骨だけになった異形種のペリカンの攻撃が予想外過ぎる！　の形をした瘴気の塊に水の作が噛みつかれた上に、その部分がどんどん侵食されて作出來なくなるとか想像してなかったわ！　生量の多い水の作Lv10だから耐え切れてるけど……この攻撃は普通にけたらとんでもなくヤバい気がする！

ともかくジェイさんに指揮を任せたんだから、俺は防に専念で！　この攻撃……いつまで続くんだ？　あー、その辺の切り替わりにも要注意か。完全に未知な攻撃パターンだし、防の対応を誤れば危険なのは確実だしな。その辺に意識を割きつつ、ジェイさんの指揮を聞いておかないと！

「あ、瘴気が消え……って、おわっ！？」

ちょ！？　噛みついている瘴気の塊が消滅したと思ったら、今度は新たに瘴気を全に広げて突っ込んできた！？　えぇい、とりあえずこれをけ止めて……くっ、流石に突撃だと作時間も削られるけど、それ以上にれた部分から生した水が作出來なくなっていくのがキッツい！

「これは！？　変幻自在に姿を変える瘴気が、の代わりとしていているようですね！　標準狀態では翼となり、攻撃に移る際にはその部分へ大きく形を変えていくようです！　形のあり方としては、魔力集中に近いのでしょうか？　そして、これまでには存在していなかった、水の作へと侵食していく瘴気！　このスクショは非常に面白い！　えぇ、今回この場に來たのは正解でしたようですね！　これほどの景が――」

なんかまたルストさんが語り出してるけど、そこはもう聞き流そう。でも、確かにペリカンの攻撃に合わせて瘴気が形を変えているのは間違いないし……それがこの敵の特徴ってじはするよな。攻撃部位に出てくる魔力集中の効果に近いものはじるし、『瘴気』と『侵食』の2屬が乗った魔力集中の効果の可能はありそうだ。

それにしても……何度もぶつかってきてるし、連続での突撃系の攻撃か！　でも、銀は放っていないから応用スキルではなさそう？　……通常スキルでこの威力かよ！　威力というより質が厄介だな！？

「ケイさん、抑え切れますか？」

「まだまだ余裕だっての！」

「……それならいいのですが、油斷はなさらないようにお願いしますよ」

「分かってるって！」

水の作がLv10だからこそなんとか耐え切れてるだけで、ヤバい攻撃だって事くらいは承知済み！　フィールドボスに相當しているのかは不明だけど、なくとも攻撃については迂闊にけたらヤバいものだってくらいは分かってる！

おし、一旦攻撃は止まった。まだ攻勢には移れる狀態にはなってないけど、ジェイさんはここからどうする？　って、また噛みついてきたか！　くっ、これが収まったら1回、再発してあのペリカンを閉じ込め……いや、その辺の方針はジェイさんに任せてるんだし、今は防に徹しよう！

「ヨッシさん、確か強化統率を持っていましたね？　1ほど生してもらって、あれがどういう質を持つ攻撃なのかを確かめてもらっても構いませんか？」

「実験臺にするのはいいけど……どう生して、どうかしたらいいの？」

「無屬で突っ込ませて下さい！」

「了解！　『強化統率』！　ハチ1號、『近距離攻撃』！」

何も屬を持たせずに生した統率個だから、シンプルに針で刺しに攻撃しに行ってるし、邪魔しないように通る部分の水を空けておけば、ペリカンに向かって飛んでいってるね。さて、これでどうなるか？

あ、ペリカンにはあっさりと針が刺さったけど、れた瞬間に『瘴気汚染』になっているね。それどころか、噛みつきを終えたペリカンが纏う瘴気が統率個のハチを包みこんで……あ、きが止まって――

「え、ヨッシ！？　統率個が消えたよ！？」

「まだHPは殘ってたのに、なんでかな！？」

「……スキルの効果が、強制的に打ち消されてるのかも？」

「およ？　それだと相當厄介だね。ジェイさん、どうするー？」

明らかに不自然なじでヨッシさんの統率個のハチが消えたけど……レナさんの言うように、屬『侵食』は相當厄介な質を持ってる可能が高いな。規模次第で完全に打ち消せる訳じゃないっぽいけど、スキルのキャンセル能持ちはかなり面倒だぞ。

「……斬雨、統率個では分かりにくいので直接攻撃をお願いできますか？　下手をすれば厄介な狀況になりそうですが……」

「はっ！　『斬撃耐』持ちが相手だと出番がねぇかと思ったが、誰かが確認しなきゃいけねぇだろうし、そのくらいはさせてもらおうか！」

「えぇ、無茶振りなのは承知ですが……近接攻撃が可能かどうかの確認が必要ですしね。とりあえず通常スキルで攻撃を！」

「おうよ！　『魔力集中』！　ケイさん、出してくれ！」

「ほいよっと！」

「おらよ！　『切り』！」

斬雨さんが水の防の外に出て、思いっきりペリカンへと斬りかかっていく。でも、ペリカンの骨に當たって盛大に弾かれてるっぽいね。

「ちっ！　やっぱりいが、全くダメージがってない訳じゃ……くっ！」

あー、斬雨さんの全を包み込むように瘴気がびてきて、きが止まった？　統率個と違って『瘴気汚染』にはなってないみたいだけど、『瘴気耐Ⅰ』辺りが上手く機能してるのかも。もしくは得たばかりの『瘴気屬強化Ⅰ』か？

「斬雨、どうなりましたか！？」

「どうもこうも、まだ連撃數は殘ってるのにキャンセルされたぞ！　この狀態は実がないのか、きは封じられてねぇがな！」

「……やはりですか。そのまま続けて、普通の応用スキルで攻撃を！　どこまでの範囲が無力化出來るかを確認します！」

「そうなるわな！　いくぜ、『連閃』！」

まだ斬雨さんの周囲に瘴気がびたままだけど、今回はちゃんと銀を放って連撃が次々と骨部分に當たってはいるし、銀も連撃が當たるのに合わせてどんどん強まっていっている。でも、これは……。

「ちっ！　相最悪にも程があるだろ！」

「応用スキルであればキャンセルはされないようですが……『斬撃耐』の方が厄介ですね。斬雨、黒の刻印は刻めますか？」

「やるだけやってみるが、期待はすん――」

げっ！？　一気に瘴気が膨れ上がって、元々大きなペリカンが更に大きな狀態になった！？　黒の異形種ってゾンビかスケルトンってイメージだったけど、今の様子を見る限りじゃ瘴気が変するだよなー！？

「また突撃……って、今度は銀ありかよ！？」

「テメェ、無視か！？」

ちょ、斬雨さんを完全に無視してこっちに連続で突っ込んでくるって！？　シンプルに威力で作時間も削られるし、れる積が広いから、一気に駄目になる水が多い！？　このままで保つのか！？

いや、どこかで再発しないと作時間はともかく、防に使う水自が足りなくなりそう！　だー！　1人で防をし切れるようには用意されてないだろ、これ？

「ホホウ！？　ケイさん、大丈夫なので！？」

「結構ヤバいかも！　再発するから、その間に抜けてきたら誰か防を頼んだ！」

「そんなにですか！？　アルマースさん、スチームエクスプロージョンで打ち上げて強引に距離を取ります！　ケイさん、解除の際に合図を！　スリム、皆さんの固定をお願いします！　斬雨、一旦戻って下さい！」

「了解だ！」

「ほいよっと！」

「ホホウ、了解なので！」

「ちっ、仕方ねぇか！」

強引な手段なのは確かだろうけど、今はそれくらいの無茶が必要っぽい！　格上の特殊な敵で、その上これだけ攻撃的だとキッツいわ！

でも、出來るだけ連撃は使い潰させておきたいし……よし、もうギリギリだけど、みんなの固定は済んだみたいだし……ここだ！

「解除、行くぞ！」

「アルマースさん！　『略：ファイアクリエイト』！」

「吹っ飛べ！　『アクアクリエイト』！」

真っ正面から俺の水の作へ突っ込んできていたペリカンの攻撃は空振りになり、その真下から大きな音が轟き、ペリカンは上空へと吹き飛ばされていく。

俺らへも余波はあったけど、スリムさんがみんなを土に埋めた狀態にしてたから、なんとか無事だな。ふぅ、流石は土の作Lv10だね。直撃をけた訳じゃないけど、昇華魔法でもしっかりと耐え切ってるよ。

＜行値10と魔力値20消費して『水魔法Lv1：アクアクリエイト』を発します＞　行値　102/124（上限値使用：1）：　魔力値　270/310

＜行値を2消費して『水の作Lv10』を発します＞ 行値　100/124（上限値使用：1）

とりあえず俺も、即座に水の作を再展開！　連撃は多分使い切ったと思うけど、それでも他の応用スキルでの追撃の可能はあるからね。てか、攻撃的過ぎてヤバいな、この敵！

「およ？　今のでHPが半分以上は削れてるねー」

「……攻撃が高いだけで、魔法への耐久はそれほど無いようですね？」

「回避行もそれほどじゃないみたいだし、一気に攻めに転じるのがいいかもしれないね。まぁ今のは咄嗟に避けてはいたようだけども……」

「直撃前に、一気に真上に飛び上がってたからねー！　魔力視で昇華魔法には反応はするのかも？」

「シュウさんと彌生さんの見立てはそういうじだそうだが、ジェイ、どうする？」

「……そうですね。ここは下手に守りを固めるよりは、攻撃に転じた方が良さそうですか」

「まだまだ行値と魔力値は殘ってるから、それなりには耐えられるぞ！」

一応、俺の狀態も伝えてはおく！　とはいえ、あんまり防戦一方で進めるのもよくはない狀況だよな。ぶっちゃけ、1回でも今の水の作を破られるとは思わなかったわ！

水の作Lv10を、黒の刻印の剝奪以外の力技での突破とか……攻撃の威力が半端ない！　それ以上に、瘴気で攻撃範囲を広げて、れた場所の水を駄目にしてくるとかキッツいわ！

「わわっ！？　今度はチャージを始めたのさー！？　全だから、突撃系なのです！？」

「……白も放ってるし、あれはどうなってるのかな？」

「『守護』ならキャンセルを防がれるし、『剛力』なら威力がとんでもない事になりそうだね」

どっちだとしても、非常に攻撃的なのは間違いない。あー、また瘴気で大きな姿に変えているし……すごい厄介だな。全的なバランスとしてはフィールドボス相當にはなってないけど、攻撃面については完全にフィールドボス相當な気がするわ！　下手すると、それ以上の攻撃特化型なんじゃね！？

「……決めました。スミ、ジャックさん、上空で飛んでいるあれに痛い一撃を叩き込みますよ」

「ふん、上等だ。それで的にどうする？」

「組み合わせ的に、魔法弾でも撃ち込む気か？」

「えぇ、そのつもりです。シュウさんと私のどちらかがアースエンチャントで土屬を付與しますので、そこに魔法弾にしたゲイルスラッシュを投げ込んで下さい」

「なるほど、弱點を強引に作る訳だね。ジェイさん、そこに白の刻印は必要かい？」

「白の刻印で増幅が可能なのであれば、それはお願いします。ジャックもそのつもりでお願いしますよ」

「あぁ、了解だ」

なるほど、付與魔法で弱點を作って、白の刻印で威力を高めた暴風魔法を叩き込む作戦か。持ってる屬や特、ここまでの攻撃パターンから考えると、ほぼ確実に理型だしね。

「彌生さんと斬雨は、撹をお願いします。あと、黒の刻印の低下をお持ちの方はいますか？　魔法への抵抗も下げておきたいのですが……」

「あ、それなら私は持ってるかな！」

「私も持っていますね」

「サヤさんと水月さんがお持ちなら……そうですね。私、斬雨、サヤさんの3人と、シュウさん、彌生さん、水月さんの3人で2手に分かれましょう。隙を見て、刻める方が黒の刻印を刻むという事でよろしいですか？」

「分かったかな！　よろしくね、斬雨さん、ジェイさん！」

「おう、よろしくな！」

「僕らも頑張ろうか、彌生、水月さん」

「もちろんだね、シュウさん！」

「えぇ、やりましょう！」

なるほど、同じ役割を持つのを2つ用意か。まぁ用意周到なジェイさんっぽいやり方だし、有効な手段なのは間違いないね。攻撃の狙いに変化がある可能も否定は出來ないし、とんでもない威力になる事を想定すれば、いい手段だろ。

「スミとジャックさんは攻撃の準備を！」

「ふん、任せておけ。『魔力集中』『魔法弾』！」

「さて、どの程度効くかはやってみての判斷だな。『白の刻印：増幅』『ゲイルスラッシュ』！」

さて、攻撃準備は著々と進んでいるけど……この手段だと、確実に俺らの攻撃の方が後手に回る。そこは俺が耐え切るしか――

「レナさんとハーレさんで、あのチャージをキャンセルは出來ますか？」

「およ？　んー、私は今、消去も剝奪をセットしてないんだけど……ハーレはある？」

「両方セットしてるから、どっちでもいけるのさー！」

「それならいけそうかも？　あ、ヨッシさん、わたしがハーレを背負って突っ込むから、落とさないように氷で固定してもらえない？」

「あ、うん。それなら任せて！」

「それじゃ、妨害しに行くのさー！」

「よっと！　それじゃヨッシさん、お願いね」

「了解！　『アイスクリエイト』『氷塊の作』！」

別に俺に耐えるのを任せた訳ではなかったっぽいね。まぁそれでも、確実にキャンセルが出來るとも限らないけど……。レナさんが消去か剝奪が出來れば良かったんだろうけど、何をセットしてるかはその時次第だしなー。

「ジェイさん、キャンセルはいけると思う？」

「……どうでしょうね？　無事に辿り著けるかが問題なんですが……」

「およ？　足場の石が消えた！？」

「え！？　それなら、私が持ち上げ……わっ！？　私の氷までちょっとずつ消えてる！？」

「わー！？　これ、厄介なのさー！？」

あー、なるほど。代わりに広げている瘴気にれても、これまでと同じように足場が無効化されるのか。……近付くの、難しくね！？

「彌生、僕らは上に回り込んで落下しながら狙っていくよ。『アースクリエイト』『巖の作』！」

「この狀況なら、そうなるよねー！　レナ、お手本ありがと！　水月さんも行くよー！」

「あ、はい！　分かりました！」

「彌生のお手本のつもりじゃないんだけどー！？」

あぁ、そうか。移用の足場が消されるとしても、あのの拡張に使っている瘴気には攻撃する時までは質量がないっぽいもんな。『瘴気汚染』にならないなら、自由落下で近付けば済む話か！