教えてもらった農村へは、日が暮れる前には到達した。

この村の名産は何かなー？

そんな期待を込めてくぐった村のり口。

村は・・・。

悲壯に満ちていた。

「昨日、盜賊に襲われまして・・・。

殘念ながら、今あなたに提供できる食料はございません」

「あの盜賊やろう！」

1度ならず2度までも邪魔をされ、ついには怒りとなって表層化した。

「また最近、農産を荒らすアヴァロンボアーという巨大な豬が森から群れでやってくるようになりまして。

天候的な原因もあり、今年は不作なのです」

村長さんと直接話をすることができたが、その村長さんを含め、村人はみんな疲労し、やつれているじをけた。

「生姜なら、たくさん備蓄があるのですが。

この村の特産品ですので」

「生姜、あんの！！」

「はい、いっぱいあります。

でも生姜では、お腹は膨れませんので」

「トレードしましょう！

こちらには狼のが大量にあります。

それと生姜を換してください」

「？

それは、どこにあるのですか？」

「シェルター！」

村のど真ん中でシェルターを展開すると、村人全員が目玉を飛び出させた。

「こんな魔法、見たことないです」

俺は冷凍庫から凍った狼のを回収してきた。

「どうして、このは凍っているのですか」

「企業です」

「企業、とは何ですか？」

「企業です」

＊＊＊＊＊

生姜と狼のトレードはつつがなく進み、早速『狼の生姜焼き』を村人に振舞って回った。

當然、その分の生姜はいただく。

生姜、どれだけあっても困らない。

臭みのある、そして今後は『魚』も手できると考えれば。

料理の幅は一気に広がる。

村の子どもたちは、狼の生姜焼きを喜んで食べてくれた。

そんなホッコリする景を見つめながら、村長とその他數人の大人が、重たい話題を切り出す。

「あなた様は、不思議な魔法が使えるとお見けする。

そこで、お頼み申したいことがあります。

豬の件です」

「害獣退治ですか・・・」

「豬が出沒するのは夜です。

今夜も森から現れるかもしれません。

農作を荒らすのも困りますが、中には村の家を破壊するものまで現れます。

しかし害獣と戦うための裝備品を、盜賊に取られてしまった現狀です。

また、害獣と戦える若い男も、盜賊の手にかかり負傷して、けない狀態にあります。

なんとか、お力をお貸しいただけないでしょうか」

俺は悩む。

そして、思った。

狼より、豬の方が、多、味しそうであると。

「わかりました、やりましょう。

ただし、討伐した豬のは、私が全ていただきます」

「それで問題ありません。

では、これから、その詳細についてお話しします」

＊＊＊＊＊

日が落ち、あたりは暗く。

今、俺がいるのは、村と森の境界部。

この暗闇の森から、巨大豬がやってくるのだ。

「準備はできています。

あとは期を待ちましょう」

「あの、本當に、これで大丈夫なのでしょうか。

こんな小さい小屋など、すぐに破壊されてしまうのでは？」

「まあ、任せてください」

代表してついてきてくれた村長さんに心配をかけまいと、をトンと叩く。

そこまで話をした段階で、村長さんには危険なのでご帰宅いただいた。

宵闇。

俺だけが、殘される。

シェルターの天井に。

その天井からは、無數の『人參』が括り付けられ、垂らされている。

「來た！」

暗闇がを反し、それがの目だと理解する。

次の瞬間、そのは無限増した。

「めっちゃ、おる！」

そして次の瞬間、そのは、シェルター目掛けて突進を開始する。

>

この景！

もの◯け姫で見た！

そして、1匹が。

シェルターにぶら下げられた人參目掛けて跳躍。

>

瞬間、俺は人參を引き上げる。

そして豬は、シェルターの壁に激突した。

脳震盪を起こしたのか、腹ばいになって倒れこむ豬。

そして次々に、豬たちが突進してくる。

「ホイホイ！」

っと、俺は人參を引き上げ、そしてまた、下ろす。

次々に壁に衝突する豬たち。

しかし、激突の衝撃は、全てシェルターが吸収してくれる。

それは鶏戦で確認済み。

故に、振で足場が揺れ、俺が落下し圧殺されることはない、と予測できたのだった。

さあ、本番はここからだ。

「ブスっとね！」

刺殺！

ここで登場するのは、木材に厳重に縛り付けた吸魔包丁だった。

即席で作った『槍』が、プリンにフォークを刺すくらい簡単に脳天に突き刺さる。

間髪いれず、次々に豬に槍を突き刺していく。

この間に、の報が頭に流れ込んでくる。

・質：無毒、味★★、獣臭中、特殊効果なし

殘念。

狼と同じ評価でした。

しかし、は。

今はしでも食材がしい。

そんなに忠実に。

俺は人參と槍を互にかし続けたのである。