《異世界でもプログラム》第五十八話 合流
俺とカルラは、荷や馬車を置いて、アルバンが戦っている場所に急いだ。
アルバンが負けるとは思っていない。
俺とカルラが問題に思っているのは・・・。
アルバンが、相手を殺してしまう可能があることだ。
アルバンの過去にも影響しているのだが、アルバンにはトリガートラウマが存在している。トリガーが引かれると俺やカルラが対応しないと、抑えられない。今回は、大丈夫だとは思うが、何があるかわからない。
アルバンを襲った奴らが殺されようが、どんな酷い結末を迎えようが、気にしない。
しかし、アルバンが落ち込むのは避けたい。暴走したことをアルバンが気にするからだ。
共和國のダンジョンを攻略している時にも、攻略組を自稱している奴らがアルバンに殲滅されている。
強さはウーレンフートで考えれば、下層を抜けるのが限界程度な奴らだったが、クズの見本市のような奴らだったので、殲滅は気にしなくてもよいとは思うのだが、アルバンが暫く落ち込んでしまった。
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「カルラ!」
「大丈夫です」
カルラも解っているようだ。
アルバンが暴走し始めたらきが変わる。本來の力が解放されるのではなく、近い者に攻撃を仕掛ける。それこそ、対象が死ぬまで攻撃を止めない。
見えてきた。
暴走はしていない。アルバンは、捕えた者たちの武裝を解除している。
「アル!」
「兄ちゃん!」
「何があった?」
カルラは、俺とアルバンを追い越して、倒れている男たちの後ろに回り込む
潛んでいる者や監視をしている者が居ないか確認をするためだ。
「おいら。兄ちゃんに言われた通りに、採取を行っていたら・・・」
馬車の中に保管していた薬草が減っているのに気が付いて、薬草の採取をしておこうと考えたようだ。
そこで、急に村人のような奴らに襲われて、返り討ちにした。
簡単に説明された狀況だけど、ほぼ、その通りなのだろう。
最初は、一般的な接だったようだ。
アルバンが採取してまとめていた薬草を分けてしいと言ってきたようだ。
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もちろん、アルバンは拒否する。自分で採取するなら好きにすればいいと伝えた。
元々、奪うつもりだったのか?アルバンが子供だったのか・・・。また、その両方なのか・・・。武を構えたので、アルバンは応戦した。
「カルラ!」
「大丈夫です。近くには、誰も居ません」
「わかった。さて、尋問を開始しようか?」
刀を取り出して、捕えられている者たちに近づいた。
それだけで、しゃべる。しゃべる。聞いても居ないことまで・・・。
共和國のダンジョンがあった街から流れてきた流民だ。
盜賊や野盜の様な行為は、初めてだから許してしい。らしい。許すわけがない。
「カルラ。こいつらを連れて行くのは面倒だ。殺していくか?」
「そうですね。私たちが必要な報を持っているようには思えません。奴隷商に売っても、共和國ではあまり意味がありません。帝國に連れて行くのは、面倒です。始末してしまうのがよろしいでしょう」
「そうだよな。アルバンを殺そうとしたのだから、殺されても、文句はないだろう」
刀を抜いて、男たちに近づくと、命乞いを始める。
アルバンを子供だと思って、楽に奪えると考えるような連中だ。ここで、逃がしても・・・。俺たち以外が被害にあるだろう。そして、同じ事を繰り返す。
「兄ちゃん?」
「ん?アル?どうした?」
アルバンが、男たちを指さして、アルトワ・ダンジョンで働かせると言い始めた。
その対価は、アルバンが育った”院”に送られる。金貨100枚分の対価の支払いが終わったら、命を助ける。自由にはしない。
アルバンが妥協點を提供した。
男たちは、アルバンの提案に飛びついた。
男たちは、俺たちが乗ってきた馬車に乗せられて、アルトワ・ダンジョンに向かわせる。
もちろん、男たちは拘束した狀態で荷臺に放り込む形にする。
面倒なので、馬車を曳いているヒューマノイドタイプに指示を出して、アルトワ・ダンジョンに向かわせる。エイダも一緒に向かわせる。
資は、俺が持っているから問題ではない。
エイダだけなら、アルトワ・ダンジョンから移ができる。ウーレンフートで合流すれば問題はないだろう。
カルラが、馬車を持ってきた。
男たちは何か言っているが無視して、荷臺に放り込む。
エイダに、ヒューマノイドへの指示を頼んだ。これで、馬車は大丈夫だ。エイダは、俺に著いて行きたいようだが、王國に到著したら、ウーレンフートに戻って、エイダとアルバンとカルラと一緒に王都に向かう。
「カルラ。行程は、大丈夫だよな?」
「はい。予定通りに進めば、10日以上の余裕があります」
「それなら、大丈夫だな」
いろいろあったが、行程をすっ飛ばしたことで、余裕が産まれた。
エイダには、”ウーレンフートで合流”を指示する。エイダも、やるべきことは解っているのだろう。
エイダには、アルトワ・ダンジョンの領域にったら、ダンジョンの最下層に移してもらう。
アルトワ・ダンジョンにいる者たちにも見せたくないが馬車には積まれている。それらを、一緒に最下層からウーレンフートに移送してもらう。魔石を使った魔道関連も隠しておく、この辺りなら必要な武も一般的なで十分な対処ができる。
他にも、防も落とすことにした。
馬車を使っていない事を國境で何か言われる可能がある為に、必要最低限の武と防だけを持って移する。
クォートとシャープと合流が出來れば、行商人の真似事を偽裝するくらいには荷を持って國境を越えられる。
エイダの馬車には、男たちの行為と処分を書いた手紙を添えておく、カルラがいうには途中で馬車に、俺たちを見守っている者たちが合流するので、無人でも大丈夫だと言われた。
「大丈夫なのか?」
「はい?」
「俺の監視が居なくなるのだろう?」
馬車が離れたタイミングで、人が離れていくのが解る。
「大丈夫です。代わりの者が來ます」
「そうか・・・」
代わりがいるのか?
まぁ居るだろうな。
探索を、生命探知系のスキルに切り替えれば、範囲が広がるのが解る。
カルラが言っている代は、範囲には居ないようだ。
生命探知に切り替えれば、平面になるが、距離がばせる。
森の中なら、生命探知の方がいいだろう。アンデッドなら見た目で解る。きが怠慢だから、見てからの対応でも大丈夫だ。空からの奇襲もあまり考えられない。下からの奇襲は無いと考えていいだろう。
生命探知にスキルを切り替えた。
シャープとクォートがこちらに向ってくるのが解る。
急いでいるのか、加速している。
問題があれば、連絡はできる。
しまった!
魔石を取り出して、カルラに投げる。
「カルラ。クォートに狀況の説明を頼む」
「え?」
「クォートとシャープがこちらに急いでいる」
「・・・」
「多分、俺たちが乗っているはずの馬車が加速して、戻ったから、急いで合流しようとしていると思う」
「そうですね。わかりました」
カルラは、納得して連絡を始める。
「兄ちゃん。ごめん」
「アル。この辺りに、視界が開けた場所は?」
「え?」
「クォートたちを導するにしても、森の中だと奇襲が怖いからな」
「あっ!うん。見つけてあるよ」
アルバンの導に従って移する。
場所は、離れていないが、確かに視界が開けた場所だ。
2-3メートルの高さの丘になっている場所だ。
ここなら、奇襲は難しいだろう。このくらいの高さなら、生命探知のスキルを使っていれば、近づいてくる者たちを見つけることができる。
それに、アンデッドが出てきても、見つけられる。対応も十分に行える。
「カルラ。アル。クォートたちと合流したら、王國に戻るぞ」
「はい」
「うん」
二人とも、嬉しそうに返事をする。
王國を離れて、共和國のダンジョンを攻略した。
新しい力は、得られなかったが、基礎力は上がったと思う。
制が楽になっている。
余裕がじられるようになってきた。
森から、クォートたちが乗る馬車が見えた。
アルバンが、馬車に向って駆け出す。
何度も言っているが・・・。アルバンの行は俺の制止よりも早い。
確認を取ってからき出してしい。
丘の頭頂部に座っていると、注ぎ込む太が気持ち良い。風も気持ちがいい。吹きおろしの風だ。
「アル!」「アルバン!」
何があった?
俺とカルラは、武を抜いて走り出していた。
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