《真の聖である私は追放されました。だからこの國はもう終わりです【書籍化】》203・時を編む竜の

孤獨には慣れていた。

唯一の友に裏切られ、我の心には絶よりも深い伽藍堂な空虛が満たされていた。

しかし、いつか友が我の前に再び姿を現すかもしれない。

もしヤツが現れたら、頬を思い切りぶってやろう。そしてその後は笑いながら、人間どもがよく嗜んでいる酒を呑みわすのだ。

ゆえに我は待ち続けた。

ヤツと何十回、何百回も剣をわした場所に──一人で。

だが、友は來なかった。

一年過ぎても焦りはなかった。

十年超えたところで怒りが生まれた。

三十年に達した時、無駄なことを考えなくなった。

その間、々なことがあった。

天変地異が起こり、友との獨りよがりの待ち合わせ場所が住むのに適さなくなった。

人間どもが腕試しとばかりに、ドラゴンである我を狩りにきた。

しかしヤツでなければ、我の心を支配する退屈は消すことが出來ない。

そして友を待ち続けて百年。

我はようやく悟ったのだ。

──ヤツはもう來ない。

そもそも友が現れることを夢想するなど、愚かな行為だったのだ。

我はなにを期待していたのだろうか。バカバカしくなる。

幸運にも、それからまた百年経過すると──我の前にお人好しの聖が現れた。

から『ドグラス』という素敵な名前をもらった。

のおかげで、次第に我の記憶から友のことは薄れていった。

だが、時折考える。

我の本當にしたかったこと。

我の後悔。

──もう一度、友に會えるなら。

その時、きっと我は──。

「頼む、エリアーヌ。我のバカな親友を救ってやってくれ」

ドグラスの想い。だが──過去はやり直せない。

切実なる想いは時を超え、竜たちの友に祝福を與えるか──!

『時を編む竜の人』編。

夏〜秋ごろに始められたらなと思っています。

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