《VRMMOで妖さん》2692:お互いの子と仲良くなろう。
あ、エニュアンさんとスライムちゃんに寄りかかり気味の勢から元に戻って、エクセルさんにしだけすりすりしてから離れて行った。
「いえいえ、こちらこそ」
……多分だけど、「満足しましたありがとう」みたいなメッセージだったのかな?
それはそれで、何がこちらこそなのかよく解んないぞ。
ミシェルちゃんをダシにエニュアンさんと遊べたからとかかな。
エニュアンさんからすればただ遊ばれただけだろうけど。
「そういえば聞いてなかったけど、この子の名前は何にしたの?」
自分が呼んだ事で気付いたのか、割と遠慮なくぷにぷにしまくっているスライムちゃんの名前を確認するエニュアンさん。
なんか既にかなり仲良くなってるというか気にってない?
あんまりやってるとまたミシェルちゃんにこっちもかまってください攻撃をされちゃうよ。
いやただただ可いだけの攻撃なのでむ所だろうけど。
「ほえいちゃんですよー」
「……まぁあんたらしいっちゃあんたらしいし、多分関係無いけどそれっぽくもあるわね」
エクセルさんらしいって事は何かトレーニング用語……じゃなくてあれか、ヨーグルトとかで聞いた気のする言葉だな。
関係無いけどそれっぽいっていうのは見た目の話かな?
「あ、ちなみにひらがなです」
「それはどうでも良いわ。あ、ほえいに興味が無いとかいう話じゃないわよ?」
口に出すだけだから區別しようが無いけど、まぁ印象の問題とかは有るかもしれないね。
というかそのフォローは必要なんだろうか。
いやまぁほえいちゃんもなんか気遣いに嬉しそうな反応してるっぽいし、多分言っておいて正解なんだろうけどさ。
ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
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