《異世界でもプログラム》第六十二話 DoS攻撃?
黒ドラゴンの正が、人を核にしたキメラだった。
煙が天に上がる。
森の木々を越えたあたりで、煙が霧散する。
それぞれ・・・。待つ人の所に向かっているようにも思える。
「兄ちゃん?」
「アル。お疲れ。カルラは?」
「姉ちゃんは、防をまとめている」
さっそくき出している。
アルバンの視線を追うと、カルラが防をまとめている姿が目に飛び込んできた。
俺とアルバンは、攻撃をかわすために、全力だった。スキルを使わない戦いは辛かった。
途中からスキルを全開で使わなければならなかった。
本當に、嫌らしい敵だ。
「旦那様」
止まっていた。クォートとシャープが背後から聲をかけてきた。
「お!」
スキルの恩恵でいているクォートとシャープは、黒ドラゴンの周りでは、スキルの発が阻害されていた。奴クラーラが何かを仕掛けたことも考えられるが、俺たちが居るとは知らなかったはずだ。
きが停止していた狀況で、スキルがれ出さなかったら、黒ドラゴンから狙われなかったのか?
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かなくなったのが、奴クラーラが仕掛けたことで無ければ・・・。過剰電流ではないけど、過剰にスキルの発が確認された時用のセーフティーネットがいたのか?俺が組み込んだセーフティーネットとは違うきだが、かなくなるのは想定していたパターンの中に含まれている。
あとで、調査だな。
検証は難しいが、調べて対策を考えなければ、次に奴クラーラと遭遇した時に・・・。木龍たちと同じように、対応が取られる可能が高い。奴クラーラには初見殺しを用意しなければ・・・。それも、複數の系統だ。奴クラーラたちの上をいかなければ、狩られるとは俺になってしまう。
「旦那様。自己検査を行いました」
「何か、異常の発見がされたのか?」
「はい。一萬六千九百一回の介が発見されました」
「は?」
「いちまん」「數字は、いい。介は?ハッキングという意味でいいのか?」
「はい。コアへの介です」
「大丈夫なのか?」
「はい。介前に、表層部分のスキルが負荷に耐えられずにフリーズしました」
DoS攻撃をけて、システムがシャッドダウンしたのか?
対策を考える必要はあるけど、クォートとシャープは対策を行っている。それを突破されているのも問題だけど、負荷をかけることができるスキルが解らない。
ん?
表層部分のスキル?
あれは、部を守る為のファイアウォールの役割を持っている。攻撃を防ぐ目的もあるのだが、部から外部にスキルがれ出さない様にする役割もある。
「クォート。表層部分の負荷で、部へのスキル干渉ではないのだな?」
「はい。表層部分への負荷です。攻撃ではありません」
「鑑定やスキャンに近いか?」
ポートスキャンか?
スキルで同じようなことができるのか?
そもそも、外部インターフェースが違うから、意味があるとは思えない。
クォートとシャープはスキルで構されているが、本部分は・・・。
奴クラーラは、”傀儡子”と表現した。クォートとシャープがスキルでいている事を認識して、対応をおこなった。
俺の知らないスキルを使ったのか?
それとも、何か方法があるのか?
「詳細は不明です」
飽和攻撃か?
「わかった。何か、問題はあるのか?」
「自己診斷を行いましたが、問題は発見されませんでした」
「そうか・・・。カルラを手伝ってくれ、カルラが集めた防を、アルトワ・ダンジョンに向っているエイダに屆けてくれ、そのままウーレンフートに送るように伝えてしい」
「わかりました」
クォートとシャープのきを阻害するだけのスキャン?
今は、調べられない。
設備もなければ、手持ちの道もない。
そして、黒ドラゴンの本と戦う時に、スキルを全開で使ったために、これ以上はスキルが使えない。俺だけではなく、カルラもアルバンもスキルを使い果たしている。半日くらいは使えないじだ。
継続戦闘には自信があったが、俺たちはまだまだ弱い。
ダンジョンを攻略して、強者になったつもりになっていただけの弱者だ。
もっと、力を・・・。
奴クラーラを殺せるだけの力を・・・。
---
クォートとシャープがカルラを手伝って、防を馬車に詰め込んでいる。
ユニコーンとバイコーンは、離れた場所で止まっていたようだが、起して戻ってきた。
二には、クォートとシャープにない報があった。
行ログが生されている。
正確には、クォートとシャープにも行ログは生されているのだが、コアに連した形になっていて、機能を停止してメンテナンスモードにしなければ、見られない。簡単に言えば、ウーレンフートやコア・ルームでメンテナンスを行う時にしか見る事ができない。
ユニコーンとバイコーンのログをW-ZERO3でけ取った。
ユニコーンとパイコーンは、クォートとシャープと一緒にアルトワ・ダンジョンからウーレンフートに戻る事が決定している。
防を積み込んだ馬車を曳いていくのには、ユニコーンとバイコーンが必要だ。クォートとシャープのログは、後日に確認するとして、まずは同等の機能を持っているユニコーンとバイコーンを調べる事にする。
ログは、大きかったが、いくつかの報を下にフィルターをかけたら、かなり報を絞る事ができた。
本格的に調べるのには、端末が必要だけど、辺りをつける位なら、この場所でもできる。
”この場所”で行う必要はないことは解っている。気になってしまっているのも事実だ。
そして大きな理由は、俺もアルバンもカルラも黒ドラゴンとの戦いで疲れてしまっていて、が休憩を求めているからだ。
何か食べたいとは思うけど、何も食べたくない。
黒ドラゴンの核を思い出すと・・・。
すぐに気持ちが落ち著くとは思うが、今は座っているだけの時間がしい。
座っているだけでも、ログを見るくらいはできる。
大きな理由として・・・。頭をかしていないと、心が悲鳴を上げてしまう。
クラーラの姿を思い出しては、心をい立たせるが、黒ドラゴンにされてしまった人たちの表を思い出すと・・・。
ログからは、推測がり立った。
大きくは外れていないとは思う。
黒い靄が、纏わりつくと、スキルを吸収していた様に思える。
スキルの吸収が、黒い石が持っている権能だと仮定する事もできる。
黒い石を取り除いた、黒ドラゴンの本はスキルの吸収ができていなかった。
靄がコンバーターの役割を果たしていたのだろう。
ログには、いろいろな攻撃が加えられたような痕跡が殘されている。
別の推測になるが、靄はスキルを吸収していたのではなく、スキルを相殺していた可能がある。
”相殺”と考えても、全ての現象の説明は不可能だ。
だけど、仮説として考えの始まりとしては、いいのかもしれない。
ログからだと、ユニコーンとバイコーンは、弱いスキル攻撃をけ続けて、スキルが停止した。DoS攻撃をけたサーバの様なきだ。
再起時に、何かを仕込まれる可能があるのかは解らない。部に侵された形跡はない。何かを持っていかれた可能の否定はできないが、重要な報は存在しない。直近の命令を持っていかれた可能があるが、盜まれても困らない報だ。
今後の事を考えると、DMZを作るのは當然だとして、ハニーポットを置いておく必要があるかもしれない。
コアをダブルにして、フォレンジック用のスキルを起させた方がいいかもしれない。コストが倍になるが、クラーラたちを相手にするのなら必要な投資だろう。クラッキング対策の抜本的な見直しをしよう。
クラーラが言っていた、帝國にも行かなければならないようだ。
『アルノルト様。私は帝國に帰ります。皇都に來られる時には、妖の涙ティアドロップを訪ねてください。盟主と共に歓迎いたします』
皇都?帝都ではないのか?
妖の涙ティアドロップは、奴が屬している組織の名前だろう。
盟主の存在。
俺が目指すべきが朧気ながら見えてきた。
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俺とアルバンとカルラは、休憩を選んだ。
そして、俺は休憩を選んだことを・・・。
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