《7 Start》

亀裂

月見山やまなし瞳

18時40分

私はとある男と食事をしていた

の名前は山

君は普通の大學生で、現在コンビニでバイトをしながら、學校に通っているかよっている

君は數年前にネットで知り合った友人で、そこそこ仲が良いいい

最初はチャットでお喋りをしてるだけだったけど、それがいつしか通話になり、お互い住んでる地域も近いと言う事で、今ではリアルで會う事も増えている

今回は私がSNSに書き込んだ「食事相手募集」の投稿にメッセージをくれて

わざわざ車で1時間かけて、私の指定した場所まで來てくれた

君は私を見ながら嬉しそうに喋りだす

「瞳ちゃんと食事するの久しぶりだな〜」

「そうだねー、この前の食事は半年前ぐらいだもんね〜」私はタメ口ぐちで返事をする

ネットの世界は匿名が高いのもあってか、上下関係があやふやだ

リアル世界のように、上下関係を重んじたり、丁寧に接する事をとする文化ももちろんあるけれど、インターネットの世界ぐらいは、堅苦しいのを抜きにしてやりたい、と言う層も一定數居る

タメ口ぐちを使う事は仲が良い証!と捉えてる人も多いので「タメ口ぐちで良いいいよ」と言うやり取りは頻繁に行われている

私と山君は高校生と大學生だから、本來なら敬語で接するのが自然だけれど、お互いにタメ口ぐちで良いいいと言う、ネッ友が通るお決まりルートをしっかりと通っていた

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「今日は僕がご馳走するから遠慮なく食べてね」

そう言いながら山君は私にメニュー表を渡してくる

「わ〜い、ありがとう〜」

私はそれをけ取り、メニュー表に目を落とした

メニュー表には様々なステーキが並んでいて、サイズがメガステーキ200gグラム、ギガステーキ300gグラム、テラステーキ700gグラムの3種類から選べた

「最近學校は順調?この前まえ數學が分からないって嘆いていたけど」

うーん、ガッツリ食べたいではあるけど、SNSに投稿する事を考えると…ここは無難にメガかな…

「……………」

君が何かを言っていたような気がして、私は聞き返す

「あ、ごめんなんか言った?」

「いや、なんでもないよ、僕もどれにしようか悩んでた所」

「そっか」

あ!そうだ!良いいい方法を思いついた

「山君山君!テラステーキ行っちゃいなよ?」

「え!?流石に多いんじゃ…」

「山君なら行けるって!まだまだ食べ盛りざかりでしょ?」

「うーん…」

「山君の〜♪ちょっと良いいいとこ見てみた〜い♪」

「なにその大學生の飲み會みたいなノリ…うーん、でも、行くか…僕はテラステーキにするよ」

「流石山君!山君の漢気おとこぎに便乗して、私はギガステーキにするよ!」

そう言うと、山君は店員を呼び出し二人分の注文を済ませた

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店員が廚房に向かって行ったタイミングで、山君が喋り始める

「瞳ちゃん最近どう?學業とかアルバイトとか」

「うーん、學業は微妙かな〜、あんまり勉強とか得意じゃないからさ〜、アルバイトは探してるんだけど、なかなか良いいい所が見つからなくて、やってないかな」

私が適當に返事をすると山君はその話題を更に掘り下げて來た

「瞳ちゃんはやってみたいバイトとかあるの?」

君の質問に、しだけ頭を働かせる

やりたい仕事か…

特に思いつかない

と言うか、特にお金に困る事がないので、アルバイトをやろうと言う発想自浮かんだ事がない

お洋服や、アクセサリーや、化粧品等は、親から貰ってるお小遣いで買えているし、カラオケ等の遊びにしても、お小遣いの範囲で収まっている

やりたい仕事が思い浮かばないので、私は山君に話題を投げる

「うーん、思いつかないかな、山君は今もコンビニで働いてるの?」

「そうだよ、最近はバイトリーダーを任されてる」

「へぇ〜、バイトリーダーか〜!凄いね!山君はなんでコンビニで働きたいって思ったの?」

「うーん、人生経験になるから、かな」

「人生経験か〜」

「有名な畫配信者がこう言っていたんだ「社會に出る前にコンビニとかでアルバイトしとくと面白いおもしろいですよ、社會に出たら関わり合いにならないような底辺の人達とコミュニケーションが出來るので」ってね、大學院を卒業したら、研究や開発職に就こうと思ってるんだ、だから、そう言う層と関われるのも今のうちかなって」

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「そっか〜」

なんだか凄く上から目線な理由だ

まぁ彼は確かに優秀ではあるのだけれど

なんでも偏差値の高い有名な大學に行っているらしく

將來は大になると學でも噂になっているらしい

これは山君本人から聞いた報なので

何処までどこまでが見栄なのかは、判斷がつかないけれど

それでも、彼はそれなりの努力をしているのだろう

人を見下さなければ、良いいい男なのに、本當に殘念なじだ

そんな事を思っていると

店員さんがスープとサラダを持って來てくれた

私はスープとサラダの寫真を綺麗に撮影する

カシャリ

うん、綺麗に撮れてる

寫真に満足した私は「いただきます」と口にして、サラダとスープを頂く

サラダはシャキッとしてて歯応えがとても良いいい

スープはとても優しい味がした

味しい」

私の呟きに山君も無言で同意を示した

しばらくすると、メインであるステーキとライスが運ばれて來た

「お待たせいたしました、ギガサーロインステーキと、テラサーロインステーキでございます、熱いのでお気をつけてお召し上がりくださいませ、失禮いたします」

店員さんはテーブルにステーキを置き、優雅に去って行った

私はステーキを見て、思わず聲を出す

味しそう〜」

ジュウジュウと音を立てるおに、私のテンションは上がっていた

「思った以上に大きいね…700gグラム」

君はステーキの大きさに驚いているようだ

私は再び攜帯を取り出し、私のステーキと、山君のステーキと、山君の腕がしだけ寫るようなアングルで、寫真を撮影した

カシャリ

うん、良いいいじに3つともってる

私はサラダとスープとステーキの寫真に「素敵なステーキ」と言う文章を添えて、SNSに投稿した

20時17分

食事を終えて店の外に出た

「お味しかった〜」

私がお腹をポンポン叩きながら言うと、山君もお腹を抑えながら「そうだね…」と同意をしてくる

しばらく無言で歩いていると、山君が

「もう暗いし、家まで送るよ」と車の鍵を見せてくる

私は間を開けずに聲を出した

「あー今から寄る所があるんだ〜」

私の返答を聞いた山君が追撃してくる

「大丈夫だよ、場所さえ教えてくれたら」

「あ〜でも他の友達とも合流するから、気まずいと思うし〜」

「大丈夫だよ、こう見えて初対面の相手とも難なく話せるし」

「いや〜でも〜山君がと言うよりは、友達の方が気を遣うと言うか〜」

「うーん、じゃあ仕方ないか」

どうやら諦めてくれたみたい

私はほっとで下ろし、山君に別れを告げた

「じゃあ、そう言う事なので〜、また今度〜」

君は笑顔で手を振る私に無言で手を振っていた

20時42分

君と別れて一人夜の街を歩く

君から逃げるように歩いて來たから、都會の方からは遠ざかっていた

私が何故、山君の車に乗らなかったのかと言えば

それは、かつみルールに反するから

かつみルール…、それは私とかつみのの結晶

私とかつみが作り上げた、の形

私とかつみは1年前に大喧嘩をした事がある

その時に話合いをして出來上がったルールこそが、かつみルールだ

このルールには絶対服従

従わなければ二人の永遠のがなくなってしまう

かつみルール8番「異と二人きりの時に車に乗るな(親族を除く)」

このルールは絶対だ

君は普段から紳士的な男だし、信頼はしている

例え私の事が好きであったとしても

無理矢理酷い事をしたり、ホテルに連れ込むなんて事は、しないと思ってる

ただ、だからと言って二人きりの車に乗車する事はできない

それは、かつみルール違反!

私とかつみの為にも、このルールを破るわけにはいかない

幸いこっちの方向にも駅はあるし、しだけ遠いけれど、仕方ないと割り切る事にする

コツコツ

「…………」

コツコツ

「……………」

人気ひとけのない道で私の靴の音だけが、大きく聞こえる

「………………………」

コツコツ

辺りは薄暗く、切れかけの街燈が私の不信を煽っていた

「………………………………」

コツコツ

なんだろう、誰かに見られてる気がする…

「………………………………」

コツコツ

もしかしてストーカー?

コツコツ

でも心當たりがない…

コツコツ

私は確かにモテるし可いけれど

コツコツ

ストーカーなんてされた事は一度もないし

コツコツ

もしかして変質者?

コツコツ

い私が一人で、無防備に夜の街を歩いているから、目をつけられた?

コツコツコツコツコツコツコツコツ

バッ!!勢いよく振り返る

「……………」

辺りを見回すが人の姿はない

気のせいかな…?

私は再び歩き出す

コツコツ

「…………」

やっぱり気配をじる

コツコツ

なんだろう急に寒気さむけがして來た

コツコツ

やばいやばい

コツコツ

バッ!!勢いよく振り返ると

そこには…

電柱に隠れて行く先生の姿が見えた…

「…………」

はぁ〜〜〜……なんだ先生か…

私は先生の隠れた電柱の反対側に隠れて、先生がこちらを覗き見しそうなタイミングで顔を出した

「わ!!!」

「きゃああ!」

先生は私にビックリして、餅をつく

「先生なにやってるんですか?」

私の質問に先生はゆったりとした口調で答えた

「バレていましたか…、夜道で瞳さんを見かけたので、変質者に襲われないか心配で、尾行していたんですよ…」

「変質者って…変質者は先生ですよ!電柱の影に隠れて尾行するなんて!危うく心臓が飛び出しそうでしたよ!」

「すみません、私も聲をかけようか迷ったんですけど、生徒のプライベートを尊重するべきかと」

「プライベートを尊重するなら、尾行は本末転倒ですよ…、それに先生だってなんですから、私が襲われた場合、二次災害になりかねませんよ」

「大丈夫ですよ!先生はこう見えて結構強いんですから」

先生は拳を握り、ガッツポーズをする

私はそれを見て苦笑いを浮かべる

先生の名前は海馬白歩かいばしほ

私が在學している高校の教師で、擔當科目は公民系

先生は天然な格で、クラスでは男共に人気がある

私は最初ぶりっ子な先生かなと思っていたけど、接する度に、これは本だと日々認識を改めさせられていた

ガッツポーズをやめた先生は、急に私を指差して、説教を始めた

「瞳さん!高校生がこんな時間に外を歩いて居ると危ないですよ?」

「まだ21時くじにもなってないですし、過保護すぎじゃないですか?」

「そうかもしれません、ですが最近この辺りの治安は

あまり良くないのです、瞳さんはネットの記事等はお読みになりますか?」

「読んでないですけど…この辺りで何かあったんですか?」

「最近この辺りの地域の良からぬ噂が、ネット上に飛びっているんですよ、怪しい薬がばら撒かれてるとか、被害にあってるがいるとか」

「そうなんですか、全然知らなかったです」

「まぁあくまでも噂なので、知らなくても仕方ない事ではあります、でも気をつけて行する事は大事ですから」

「そうですよね、以後気をつけます」

「よろしい、それでは今日は先生が家までお供いたします」

「いえ、駅までで大丈夫ですから」

先生の過保護すぎる提案を卻下しつつ、駅を目指して歩いた

22時32分

お風呂から上がった私は、自室のベッドで橫になる

かつみはまだ打ち上げをしているのかな?

明日は學校もあるし流石にお開きになっているかもしれない

私は攜帯を開き、かつみに向けてメッセージを書く

書いた文章を軽く確認してから、送信ボタンを押した

攜帯畫面には「メッセージが正常に送信されませんでした、再送しますか?」と言う文字が出て來た

私は急に送る気が失せて「再送しない」のボタンをタップした

メッセージの畫面からSNSの畫面に切り替えると、ステーキの投稿に大量の反応が來ていた

「ステーキ味しそう」「奧に寫ってるの彼氏?」「ステーキを食べる瞳ちゃんも素敵」「やっぱりステーキは塩だよね!」

大量のコメントを流し読みしていく

コメントいっぱいで返しきれないな〜と思いながら読み進めていくと

ドライアイが書いた「アピールが気持ち悪い」と言うコメントに、大量のお怒りコメントが付いていた

私はお怒りコメントを一通り読み終えてから、ふと先程の先生とのやり取りを思い出す

ネットで流れている悪い噂

それはどんなモノだろう

SNSの検索機能を使い、し調べてみる事にした

すると複數の記事がすぐにヒットした

私はその中の一つ、個人ブログのような記事を閲覧する

「えっとなになに、最近○○街では怪しい事件が続出している、この近辺には飲食、娯楽を含めた商業施設が多數あり、休日や祝日には多くの人で賑わっている、一見すると平和で安全そうに見える街だが、今年にってからはし様子がおかしい」

私は攜帯をスクロールさせて文字を読み進める

「とある筋からの報によると、近くの警察署に怪しい事件の被害屆が、複數提出されている事が判明した、被害者はいずれもで、夜の街で急に意識を失い、気づいたら見知らぬ場所でになっていた、と言うものである、警察は最初酔っ払ったが起こした珍事だと判斷して、真面目まじめに取り合わなかったが、同じような事件が2件、3件と続いた事で、きわめて悪質な事件の可能があると、判斷を改めた」

どうやら先生の言っていた事は大袈裟ではなかったようだ

あの時に尾行をしていたのが先生で良かったと、今更ながら思う

「近頃この街では悪い噂がかなり多く、警察関係者も右往左往しているのが現狀だ、一人一人の意識改革が悪い事件を未然に防ぐ事に繋がるはずである、意識改革の為に、拡散お願いします!みんなの力が必要です!」

このブログ…凄く良いいい事書いてかいてる…

私は注意喚起の意味も込めて、このブログのURLと一緒に「みんなもにされないように気をつけよう!」と言うコメントを書いてSNSに投稿した

23時40分

そろそろ眠らないといけない

私がベッドの上にダイブすると、タイミングを見計らったかのように攜帯が鳴った

攜帯の畫面を確認すると、親友である夢ゆめちゃんからメッセージが屆いていた

なんだろうと思い中を確認する

「瞳ちゃん、SNS見ました、もう我慢出來ないので瞳ちゃんには伝えます…」

私は…、その先の文章を見て…、言葉を失った…

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