《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第286話 語られる地獄

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※ すみません。ちょっと糞話がるので、注意です。

それは50年以上前に遡る……。

の天上族がストラバールに捨てられた。

ルールーと呼ばれた彼は、天上族の中でもく、まだ児といっていい姿をしていた。

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そこまではレミニアの母と似た境遇ではあったが、ここからが違った。

ルールーもまた人里を頼ったが、閉鎖的な里人たちは彼れなかった。

特に薄い水の瞳を恐れた。

夜になると、人魂のようにぼうと明るくなるからだ。

それでもルールーは人里の中にある、あの男のもとにを寄せた。閉鎖的な村にあって、人柄が良く、素もわからないルールーに居場所を與えてくれた。

男は妻子持ちだったが、離縁され、1人で暮らしていた。離縁された影響からか悪い噂が広まり、人里から村八分にされているのだと、ルールーは後になって知った。

男はとてもよくしてくれた。

何故、こんな男が妻子に逃げられ、村から迫害されているのか、わからなかった。

その理由を知ったのは3年後だ。

男は突然夜這いをしてきた。

三年ともなれば、ルールーはそれなりに長している。それでもまだ子ども同然のだ。

しかし、男はそのルールーのをまさぐり続ける。ルールーもまた恩があることが抵抗できず、ただを固めていることしかできなかった。

こうしたことが、度々続いた。

ある日、里の中の若者に、男とルールーの関係が知られる。

ルールーのと変わらない姿にまで長していた。

突然、若者たちに森に引きずり込まれた。

この時、ルールーは抵抗した。この若者たちには何の恩もじていなかったからだ。

しかし、相手は若い男たち。さらに多勢に無勢である。

結果は決まっている――かに見えた。

気が付けば、ルールーは1人の若者を殺していた。

ルールーは里人を殺した罪で、罪人となった……。

里の中で裁判が行われ、ルールーは石打の刑を言い渡された。里人全員から石を投げられるという辛い刑だ。老若男問わず、何十発と石を投げつけられる。手當もなくさらされ、死んでしまうものもなくない。

里人は容赦なくルールーを石打にした。

そもそも里の中では、薄い水の瞳を気味悪がる者も多い。

子どもも大人に洗脳されて、悪魔と罵聲を浴びせながら力の限り石を投げた。

そして、あの男も石打に參加していた。

結局、ルールーに味方はいない。

そのまま死にたいと思ったが、頑丈な天上族のはそれを許さなかった。

ルールーは丸太に括り付けられ、激流の川に流され、放逐された。

ルールーは川下の小さな村で発見されたが、そこでの生活も里と変わらなかった。學もなければ、お金もない。力との頑丈さには、自信はあれど、どうしようもない孤獨を埋めることはできなかった。

結果、彼が辿り著いたのは、花街だった。

男1人に組み伏せられるのだけでも抵抗はあった。不特定多數の男なら尚更だ。だが、皮にも里での男との生活が、を開くことの容易にさせてしまったことは確かだった。

元々が多い天上族だ。

ルールーは忽ち人気の遊となった。

その仕事には抵抗が付きまとったが、行儀や作法、文字などを學べることはルールーにとって大きかった。

それに遊郭には自分と似た生い立ちの末に流れ著いた者もなくない。みんなが商売敵であったが、里にいるよりずっと心が軽かった。

しかし、そんな気の緩みがルールーにあることを引き起こす。

ある時、客の子をごもってしまったのだ。

里で何度も男に求められたが、子どもを宿すことはなかった。自分は子を宿しにくいというよりは、人族と天上族は子を宿せないと勝手に思い、男に対して安易に気をやったことが徒となった。

すでにその時、ルールーは人気の絶頂にあった。

その子どもができたことは、たちまち花街全に広がり、そしてまた彼はコミュニティを追われた。

そうして天上族と人族のハーフは生まれた。

最初の頃、ルールーはその子どもを大事に育てた。たった1人だった自分に、初めて親というものが生まれたのだ。今まで埋められなかった孤獨を、ようやく埋まっていくように充足じた。

読み書きができたので、下町の子どもを集めて、小さな塾を開いた。実りはなかったが、子どもと2人で過ごすには十分だった。

しかし、その子どもが段々と自分と似ていくのを見たルールーは、過去の自分を重ね合わせるようになった。

さらに里に捨てられ、村に捨てられ、街に捨てられ、男に裏切られたルールーから、本當に人に対する強烈な不信や猜疑心を拭いさることができなかった。

子どもが長すればするほど、その興味を失っていった。

そしてまるで子どもに己の魅力をみせつけるように、家に男を連れ込んで再びを売るようになっていく。

その後、ルールーは初めての結婚をした。

相手は客の男で、冒険者をしている。

力が自慢で、時々ルールーを毆ることもあった。

結婚生活2年目。子どもは10歳になっていた。育児放棄のおかげで、子どもの著ているものはボロボロだったが、やはり天上族の母から生まれた子どもだけに、その姿はしかった。

そんな子どもに、の権化のようなルールーの夫が目を使い出すのも、そう時間のかかることでもなかった。

最初は部をるだけだったが、次第に行為はエスカレートしていった。

母親と違って、抵抗したが、いくらハーフといえど、大人と子どもの差である。毆られて騙されるのがオチだった。そんな夫の行を見て、ルールーは子どもに対してとして嫉妬した。

行為が終わった後、夫が毆った後にも、子どもを責めて、時に追加で暴力を振るった。

それはルールーにとっても、子どもにとっても地獄の日々だった。

そんな日々が終わりを告げたのは、半年後の話だ。

子どもが夫を殺したのだ。

それを見て、ルールーは泣きび、結果憤死した。

生まれてからずっと付きまとっていた孤獨、人の冷たさ、自分が里で若者を殺した時の、石打の痛み、そして裏切り。

それまでせき止められた負のが、天上族の神を以てしても耐えきれることはなかった。

いや、天上族であったなら、味わえなかっただろう心の地獄に、耐えきれるほど、ルールーの神は頑丈にはできていなかったのだ。

こうして1つの地獄が終わりを告げる。

子どもは2人の死を土に埋め、1つだけ墓を作って弔い、そして住んでいた小さな集合住宅から姿を消した。

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