《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》行き先、そして場所
しばらくしてサナが泣き止み、落ち著いた辺りで彼は腕を解く。
しかし今度は俺の肩に両手を置き、視線を合わせてくる。
「私も手伝うから言って。絶対にやってみせるから」
泣きはらしし腫れて赤くなっている目元。
しかしその目には闘志が宿っている。
綺麗な眼だな。
「……分かった。ならサナにはエルフの里に行ってしい」
そんな彼の想いに応える。
正直エルフたちの実力も分かっていないのに今の狀態の彼らの所に行くのは避けたい。
行くとしても俺一人で、と考えていた。
しかしそれではダメらしい。
「何をしてくるかも分からないし、どれだけ危険かも分からない。俺も助けに行けないと思う。それでも……行ってくれるか?」
不安に思いつつも彼に最終確認をする。
結果は分かり切っているが、どうしても拭い切れないのだ。
「ええ。もちろん。任せて!」
力強く頷いて見せる彼に思わず苦笑がれる。
やっぱりか……不安だらけだけど、サナがやってくれると言うんだ。
俺もやるに決まっている。
「ありがとう」
サナに謝を伝えて、視線をメルマンさんに向ける。
穏やかな顔で靜かにこちらの様子を観ていた彼の顔が、視線を向けたことで引き締まる。
「メルマンさん。シリシセスのダンジョンについて分かっていることを教えてくれ」
俺はこっちだ。
前回はキリと一緒だったからなんとかなった部分もある。
しかし今回は一人で、それも単なるクリアが目的ではなくスピードクリアだ。
休憩も最低限で行くつもりだから危険度は増すだろう。
でもやれることをやりたい。いや、やらなければならない。
それが責任というものだ。
「それは構いませんが、明日の方がよろしいのでないですか? 旦那様もかなりお疲れでしょう」
「いや、明日には出立したいから夜遅くまで付き合わせにてしまうけど今、お願い出來るか?」
「……分かりました。地図を用意しますので、々お待ちください」
「ああ。悪いな」
彼の配慮はありがたいが、今は急ぎなので遠慮する。
……急いでばっかりだな。公判が終わったら皆とゆっくりしたかったんだけどな。
靜かでゆっくりしていられる所がないか皆に訊いてみるか。
「ここがシリシセス國になります」
そんなことを考えていると地図を空いている壁にり用意し終えた。
メルマンさんが指しているシリシセス國はカシオピア王國の南東にあり、ベガから見ても南東、いや南東南にある。
國の面積がかなり大きい。ベガの四、五倍程か?
その國の上に“プロキオン”と“ベルギウス”の二か國が隣接している。
「そしてシリシセス國の南西にあるこの“ケリュポーン砂漠”」
そう言って今度はシリシセス國の右端の部分を円を描く様にして指してくれる。
その幅は國の三分の一くらいを締めている。
「この範囲全てがケリュポーン砂漠で、その中心にダンジョンがあるとされています」
つまりベガ一つ分は移しないといけない、と。
しかしベガからシリシセス國までかなりの距離がある。距離からして恐らくベガの裏側か。
地図からしてベガから向かうよりアンタレス王國から向かった方が早いな。
『千里眼』の程距離で考えて二、三日。そこからダンジョン攻略で四、五だと仮定して約一週間。
帰りはゲートがあるから換算なしで良いが、大分時間がかかるな。
「なるほど……多分一週間はかかる。その間リリーのは持つか?」
そこが問題だ。それがダメなら意味がない。
するとメルマンさんはしの間考え込む。
そして難しい顔のまま口を開く。
「恐らく、になってしまい申し訳ありませんが、大丈夫かと」
謝罪と共に弱々しく告げる。
はっきり言えないのは仕方ない。毒だけではなくなったのだから。
「なら二人のことは任せます」
メルマンさんに向けて再び頭を下げる。
今は彼が頼りだ。
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