《ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からのり上がり~》もしかしてちゃんと話せばわかる系の人?
「くっ、はぁはぁはぁ。チッ!」
「今の……何? ハクアは知ってたの?」
「いや、おばあちゃんが試練だなんて言ってたのに、こんな簡単に終わるわけないと思ってただけ。追い詰めて追い詰めて最後にダメ押ししながら、うふふと微笑む姿がありありと想像出來た」
「うわぁ……確かに。でもそれ、私巻き込まれてるよね?」
「違うよ一蓮托生だよ。そしてどっちかと言えば君の試練なんだが?」
「えぇ……でも難易度調整されてると思う」
それは私もしそう思う。
「まあ、想定よりもずっとヤバそうだけど」
「正解だな」
「「ッ!?」」
一いつからその場に立っていたのか。
あまりにも自然にそこに居たのは一人の男だ。
いや、それは一人と言っても良いのだろうか? 紫の引き締まった見上げるほどの人型の筋の軀、しかしその頭は三つの首からなるドラゴンの顔が付いている。
人でありドラゴンでもあるそれが立っていた。
「あいつが私達を攻撃してきたかな? ハクア?」
Advertisement
いきなり登場したそのドラゴンに視線を向けたまま、ハクアに質問するミコト。
だが、その言葉に返答がない事を訝しみ、視線をチラリと橫に向けると、ハクアはぐように呼吸を吐き出し言葉を絞り出す。
「……冗談。キツくね?」
「ハクア。知ってるの?」
「知らない。けど、予想なら出來る」
三頭、三口、六つ目の容姿。
それぞれの頭が苦痛、苦悩、死を現す絶対悪。
千の魔法を持ち、そのからは爬蟲類などの邪悪な生きが這い出すと言われる怪。
その名は───
「アジ・ダハーカ。まさかアンタがそうなのか?」
「まだ吾を知る者がいるとはな……そうだ。天魔の小娘よ、吾がアジ・ダハーカだ」
最悪だ。
ハクアは心で悪態を吐き靜かにアジ・ダハーカを観察し始める。
そこでふと気が付いた。
アジ・ダハーカと名乗るこの龍に足りないもの。
それに───。
「ほう。覇龍の小娘はまだまだだが、天魔の貴様は気が付いたようだな」
アジ・ダハーカの言葉にミコトがハクアへと振り返る。
「翼がない。それに思ったほどの威圧をじない」
ハクアの知るアジ・ダハーカの伝承には『その翼は広げると天を隠すほどに巨大である』と記されていた。
その全てがこの世界の存在にも適合するとは限らないが、全く違うというのも珍しい。
それに今現在、確かにハクアとミコトの二人掛りでも勝てないであろう強者のオーラを放っているが、それでも今までに見てきた絶的なものを、ハクアはじていなかった。
邪神にしろ神にしろ、ハクアにはその力の上限が見えない。
しかし今ハクアの目の前に居るアジ・ダハーカは、とてつもなく高い山のようではあるが、確かにその頂きが見えているのだ。
「そうだ。吾はこの試練の番人の一人と言えばわかるか?」
「……つまり、弱化してる。もしくは試練の參加者に合わせて力が抑えられているという事か?」
「ああ、その両方だ」
「えっとつまりどういう事?」
「簡単だよ。今のアイツは過去の記録の一つか、もしくは試練の為にここに縛り付けられた魂だって事。そして試練に挑む者に合わせて力も制されてる」
正直設定バグってる気がするけど、そう言ってハクアはため息を吐く。
「あれで?」
「そう、あれで。ぶっちゃけ全盛期の力で來られたら勝ちようない。なんてレベルじゃなくて抵抗すら出來ないと思うよ」
「そうだね。私達の力は翼で制されてる。それがないだけでも、かなり力は削がれてると思う」
ミコトの言う通り、鬼にとっての角のように、龍族は翼によってその力が制されている。
そしてその翼がない今のアジ・ダハーカは、その力を半分以上抑え込まれていると言っても過言ではない。
その証拠があの中途半端な人化なのだろう。
「それで、お前が試練の番人って事は、お前とやり合わなきゃいけないのか?」
「ああ、そういうことになっているな」
「……ハクア? そういうのはちゃんと前に出て聞いてくれるかな? なんで私の背中に隠れながら言ってんの?」
「えっ、だってこれミコトの試練じゃん。それに矮小な元ミニゴブリンさんは、偉大なドラゴンさんの後ろに居るくらいで良くない?」
「良くないよ!? それに私、ハクアを矮小な存在とか思ってないよ。対等な友達。パートナー。と言うわけで早く後ろから出て!」
「ギャース! 引っ張るなぁ! さっきまでパートナー間違えたとか言ってたじゃん。間違えたんだよきっと」
「ハクアこそさっきまでパートナーとか、一蓮托生とか言ってたじゃん! 今更撤回とか許さないからね!?」
ここに來て二人で爭い始める姿を見たアジ・ダハーカから、呆れた気配が漂う。
「まあ待て。何も力を示す方法が戦うだけではないだろう」
アジ・ダハーカのその言葉にハクアがピクリと反応する。
「マジで? もしかして危なくない方法とか提案してくれるじ? もしかしてちゃんと話せばわかる系の人?」
なんだぁ。と言いながらミコトの後ろから出てきたハクアが、手をすりみしながらアジ・ダハーカに近寄る。
そして次の瞬間、二つの行が同時に起こった。
一つはアジ・ダハーカが近寄って來たハクアの首を尾で跳ね飛ばし、その瞬間、ハクアの姿が宙に溶けるように掻き消えた事。
そしてもう一つは、その首を跳ね飛ばされたはずのハクアが、全く別の位置からアジ・ダハーカに攻撃を仕掛け、手に持っていたクナイをアジ・ダハーカに摑まれていた事だ。
「チッ!?」
ミコトと言い爭うフリをしたハクアは、アジ・ダハーカの視線から一瞬逃れた隙に分とれ替わり潛伏した。
そして仕掛けた奇襲だったがアッサリと見破られ、舌打ちする。
「分とれ替わって奇襲とは躾のなっていない小娘だ。せっかく譲歩するつもりだったのだがな」
「ざけんなよ。そんなに殺気振り撒いて信じられるかよ!」
アジ・ダハーカの言葉にび返したハクアが、クナイから手を離すと同時に、アジ・ダハーカに蹴りを食らわせ反で逃れる。
その瞬間、クナイに結び付けた札が盛大な発を起こし、ハクアを更に吹き飛ばす。
そして同時に手印を結び、もしもの時の為に取っておいた手札を切る。
「鬼 火遁・火硫炎弾かりゅうえんだん」
ハクアが事前に取得していたスキル【忍】。
対魔法防が高いドラゴンに対抗する為に取得した、魔法とは違う理の技。
魔法とは違う理で行使される【忍】は、魔法防とは違うステータスが參照されダメージとなる。
それを知ったハクアが選んだ手札だ。
まあ、取得した瞬間【忍】が【鬼】に吸収され、盛大に慌てふためいたのはご。
元々【忍】は魔力ではなく、気で放つ、気の派生技。
【忍】の発展系が【仙】その先にある種族特有の力が【鬼】になるわけなので、當たり前と言えば當たり前の事ではあったと、後になってテアに言われ気が付いたのだ。閑話休題。
ハクアが大きく息を吸って吐き出した火遁の火の玉が、それぞれ龍の形となりアジ・ダハーカに絡み付く。
そして火龍が絡み付き拘束すると同時に、アジ・ダハーカのの表面が、硫酸でも掛けられたかのように溶け出した。
「ほう。だが───甘い!」
ドンッ! と、震腳を放つとその衝撃だけで火龍は消し飛び、一瞬で発のダメージも何もかも回復してしまう。
そして───
「ミコト! ボーッとすんな! 來るぞ!」
「えっ、あっ!?」
いきなり始まった戦いに呆然としていたミコトにハクアの檄が飛ぶ。
しかし、それはあまりにも遅すぎた。
「遅いぞ覇龍の小娘」
地を蹴り一瞬でミコトを程に捉えたアジ・ダハーカの拳が、ミコトの腹を突き貫く───が、その瞬間、ハクアの分のようにミコトの姿が掻き消えた。
「ヌッ! 上か!?」
見上げた瞬間、アジ・ダハーカを狙い、直前まで力を溜めていたミコトの極のブレスが押し潰さんと放たれた。
サモナーさんが行く
リハビリがてらで。 説明を碌に読まずにゲーム始める人っていますか? 私はそんな傾向が強いです。 βテストを終え本スタートを開始したVRMMOに參加した主人公。 ただ流されるままにゲーム世界をへろへろと楽しむことに。 そんなゲーマーのプレイレポートです。
8 175人類最後の発明品は超知能AGIでした
「世界最初の超知能マシンが、人類最後の発明品になるだろう。ただしそのマシンは従順で、自らの制御方法を我々に教えてくれるものでなければならない」アーヴィング・J・グッド(1965年) 日本有數のとある大企業に、人工知能(AI)システムを開発する研究所があった。 ここの研究員たちには、ある重要な任務が課せられていた。 それは「人類を凌駕する汎用人工知能(AGI)を作る」こと。 進化したAIは人類にとって救世主となるのか、破壊神となるのか。 その答えは、まだ誰にもわからない。 ※本作品はアイザック・アシモフによる「ロボット工學ハンドブック」第56版『われはロボット(I, Robot )』內の、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則「ロボット工學三原則」を引用しています。 ※『暗殺一家のギフテッド』スピンオフ作品です。単體でも読めますが、ラストが物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 本作品のあとの世界を描いたものが本編です。ローファンタジージャンルで、SFに加え、魔法世界が出てきます。 ※この作品は、ノベプラにもほとんど同じ內容で投稿しています。
8 81悪魔の証明 R2
キャッチコピー:そして、小説最終ページ。想像もしなかった謎があなたの前で明かされる。 近未來。吹き荒れるテロにより飛行機への搭乗は富裕層に制限され、鉄橋が海を越え國家間に張り巡らされている時代。テロに絡み、日本政府、ラインハルト社私設警察、超常現象研究所、テロ組織ARK、トゥルーマン教団、様々な思惑が絡み合い、事態は思いもよらぬ展開へと誘われる。 謎が謎を呼ぶ群像活劇、全96話(元ナンバリンング換算、若干の前後有り) ※77話アップ前は、トリックを最大限生かすため34話以降76話以前の話の順番を入れ変える可能性があります。 また、完結時後書きとして、トリック解説を予定しております。 是非完結までお付き合いください。
8 87俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件
カクヨムコンテスト4參加作品! カクヨムの方でも感想やレビューお願いします! カクヨムで80000PV突破した作品の改稿版です 高校入學を前に両親は長期海外出張。 一人暮らしになるかと思いきや、出発當日の朝、父からとんでもないことを言われた。 それは…… 同い年の子と同居?!しかも女の子! ただえさえ、俺は中學の頃はぼっちで人と話す事も苦手なのだが。 とにかく、同居することになった子はとてつもなく美少女だった。 これから俺はどうなる?この先の生活は?ラブコメ的な展開とかあるのか?!
8 99負け組だった俺と制限されたチートスキル
「君は異世界で何がしたい?」 そんなこと決まっている――復讐だ。 毎日のように暴力を振るわれていた青年が居た。 青年はそれに耐えるしかなかった。変えられなかった。 変える勇気も力も無かった。 そんな彼の元にある好機が舞い降りる。 ――異世界転移。 道徳も法も全く違う世界。 世界が変わったのだ、今まで変えられなかった全てを変えることが出來る。 手元には使い勝手の悪いチートもある。 ならば成し遂げよう。 復讐を。 ※序盤はストレス展開多めとなっております
8 170戀愛の女神に會ってから俺の日常が暴走している
2次元至上主義の男子高校生''上里 翠(かみさと みどり)''は、突如現れた女神に「ラブコメの主人公になってほしい」と告げられる。 対する翠の返答は「3次元とラブコメなんぞできん」だった。 ラブコメさせた女神とラブコメしたくない主人公の謎設定作品(予定)
8 94