《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》6-428 ラファエルの決意

「もういいだろ?これ以上アンタに付き合うのも時間の無駄だし、そろそろ消えてもらうけど覚悟はいい?」

『あら。私に勝つつもりでいらっしゃるのね?よほどの自信がおありなのか、それとも実力差が判らないお山の大將なのかしらね?』

「……ラファエル」

『はい、サヤ様』

『あら、あなた……あなたは”そちら側”に付くことにしたの?』

『……はい』

『あなたは助けてあげようと思っていたのだけれど……そちら側に付くということは、それも放棄してしまうということね?』

『サヤ様から聞いた話ですと、私という存在はこの世界に紐づけられて生まれたようです。ですから、この世界が消えてしまった場合は同じく私も……ですから、私はこの世界を守ることにしました』

『……そうなのね。でも、あなたの願い聞いてこの世界は殘したまま再構築してあげてもいいのよ?そうすれば、アナタという存在は消えないわ』

『サヤ様は先ほど私に説明してくださいました、あなたがこの世界をもう一度自分のむように創りなおすにはきっと全てを”無”してしまうことが一番手っ取り早いと。この世界が創り出された時點で、この世界に生まれる存在はおのずと種類が決まってくるのだと……』

サヤがこの世界の理で説明をしたのは、この世界にも屬というものが存在している。

魔素や元素といった屬、繁を行うための別、地上・水中・空中で生活するための能力……全ては世界を元にして紐づけて生み出されていたと。その基準である世界が崩壊してしまえば、その上でり立っていた存在達も同じように消滅してしまうのだとサヤは説明をした。

その容を聞かされたハルナとラファエルは、同時にその容の信憑を疑った。しかしそんな疑いは初めから予想していたサヤは、剣の創造者の権限を譲渡されたことをきっかけにこの世界の理が見えていると説明し、サヤ自が分析したこの世界の構についてほぼ間違いがないと斷言する。

ハルナもサヤはそういう面では得意なことは、これまでこの世界を二人で過ごしてきたため判っていた。――サヤはもう敵ではなく、味方であると。

聞けば、もう一つの世界の方では、隨分とステイビルたちにも好かれていたようだった。サヤははっきりとは言わなかったが、世界が違ったとしてもあのステイビルの本がそんなに差があるとは思えない。

そんなステイビルたちに信頼されていると考えれば、今のサヤはハルナが考えていたサヤの姿になっていた。

ハルナの知る小さな頃のサヤは、大人びた考え方を持っており、大人にも食いついていくような格の持ち主だった。

それがいつしかその自信は、生意気な態度からか周囲に打ち砕かれて、あのような格になってしまっていた。

だが、ハルナはそんなサヤが人して自立できるようになると、その能力を発揮するものだと思っていた。

……だがその結果は、ハルナの思い通りにはいかず、”このような”狀況になっている原因となった。

『……そういうわけで、私はサヤ様の言葉を信頼します』

「そう言うことだね……そろそろいいか?」

そのサヤの言葉と同時に、盾の創造者はこの場にいる三人に威嚇するように資源をに貯め込み始めた。

それを警戒するサヤは、ハルナとラファエルに聲をかけた。

「……くるよ。ここで仕留めるからね」

その言葉にハルナとラファエルは頷いて応え、自分たちも目の前の敵を注視した。

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