き込まれた次回に、些細な、そして大きな事件が発生します!
ヴァーシャとバルドがいたら當然、あの人もね?
私事ながらアーマー○コア6の発売日が決まりました! 何回か言及していますが作者が本名がクレジットされているので思い出深いシリーズです。
ネメシス戦域が影響けたゲームいくつかありますが、影響をけたゲームはフロン○ミッションシリーズ、とくにオンラインが顕著ですね。リーコン(レコン)導などその最たるものです。
あとはギ○ンの野やガン○ム戦記などやはりゲームが主ですね。兵が徐々に発展していきますからね!
水星の魔といい、メカが熱い夏になりそうです!
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「地獄屋と申します」 地獄屋 それは地獄を売りつける仕事 別名、復讐とでも言おうか 地味すぎる、あだ名「ブス子の」女子高生 でも実際は超絶謎の美少女!? 彼女は一體何者なのか? 地獄屋とどのような関係があるのか? 「選べ このまま過ぎる時間で終わらせるか それとも…地獄を売りつけるか」 赤い瞳の正體不明の人物 地獄屋との関わりの中で変化する思い 高校生ならではの胸キュンストーリーも ちょっと不思議な青春を描いた物語が始まる ※ど素人作です。 たまに変な部分があるかもですが 溫かい目でご覧ください 更新周期は特に決まっていませんが 學生なので忙しかったりします なるべく早めに更新します
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